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オーストラリア農業の先進性から学ぶ! 第2回 栽培作物の環境条件について (その2) 

日本の農業は、気候条件や病害虫などの要因により、安定した収穫を困難とする課題に直面しています。オーストラリアの状況から得られるヒントを考えることで、これらの課題に対処する道筋が見えてきます。

1. 気候条件への対応

オーストラリアと比較して、日本の降水量は少なく、特に乾燥しやすい地域が多く存在します。このような環境下で安定した栽培を実現するためには、水資源の効率的な利用が必要です。気象庁の提供するデータを活用し、土壌の水分蒸発率を計算することで、灌漑量を最適化することが重要です。また、降水量が少ない地域では、雨水の貯蔵や再利用を促進することも一考です。

2. 病害虫コントロール

日本の湿度の高さは、病害虫の発生を促進します。オーストラリアの取り組みから学ぶと、病害虫の発生状況をリアルタイムに把握することが重要です。これにはインターネット上の情報やデータを活用し、早期に対策を講じることが不可欠です。また、農薬だけでなく、生物農薬や防除のための自然な生態系の活用も重要です。例えば、天敵の放し飼いや粘着板の活用により、化学的な依存を減らしながら病害虫の発生を抑制することが可能です。

3. 技術の活用と効率化

日本の農業には、労働力不足や高齢化も深刻な問題です。オーストラリアの成功例から得られるヒントは、技術の活用と効率化です。ドローンやセンサー技術を活用し、農作業の自動化やリアルタイムなモニタリングを行うことで、人的負担を減らしつつ生産性を向上させることが可能です。また、若手農家の育成や農業への新たな投資を促進することも重要です。

日本の農業が直面する課題は多岐にわたりますが、これらの課題に対処するためには、国内外の成功事例や最新の技術を積極的に取り入れることが欠かせません。これにより、持続可能な農業システムの構築と、安定した食料供給の実現に向けた一歩を踏み出すことができるでしょう。

気象局(BOM)のサイトで蒸発量が確認できる*1
病害虫の発生状況も確認できる*2

【出所】
*1 http://www.bom.gov.au/watl/evaporation/
*2 http://cesaraustralia.com/sustainable-agriculture/pestfacts-south-eastern/pestfacts-map/

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