メタバラッツ

鎌倉・極楽寺にあるスパイス屋・アナン㈱3代目。 オリジナル商品の開発や、スパイスの面白…

メタバラッツ

鎌倉・極楽寺にあるスパイス屋・アナン㈱3代目。 オリジナル商品の開発や、スパイスの面白さを伝えるため料理教室などで全国を飛び回ったりしている。 好きな映画は『男はつらいよ』シリーズ。 アナン公式サイト:http://www.e-anan.net/

最近の記事

インドの部屋

2014年ごろに新しい州が生まれ、インドは現在28州あるらしい。インドの地図を改めてじっくりと眺めてみると、訪れたことがないところもまあまああるが、訪れたことがある州が結構あった。2、3日しか滞在していないところもあるがそれぞれの場所で思い出がある出来事や食べ物を思い起こすことができる。    住み慣れた街から飛び出し、色々なところに旅行に行くと、そのような話になるのか出身地や住んでいるところを訪れたことがある人に会うことが多い。そしてその人たちは私が気がつかなかった街の魅力

    • スパイスパレード

       スパイス売りを始めた頃は1人で夜行バスや夜行列車に乗っては全国各地に行ってスーパーやデ パートの片隅で試食販売をしていたものである。日本を飛び出し、香港やシンガポールなどに 行って試食販売をしていた時期もある。試食販売をしながら稲村ガ崎の海の目の前にあった「稲 村ガ崎食堂」にて月に一度、ベジタリアン料理とチャパティとチャイを提供する「移動チャイ 屋」なるものを始めた。旬の野菜とチャイ。今やっている季節の野菜の料理教室やオリジナルの チャイミックス作りなどはこの時からやってい

      • 世界最古のスムージー「ラッシー」

        おまけのレシピというのを料理教室では度々やることが多い。決まったレシピなどでカレーを2種類くらい作ると少し余ってしまう食材などがある。スパイスや調味料は保存がきくのである程度は困らないが、野菜などが余った際はスパイスと一緒にサブジのような炒め物にしたり物によってはスパイスと和えてカチュンバルのようなものを作ったりする。そのほかにもよく余りがちなのがココナッツミルク、生クリーム、牛乳そしてヨーグルトである。ココナッツミルクが余った時はその時の食材とスパイスで南インドのオーランの

        • バーラット急行

          インドでの列車の旅が好きである。オープンエアーの窓、閉まらないドア。インドの熱気と匂いがそのまま外から列車の中に流れ込んでくる。大きな駅は踏み入れただけでゾクゾクとさせる。街中にいる人々と駅にいる人々は全くと言っていいほど違う人々な気がする。駅の中にいる人々は焦りや緊張感、喜びやワクワク感がそのまんま伝わってくる。旅行に行くもの、誰かを待っているもの、お別れをしているもの。そして多くがなかなか来ない列車を待っている。  デリー発で南インドの大きな街。チェンナイに向かったこと

        インドの部屋

          いろいろなグジャラート料理

          味噌汁や金平牛蒡などと一緒に Dokhla(ドクラ)、khichidi(キチュディ)、thepla(テプ ラ)など西インドはグジャラート州の故郷の味も食卓に上がるような家庭であったので白いご飯 やチャパティなどと一緒にオカズのように様々なインド料理を食べ、ダールや味噌汁で胃に流し込 んでいた。 先日久しぶりにグジャラートにいったこともあり、様々なところでグジャラート料理を披露す る機会が増えた。料理教室やイベントなどを通してグジャラートのことを伝える機会が増えるにつ れてそ

          いろいろなグジャラート料理

          8月15日に生まれて

          もともとは11月頃に生まれる予定であったが、3ヶ月も早い8月の15日に生まれた。 8月15日。1947年の8月15日にインドは独立したので私の名前は『BHARAT」になった。 BHARAT バラット、バハラット、バーラット、様々な呼び名を経てバラッツに落ち着いたのが私が2歳くらいのことらしい。独立記念日に生まれたのでBHARAT。「インド」と言う意味であり、インドではインドのことをBHARATと言う。 生まれてからずっと「インドくん」と呼ばれているので、日本で生まれ日本で

          8月15日に生まれて

          豆フェス

          毎月開催しているオンライン料理教室は4年がたち5年目が始まろうとしている。毎月違うカレーなので48種類あると言うことで鎌倉にある佐助カフェというところで48種類のカレーを提供するというのをどのくらいかかるかわからないが期間限定で開催している。2、3週間くらいおきに違うカレーに変わるのでちょいちょい通っていると違うカレーが食べれて楽しいと思う。今はシラスとキャベツのキーマカレーとひよこ豆のカレーを提供している。 お肉とシラスのダブルの旨みをのせれるキーマカレーは「美味しい」

          豊かな時間のプレゼント

          何年も前に近隣の中学校や高校で授業をする機会をいただいたことがある。何回か同じ学校にいくので最初は簡単なスパイスの使い方から、それを活かしたカレーの作り方を家庭科室などを使って行っていた。ある日担当の先生にハーブを使った教室を開催してほしいと相談をいただいたので、生徒たちにハーブやスパイスの説明をしてそれぞれのオリジナルのハーブティーやスパイスミックスをブレンドしてもらうことにした。最初の講座はカレーなどに使われているスパイスを説明してその役割や一般的に使われている量などを紹

          豊かな時間のプレゼント

          人の魅力とスパイスの役割

          愛知県に行くたびに寄り道をして醸造文化をみてみたいと思う。味醂、醤油、酒などを作っているところを周り愛知県の発酵調味料とスパイスを組み合わせてカレーうどんのレシピを作ってみたい。使う麺はもちろんきしめんである。  食や景色、風習などによってその土地の魅力を伝えることは多い。お土産や名産品となりその土地の代名詞となって様々な地に飛び立ち、まだ訪れたことがない土地を知ってもらうことができる。その土地についたらその土地のお土産を買って帰るのが習わしでもあるし、それが普通でもある。

          人の魅力とスパイスの役割

          タイムマシーンカレー

           私たちが今ここで食べている料理や食材はどのようにここにやってきてどのような過程を経て今現在の料理の形になったのであろうか。インド料理は時代時代でどのような影響を受け、どのように変化したり進化したり変わっていったのであろうか。そんなことを歴史を紐解いていきながら妄想するのが好きである。  はるか昔ハラッパーやモヘンジョ=ダロなどで都市文明が栄えインダス文明とも呼ばれるようになったときどのような食材やスパイスが使われていたのであろうか。遺跡などを調査するとキッチンであった場所

          タイムマシーンカレー

          スパイスターミナル

          大きなスクリーンを砂浜に貼って日が暮れてくると始まる映画上映会。海辺で開催されている映画祭の初日のテーマがインドということで小さなブースを構えて「あなたのスパイスミックスを作ります」コーナーを設えた。映画を見る前の時間はどことなく旅に出る前の駅や飛行場に似ている。それぞれが色々な気持ちを持ってその場所に集まるので人々の気持ちの高揚感が作り出す独特の場所になっている。  映画の始まる前。旅に出る前。スパイスで調理する時に醸し出される異国感あふれる香り。どれも特別な場所に気持ち

          スパイスターミナル

          アナンのレッドホットミックス


          最初にアナンが販売し始めた商品は「カレーパウダーN21B」、「コリアンダークミンミックス」、「ガラムマサラ」そして「レッドホットミックス」である。  カレーパウダーがカレー全般の味や香りの要をしているとして、ガラムマサラが味の奥行きや香りの深みを料理に与えているような気がする。コリアンダークミンミックスは小回りがきく万能選手であり、故郷西インドのグジャラートの味を彷彿とさせるものを持っている。とろみを効かせたい時にも、辛みを抑えたい時にも、カレーの香りや味をもっと高めたい時

          アナンのレッドホットミックス


          オンライン料理教室で伝えてみたいこと

          コロナ禍で始めたオンライン料理教室も気づけば丸々4年が終わろうとしている。 始めた頃は試行錯誤が続いていたが、一日に開催する数も3回から4回に増え、様々な企業や団体からも貸切の依頼まで来るようになった。スパイスを使う料理やスパイスから作るカレーは常々「香り」が大事だと伝えきたので、その香りの立ち方や、どのような香りがしてきたら次の材料を投入するのかを伝えるのがオンラインだとどうしても難しいなと思っていたのでオンライン料理教室ではなるべく言葉で色々なものを補えるように開催中一時

          オンライン料理教室で伝えてみたいこと

          大きな河と灯された火


          灯った火が消えないようにずっと見守り続けなくてはならない。  鰻屋さんや焼き鳥屋さんの秘伝のタレは何十年、百何年と継ぎ足し、継ぎ足しで味に深みや代え難いものを作っていると聞く。    始めてしまったものを続けていくことは地道な日々の営みがあってこそなのだが、やめてしまったものをまた始めるのは難しい。  誰かの一言や思いつきで始まったことが徐々に大きくなり、それを通じて多くの人々の助けもいただき段々とともに歩むものも増えていく。  思い描いた形とは違ってくることもあるかも

          大きな河と灯された火


          お父さん

          大きな手だなぁ。  闘病で少しやせ細っているにも関わらず、病院で握ったあなたの手はとても力強く大きかった。  1,000gにも満たない生まれたての私を包み込んでくれたのもその大きな手だろう。  肩車をしてくれた時に落ちないように支えてくれたのもその大きな手であろう。  公園でなかなか他の子どもたちの輪に入れなかった時にそっと押してくれたのもその手であろう。  私の腕を強く握り、叱ってくれたのもその大きな手であろう。  暖かくて力強いその手があるだけでいつも守られ

          スパイスというメディア

          昔からスパイスは世界中を旅してきた。たくさんの人によって遠くに運ばれてきた。その土地土地で価値や形を変えながらそれぞれの理想の調合になったり、お守りになったり、薬になったり。 昔、アラブの商人はヨーロッパの人々にシナモン鳥の話をよくしていたそうだ。遥か遠くの国の人が登れないような高く険しい崖の上に大きなシナモン鳥が巣を作っている。この巣がシナモンスティックでできていて、とても人は登って取りに行くことができないので崖の下に大きな肉の塊を置いておくのだとか。そうしたらシナモン鳥は

          スパイスというメディア