#河出書房新社
著…大空幸星『「死んでもいいけど、死んじゃだめ」と僕が言い続ける理由 あなたのいばしょは、必ずあるから』
顔も名前も声も出すことなく、24時間365日いつでもチャットで悩みを相談できる無料窓口を運営している著者の本。
人は時折「ひとりになりたい」と願うものですが、それと「ひとりになってしまう」のは全く違うものです。
この本では、後者について言及されているため、読んでいて胸が締め付けられます。
個別の事例紹介はありませんが、相談窓口に寄せられる悩みの内容から、いかに孤独を抱えた方が多いかが
ぶん…アン・グットマン え…ゲオルグ・ハレンスレーベン やく…石津ちひろ『リサのいもうと』
もうすぐ弟か妹が生まれる。
パパとママだけでなく、みんなを赤ちゃんにとられてしまうような気がする。
だから、ついやきもちを妬いてしまう。
…そんなリサの気持ちを描いた絵本。
もしかしたら、家族って、すぐ家族になるのではなくて、思い出を作りながら少しずつ家族になっていくものなのかも…と気づかせてくれるストーリー。
この絵本を読んだら、心がじんわりと温かくなりました。
特に、
著…エドワード・ゴーリー 訳…柴田元幸『優雅に叱責する自転車』
深読みすればするほど味わい深くなるエドワード・ゴーリーの世界観を存分に楽しめる作品。
※注意
以下の文は、結末まで明かすネタバレを含みます。
未読の方はご注意ください。
もしかしたら浮遊霊の物語かもしれません。
この『優雅に叱責する自転車』は。
クロッケーの鎚でお互いを叩き合っていたきょうだいの前に、突然誰も乗っていない自転車が現れて、きょうだいを連れ去っていきます。
行
著…伊坂幸太郎 絵…マヌエーレ・フィオール『クリスマスを探偵と』
大人へのクリスマスプレゼントにぴったりな、ちょっぴり苦味のある絵本です。
※注意
以下の文は、結末までは明かしませんが、ネタバレを含みます。
物語の舞台はドイツ。
世の中はクリスマス気分に浮かれています。
なのに、主人公カールの心は沈んだまま…。
それもそのはず、カールは尾行の真っ最中。
尾行の相手は、なんとカールの実の父親。
カールは子どもの頃と同じように父親は浮
編…河出書房新社編集部 絵…モリナガ・ヨウ『図書館版 伊能図探検 伝説の古地図を200倍楽しむ』
伊能忠敬のエピソードは勿論、地図そのものに着目している本。
古地図と現代の地図を照らし合わせながら、200年の間にどんな変化があったか知ることが出来ます。
自分が住んでいる所は、江戸時代はどんな場所だったのだろう?
友達や家族が住んでいる所は?
といった想像も楽しめるので、複数人で読むのもおすすめ。
わたしはこの本を読んで、自分が以前住んでいた所も伊能忠敬が通っていたと知り、
著…松尾みゆき『おうちで作れる かわいいおすし ちょっと特別な日のちいさなおもてなし』
ホームパーティー。
お祝いごとのある日。
そういうハレの日にピッタリなおすしの作り方を学べる本です。
ラップを使ってすし飯をまんまるに握り、ネタを乗せて形を整えれば、手軽に味わえる可愛い手まり寿司の完成!
たこ、錦糸玉子、いくら、サーモン、まぐろ、そら豆、れんこんの甘酢漬け、ラディッシュのレモン漬け、えび、いか、アボカド、生ハム。
色んなネタをちょこっとずつ楽しめます。
著…上田耕造『ジャンヌ・ダルク フランスに生涯をささげた少女』
そもそもなぜ英仏百年戦争が起きたのか? といった歴史的背景や、後世の人々が描いた絵画からジャンヌ・ダルクの人物像に迫ろうという本。
残念ながら、
ということで、人物像が非常に謎めいています。
男装をして、短い髪だったイメージですが、おそらくそれは映画や本といった作品の中でそう描かれているから。
実際の彼女はどんな容姿をして、どう悩み、そしてどのように戦ったのでしょうか?
本当
著…内田静枝『セーラー服と女学生 100年ずっと愛された、その秘密』
明治時代から現代にかけての、女学生のセーラー服姿についてまとめた本。
写真、イラストといった資料をもとに、女学生の制服が洋装へと移り変わっていった歴史を知ることが出来ます。
和装と洋装の中間にあたる、女袴をはいた、いわゆるハイカラさんスタイルにも憧れますが、セーラー服って素敵ですよね。
動きやすさと可愛らしさの両方を兼ね備えている感じで。
子どもと大人の中間にあたる少女にしか似合
著…萩尾望都『物語るあなた 絵描くわたし 萩尾望都 対談集 1990年代編』
夢枕獏先生、森博嗣先生、氷室京子先生といった豪華作家たちと萩尾望都先生が行った対談をまとめた本。
お互い著名な作家同士とあって、どの方との対談からも、
●創作にあたっての苦労や喜び
●自分の作品に迸る情熱
●他のクリエイターへの関心
といったことがひしひしと伝わってきます。
わたしが特に興味を惹かれたのは、萩尾望都先生の名作『トーマの心臓』について氷室京子先生が考察している