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読書感想文note【〈寝た子〉なんているの?】

読書感想文note【〈寝た子〉なんているの?】

「〈寝た子〉なんているの? 見えづらい部落差別と私の日常」を読みました。
気になった文章を一部引用しながら考えたこと・感じたことを書きました。

他者を尊重するために必要なこと

その人が選ぶ「手法」と、その人が「歩みたい道」。
その人の「意見」と、その人の「人格」。
それらを分けて考えることは、お互いを尊重し、建設的な歩みを進めるために大事なことだけど、簡単なことではないとも思う。
でも、やっぱ

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読書感想文note【わかりやすさの罪】

読書感想文note【わかりやすさの罪】

「わかりやすさの罪」を読みました。
気になった文章を一部引用しながら考えたこと・感じたこと、読み終えての感想を書きました。

コミュニケーションスキル?

「聞くことはスキルだ」と言ってしまったことがある。
今振り返ると、これは間違いだったと感じる。
確かに、会話の中で、相手に対し「聞いてもらえた」「聞いてもらえなかった」と感じることはあるが、その相手には「聞くスキルの高低」があるわけではなく、「

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読書感想文note【孤独の本質 つながりの力】

読書感想文note【孤独の本質 つながりの力】

「孤独の本質 つながりの力」を読みました。
「孤独」はどんな時に生まれるものなのか?
「孤独」により引き起こされるものは?
社会や一人ひとりが「孤独」「つながり」に対してできることは?
気になった文章を一部引用しながら、考えたこと・感じたことを書きました。

「社会」や「公正」とは、「プロセス」である

社会的期待。
社会とは、もうすでにあるものと見ることもできるけれど、「変容の可能性があるもの」

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読書感想文note【公正を乗りこなす】

読書感想文note【公正を乗りこなす】

「公正を乗りこなす」を読みました。
気になった文章を一部引用しながら、考えたこと・感じたことを書きました。
3500字近くなりましたが、目次を作りましたので、気になったところだけでも読んでいただけるとうれしいです。
とても面白い本でした。

僕たちはどうして協業を選ぶのか

「誰と一緒に働くか」を考える時にも覚えておきたいこと。
ニーズは一人ひとり違うもの。
それぞれのニーズに共感したり、協力し合

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奇妙にも本質主義者になっている

奇妙にも本質主義者になっている

こんばんは。
「ACE アセクシュアルから見たセックスと社会のこと」を読み終えました。

「奇妙にも本質主義者になっている」。
面白い表現だなと思って、タイトルにしてみました。

皆さんは、本質主義者でしょうか。
それとも、構築主義者でしょうか。
imidasの説明では、「両者は対立関係にある」とありますが、僕はこれらが「二項対立を成して、決して交わらないもの」だとは思いません。

「本質的である

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言語の力、言葉の力

言語の力、言葉の力

今年の目標の一つに、「英語学習」を掲げています。
今日は、英語でフリートークを1時間しました。
先生にお勧めしていただいた勉強法、「英語で日記をつける」にも挑戦しています。
はじめたばかりで時間がかかりますが、学びになることは多いです。

「切なく感じました」と英語で書こうと思ったとき、「切ないって英語で何と言うのだろう?」と検索してみると、「painful」という単語が出てきました。
その日の日

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「自分を俯瞰してみることができる人」が好き

「自分を俯瞰してみることができる人」が好き

映画をみてから、原作も読んでみたくなった「哀れなるものたち」。
活字も素晴らしかったです。
この物語のベラは、「自分を俯瞰してみることができる人」なのだな、と思いました。

自分を俯瞰してみる。
それはどういうことなのでしょうか。

SNSには、良くも悪くも「わかりやすいもの」が溢れているものだな、と思います。
そして、「わかりやすいもの」が拡散されます。

いいと思うことを、実際に行動に移してい

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「地下鉄で隣に黒人が座ったら」を読んで

「地下鉄で隣に黒人が座ったら」を読んで

「地下鉄で隣に黒人が座ったら」、読みました。

「差別」。
皆さんにとって、どのように響いてくる言葉でしょうか。

『ここが違うから、この人は「その他の人たちだ」』と線を引く。
「ここが違うから」の「ここ」の部分。
それが、見た目とか使っている言語を基準にしたものだと、わかりやすく「差別」と感じるのではないかと思います。
でも、たとえば『価値観が違うから、この人は「その他の人たちだ」』と線が引かれ

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愛すべきバカたちと歌謡曲を聞きたい

愛すべきバカたちと歌謡曲を聞きたい

読み終えた時、物語の3人と一緒に歌謡曲を聞きたい気持ちになりました。

lover・wife・husband
3者の視点で物語は進みます。
3人、それぞれタイプの違う「愛すべきバカ」みたいなキャラクターだと思いました。
バカの一人であるhusband・沢口太郎はこんなことを口にします。

愛すべきバカというのは、したたかさを兼ね備えている人のことでもあると思います。
物語のloverは自由で、wi

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雑感note〜師走の読む日〜

雑感note〜師走の読む日〜

昨日読んだ柴田聡子の「きれぎれのダイアリー」が最高に面白かったです。
電車の中で、人目も気にせずニヤニヤしてしまいました。
2017年11月〜2023年9月までの1ヶ月毎のダイアリーたち。
僕のお気に入りは、2018年10月の「顔が好き」です。

柴田さんの文章を読んでみると、「言葉って、自由だ」と感じます。
「言葉は不自由だ」というのにも頷けるのですが、それだけでニヤけさせてくれるほどの豊かさが

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つまりもう自由でしかないわけですよね。

つまりもう自由でしかないわけですよね。

「音を視る、時を聴く[哲学講義]/大森荘蔵+坂本龍一」を読んだ。

あると思う。

*

芸術作品でも、言葉でも、相手の意図した通りに受け取るということはできない。
意図した通りに受け取れると思うこと自体が、傲慢なのかもしれない。
相手から発せられたものをどう受け取るか。
そこには、自分の「主観」がある。

共感やエンパシーということを思い浮かべる。
今年のテーマにもしている「アナーキック・エンパ

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自分にたどりついて生きていくために、「なんか違う」を手放さない

自分にたどりついて生きていくために、「なんか違う」を手放さない

吉本ばななの『「違うこと」をしないこと』を読んだ。

「違うこと」をしない。
とてもシンプルなこと。
だけど、いつもできていることかと問われれば、自信がなくなることでもある。
「なんか違うかも」と感じつつ、「まあ、いっか」「なんとなく」でやってしまったり、やめないで続けていることがあったりする。
見たいものがあるわけでもないのに朝一でSNSを開いていたり。。。

生きている中で、「なんか違う」と感

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関係するというより、「関係してしまう」僕ら〜「去年の今日」を読んで〜

関係するというより、「関係してしまう」僕ら〜「去年の今日」を読んで〜

「去年の今日」を読んだ。
今、読むことができてよかった。

生物学的な繋がりに限った話ではなく、あらゆる関係において「あぐらをかかない」とはどういうことだろう。
自分があぐらをかいているような気になって、考えてしまう。

人は自分自身で「自分が自分であること」を肯定できる。
「自分が自分であること」は、自分以外によって支えられるものではない。
だとすれば、「関係する」とはどういうことだろう。

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自分の心の機微に敏感になって「話したい」「知りたい」を表現する

自分の心の機微に敏感になって「話したい」「知りたい」を表現する

きのう読みはじめた「根っからの悪人っているの?」という本がとても面白く、一気に読み終えました。

本に「修復的司法」という言葉が登場していました。

被害者と加害者の対話から、犯罪の「修復」がはじまるのかもしれません。

加害者が、自分の被害者性に気づくこと。
被害者が、回復し被害を受けとめること。
過去に起こったことや、過去の自分がどんなことをして、どんなことをされて、どう感じていたのか。

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