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著…遠藤周作『現代誘惑論 遠藤周作初期エッセイ』

 「本当の誘惑者」とは何か? という考えや、初恋の破れやすさ、男女間の友情が成立するか否か等についても語ったエッセイ集。

 著者はこう述べます。

 手ごわい女性を避けて、軽い女性を手当たり次第に漁って、経験人数だけを自慢するような男性のことは、誘惑者とは呼べない。

 「馬鹿」と訳すのが適当である。

 まるで、バスやロープウェイで楽に山へ行ったのに「自分は登山家だ」と自称するのと同じようなもの。

 困難を選ばず、易しいことしかやらない者は、本当の悦びを知らない。

 …と。

 相当昔に書かれたエッセイであり、令和の価値観とは噛み合わないところが多々あるので、かなり読み手を選ぶ本だと思います。

 わたしの場合は、著者の歯に衣着せぬ痛快な物言いが癖になって、ぐんぐん読めました。

 「一人の女と立派な恋愛をする。それが男というものです」

 「本当の誘惑者とは、容易にカンラクしない女性、容易になびかない女性しか狙わないものである」

(著…遠藤周作『現代誘惑論 遠藤周作初期エッセイ』 P34から引用)


 という言葉のかっこよさに痺れました。



 〈こういう方におすすめ〉
 著名な作家が語る恋愛観に興味がある方。

 〈読書所要時間の目安〉
 2〜3時間くらい。

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