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オーストラリア農業の先進性から学ぶ! 第36回 農業の新規事業で必要な「資金調達」のノウハウ(その2:「日本の先端農業技術」でCO2削減をPRして、オーストラリアで資金調達する)

オーストラリアは「日本の先端農業技術」を活かしたビジネスモデルで、「資金調達」がとてもし易い国と言っても過言ではありません。今回は、前号で触れた「資金調達」でPRするポイントについて、具体的に考察していきます。

オーストラリアの投資家から注目される日本の先端農業技術

オーストラリアの農業は「広い面積で大量生産する農業」と定義できます。不確実性の高い昨今、日本の「狭い面積で大量生産できる」日本の「スマート農業」を代表する「植物工場」技術のノウハウが、世界中で脚光を浴びており、オーストラリアでも注目されています。換言すれば、オーストラリアでの植物工場事業は今後、これまで以上に投資=資金調達が活発に行われると言えます。オーストラリアは大規模な露地栽培が主流で、近い将来、規定の「CO2(※1)」排出量を抑えることが困難になる生産者が増加することも懸念されます。そのため、CO2の排出量も抑えることが可能な日本の植物工場のような技術が必要不可欠になることも推測できます。

(※1)科学的に証明できているか賛否両論ある段階

資金調達でPRするポイントの詳細(一例)

オーストラリアの大規模な露地と、日本の植物工場で栽培されるレタス1株(玉)あたりのCO2排出量を比較してPR

資金調達の際には、オーストラリアの農業界でトレンドとなっている「キーワード」を基に自社の事業がどのように貢献できるか、「数字」をベースに説明すると良いでしょう。

日本の植物工場で栽培されるレタスの収穫量は、1平方メートルあたりの年間生産量が500〜800株(露地栽培では約5株)と言われており、面積当たりの収量が多いのが特徴です。植物工場栽培は、「労働力が減る=農業機械の使用頻度が減る=CO2排出量が減る」(下記※2)と定義できます。

CO2排出量の比較

A、BのCO2排出量比較

0.000073kg(A露地栽培)÷0.000002kg(B植物工場)=36.5倍

この比較からも明らかなように、植物工場栽培のレタスは露地栽培のレタスに比べてCO2排出量が非常に少ないことがPRできます。

まとめ(日本の農業者の皆様へ)

スマート農業や植物工場技術を導入することで、CO2排出量を削減をPRできる農業を実現することが可能です。これにより、国内外の投資家からの関心も高まり、資金調達が容易になるかもしれません。また、具体的な数値や事例を基に、投資家に対して自社の技術の優位性をアピールすることが重要です。

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