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「ブラックモンブラン」は、なぜ九州民のソウルフードになったのか? 竹下製菓の社長に聞いてみました【前編】

「ブラックモンブラン」は、なぜ九州民のソウルフードになったのか? 竹下製菓の社長に聞いてみました【前編】

佐賀県民のみならず九州民のソウルフードといえば? そう問われた際、多くの人が名前を挙げるのが、バニラアイスをチョコレートとクッキークランチでコーティングしたアイスクリーム「ブラックモンブラン」です。

佐賀県といえば、もともと長崎からの砂糖の道・シュガーロードが有名ですが、竹下製菓も元は、現在佐賀銘菓として知られる「丸ぼうろ」の原型である「ぼうろ」などを作る菓子メーカーだったとか。そこで前編となる

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「ブラックモンブラン」はじめ、竹下製菓の商品はなぜ人気なのか?竹下社長に聞いてみました【後編】

「ブラックモンブラン」はじめ、竹下製菓の商品はなぜ人気なのか?竹下社長に聞いてみました【後編】

佐賀県民のソウルフードである「ブラックモンブラン」。その発売元である竹下製菓は、佐賀県民なら当然しっている名作アイスも多数販売しています。前編では、今年で誕生から52年を迎えるロングラン商品「ブラックモンブラン」の魅力や誕生秘話について竹下製菓の竹下真由社長に伺いました。そして、後編となる今回は、「ブラックモンブラン」に次ぐ人気商品から、アレンジメニュー、さらには竹下社長ご自身が感じる佐賀の魅力に

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ベンガル料理を支える5つの香り

ベンガル料理を支える5つの香り

小さい頃に行ったかは記憶にはないが、8年前にコルカタに行った時の記憶は鮮明に覚えている。
飛行場には夜遅くに着いた。タクシーでホテルに向かう道はガランとしていて薄暗い琥珀色の街灯がポツポツと間隔をあけて灯っていた。デリーやムンバイとはまた違った空気感を感じながらホテルにチェックインした。

旅の目的はベンガル料理を知ること。そしてバングラデシュでイリッシュという魚を釣ることである。ベンガル料理をは

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鎌倉スパイスと魔法の粉「ヒング」

鎌倉スパイスと魔法の粉「ヒング」

あれは5、6年前のよく晴れた日だった。材木座海岸で凧揚げをしていると集中力を切らすように電話が鳴ったのである。凧揚げを切り上げ電話の主の家に行ったら、どうやらオリジナルのスパイスミックスを作って欲しいとの話であった。どのようなスパイスを作って欲しいのか尋ねると、「なんでも美味しくしてしまうスパイスを作って欲しいんだよね」ときた。そしてキッチンの方に引っ込むと間も無く小さな瓶を持ってきた。「ほら、こ

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土井善晴先生を魅了する“百万石の加賀料理”の真髄とは?

土井善晴先生を魅了する“百万石の加賀料理”の真髄とは?


伝統工芸の礎を築いた加賀の文化 私にとって金沢といえば、伝統工芸の街でした。能登の輪島を含め、周囲にある山中漆器、九谷の焼物を訪ねて、幾度も足を運んだところです。

 20代の料理修業時代、北大路魯山人の著作集をよく読んでいました。魯山人によると「日本料理の勉強の半分は料理の着物である器の研究だ」というのです。魯山人は山代温泉の須田菁華窯(すだせいかがま)や山中漆器の職人に習い、自身が顧問を務め

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簡単レシピシリーズ〜ピアニスト金子三勇士のカレーVol.1

簡単レシピシリーズ〜ピアニスト金子三勇士のカレーVol.1

僕は大のカレー好き!このシリーズでは今後様々なカレーレシピを掲載していければも思います。でもまずは!皆大好き、日本のカレーライス!今日は市販ルーを使った一般的なカレーを、ちょっとした工夫で一味違う仕上げに!そのポイントを写真付きでご紹介します!

材料・豚肉(コマ切れ)200g
・玉ねぎ   2個
・ジャガイモ 2個
・ニンジン  2本
・ニンニク  1片
・ピーマン  1個(お好みで)
・すり下

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ゆで卵の作り方のコツは卵を茹でない

ゆで卵の作り方のコツは卵を茹でない

料理の基本シリーズです。

ゆで卵についてはこんな記事も書きましたが、今回はイギリスが誇る三つ星シェフ、ヘストン・ブルメンタールさんの作り方の紹介。ヘストンさんは 「完璧なゆで卵(Boiled Egg)をつくるコツは、卵を茹でない(Not Boiled)こと」と言います。

最も知られているゆで卵の作り方は『水と卵を鍋に入れて、沸騰してきたら火を弱めて所定の時間茹でる』というもの。しかし、このレシ

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今話題の「蘇」を作るのに2時間も丁寧に混ぜ続ける必要なんてなかった話【名古屋めし日和】

今話題の「蘇」を作るのに2時間も丁寧に混ぜ続ける必要なんてなかった話【名古屋めし日和】

休校のあおりで牛乳余りの状況となっていますが、twitter界隈では牛乳大量消費として「蘇」作りがトレンドに。

どうやら全ての始まりはこのツイートだったようです。

話題になりすぎて、ネットニュースの記事にもなっていました。

蘇は簡単に言えば「牛乳をひたすら煮詰めて水分を飛ばし、固めたもの」。チーズのようなバターのような奈良~平安時代の乳製品です。

で、よく作られているレシピが「牛乳をフライ

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メイラード反応を考慮した「蘇」の作り方と加熱条件による味わいの違い

メイラード反応を考慮した「蘇」の作り方と加熱条件による味わいの違い

平安時代の乳製品「蘇」。その作り方は「牛乳をひたすら煮詰めるだけ」という実にシンプルなものですが、煮詰め方次第で白くなったり茶色くなったり見た目が変わるだけでなく、風味にも違いが出てきます。実際に食べてみると真っ白な蘇とキャラメル色の蘇では全く別物。それぞれ違ったおいしさがあるので、ぜひポイントを押さえてお好みの蘇作りに挑戦していただければと思います。

そもそも蘇とはなんぞや?という方は、マガジ

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「タルゴナコーヒー」ブームをどう見る?

最近、Instagramで韓国発祥の「タルゴナ(ダルゴナ)コーヒー」なるものがにわかに流行っているのをご存知でしょうか?

アイスミルクの上に何やら茶色い液体が乗った、一見アイスラテのような可愛らしい見た目。茶色の正体は、インスタントコーヒーとお湯と砂糖を練り上げたものらしいです。

"アフター"の写真がInstagramに載ることはないと思いますが、混ぜれば少し甘めのアイスオレのようになるのでし

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休業について考える事。僕は簡単には出来ない。

休業について考える事。僕は簡単には出来ない。

先日の都知事の会見で特定の飲食業に自粛要請がありましたね。

その業種の店は閉めろ、客は行くなってやつです。

(簡単に言うよな〜)

僕も自分のお店をやっていなかったら、

「そうだよな、しょうがないよな。」ってなってたと思う。

当店も接客はするので、今の所開けていいかどうかは微妙なのかな。

テイクアウトのみだからってのは店側の言い訳であって、営業する事をけしからんって思う人がいるのも容易に

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39. ホールスパイスは最初に炒めたほうがいいのか? 問題

39. ホールスパイスは最初に炒めたほうがいいのか? 問題

火の通りにくいものを先に加え、火の通りやすいものを後に加える。これは料理の基本です。スパイスを使ってカレーを作るときには、丸のままの状態のホールスパイスは最初に加え、粉状のパウダースパイスは後で加える。火の通りやすさが違うのだからこれが基本です。さらにホールスパイスは料理の一番最初に油で炒めるのが鉄則とされています。だから僕もずっとそうしてきたし、料理教室やデモンストレーションなどで調理するときに

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マッシュルームは洗ってはいけない?

マッシュルームは洗ってはいけない?

料理本にはよく『マッシュルームは洗わず、濡れ布巾などで拭いて使いましょう』と書いてあります。その理由として挙げられているのは「きのこはスポンジのように水を吸ってしまい、香りがなくなってしまうので、洗うのはやめましょう」というもの。

マッシュルームには黒い土のようなものがついているので、洗い落としたら楽なのにな、と思いませんか? この黒い土の正体はポートモスや人工堆肥(コスト的に安価な馬糞を堆肥化

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新型コロナウイルス対策にむけて経営者としての決断

新型コロナウイルス対策にむけて経営者としての決断

今回、予測だけで少し不安を煽るような文章を書くことに躊躇はしましたが、できることをやっていく、少しでも飲食店の方と情報を共有する、エールを送るという意味で書きました。

新型コロナウイルスが広まってきた2月になり、じわじわと新型コロナウイルスが広がりをみせ、東京都内でも感染が確認されるようになりました。対応が早い企業さんは1月からリモートワークなどに切り替えていましたが、製造業・サービス業である

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