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オーストラリア農業の先進性から学ぶ! 第12回 栽培に必要な「水源・水質」(その2)
今回は、前回に引き続き、栽培に必要な「水源・水質」について考察していきます。特に、オーストラリアでの実践から学べる点を中心にお伝えします。
オーストラリアの農業現場では、ディスクフィルターやスクリーンフィルターが多く使われています。また、大腸菌等の菌を死滅させるために食品・工業用として使われる特殊フィルターが設置されている栽培施設もあります。
圃場の潅水システム
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ディスクフィルター内部の構造
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水質に応じて、適したメッシュサイズ(孔の小ささ)のフィルターを使うことが重要です。適したメッシュサイズのフィルターを使用しないと、圃場で使う潅水機器が不純物で目詰まりを起こし、甚大な被害をもたらす可能性があります。
水質チェック時には、細菌の種類や不純物の大きさを確認し、使用用途(野菜洗浄、スプリンクラー、薬液混入機等)を明確にして、メッシュサイズを決める必要があります。
ディスクフィルターリング(メッシュ)
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フィルターの選択:フィルターのメッシュサイズとその用途
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例えば、粗めの不純物が多い場所では、細かいメッシュサイズのフィルターを設置する必要はありません。メッシュサイズが小さければ、フィルター内部を洗浄する回数が増え、労働力増に繋がる恐れがあります。
また、フィルターのメッシュが細かすぎると、フィルターを稼働させるのに高圧の大型ポンプが必要になり、イニシャル・ランニングコストが上がるため注意が必要です。
水質検査項目:水質チェックには以下の項目
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最後に、日本の農業者の皆様へ、実践的な潅水管理のポイントを具体的にお伝えします。
1. 水質管理とフィルター選定
水質の確保:水中の不純物や微生物を除去するために、適切なメッシュサイズのフィルターを選びましょう。フィルターの定期的な清掃と交換を行うことで、システムの詰まりを防ぎ、作物への影響を最小限に抑えます。
2. 定期的なメンテナンス
フィルターの管理:フィルターの圧力を定期的にチェックし、目詰まりが起きる前に清掃することで、ポンプの効率を保ちます。これにより、エネルギー消費の削減と設備の長寿命化が期待できます。
3. 潅水量の最適化
水の適正利用:土壌の水分量を定期的にモニタリングし、必要に応じて潅水量を調整します。過剰な潅水は不要なコストを生み出すだけでなく、作物の生育にも悪影響を与えることがあります。
成果の評価
これらの実践により、水資源の効率的な利用と作物の健康維持が実現され、結果として収益の安定化と増加につながります。例えば、フィルターの適切な管理により、年間数万円から数十万円のコスト削減が見込めることがあります(※頻度、使用量による)。
潅水管理の改善は、農業経営の基盤を強化し、持続可能な農業活動を推進する重要な手段です。
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