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オーストラリア農業の先進性から学ぶ! 第4回 栽培作物の選定のノウハウ

今回は、オーストラリアの栽培環境に適し、日本を始めとする海外市場への輸出が可能な野菜の栽培品目の選定について考察します。

栽培場所の条件に合った品種選び

オーストラリアで野菜を栽培する際の第一歩は、栽培場所の条件(土壌、気候、病害虫の有無)に合った品種を選ぶことです。オーストラリアは広大な国土を持ち、地域ごとに異なる気候条件があります。これらの条件を考慮し、温度や湿度の変化に強く、病気や害虫に対して耐性がある品種を選定することが重要です。

苗からの栽培の推奨

「苗半作」という言葉があります。良い苗を育てることが、その後の生育や収量に大きく影響します。特に初めての栽培であれば、育苗に労力や時間を費やすよりも、苗生産業者から良質な苗を購入する方が収穫の確率が高くなります。果菜類(ナス、キュウリ、トマトなど)は、苗から育てることで成功率が上がります。

VIC 州で年間3 億苗超を生産しているオーストラリアで最大規模の苗生産法人
「Boomaroo Nurseries」

市場の需要と輸出の可能性

次に、オーストラリア国内市場だけでなく、海外市場での需要を見極める必要があります。オーストラリアで栽培された野菜のうち約10%は海外輸出を目的としています。オーストラリアの野菜は国際基準の厳格な品質管理のもと生産されており、世界各国で高い評価を得ています。

日本との協力体制

現在、オーストラリアの生産者は日本側と協力し、日本品種の農作物をオーストラリアで栽培する取り組みを進みがあります。これは、日本ブランドの需要が高いアジア市場などをターゲットとした輸出事業です。日本からの供給が難しい季節に、季節が逆のオーストラリアで日本品種の栽培・供給を行うことが目的です。これにより、両国からの通年供給が可能となり、第三国市場への安定供給が実現します。例えば、日本で夏に育つ農作物が冬のオーストラリアで栽培されることで、年間を通じた出荷が可能になります。

日本へのアドバイス

オーストラリアの厳しい栽培環境と高い品質管理基準から学ぶことは、日本の農業にも非常に有益です。特に、季節の逆転を活用した栽培方法や良質な苗の使用は、日本の農業経営に新たな視点を提供します。日本でも、これらのノウハウを取り入れることで、農業生産性の向上が期待できます。お互いに知見を共有し、Win-Winの関係を築くことが、両国の農業の発展に繋がると確信しています。

オーストラリアと日本の協力により、より良い農業経営を実現し、国際市場での競争力を高めていきましょう。

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