メタバラッツ

鎌倉・極楽寺にあるスパイス屋・アナン㈱3代目。 オリジナル商品の開発や、スパイスの面白…

メタバラッツ

鎌倉・極楽寺にあるスパイス屋・アナン㈱3代目。 オリジナル商品の開発や、スパイスの面白さを伝えるため料理教室などで全国を飛び回ったりしている。 好きな映画は『男はつらいよ』シリーズ。 アナン公式サイト:http://www.e-anan.net/

最近の記事

スパイスの扉

 尾道からしまなみ海道を渡り一つ目の島。向島。橋を渡ってすぐのところに新しいスパイスの 拠点ができた。場所ができたらたくさんの人たちが来るようになり、建物の風通しが良くなっ た。実現したいこと、やってみたいこと、楽しそうなこと、挑戦してみたいこと、伝えたいこと、 などなど。新しい場所にまつわる様々な人たちが「スパイス」や「インド」を軸に色々なことを 表現できたら良いなと思っている。 何年か前からスパイスを売るより伝えることが大切なような気がして、料理教室やイベントなど を

    • スパイスの使い方・活かし方はあなた次第

      美味しいイチジクが旬なのでイチジクを使ったカレーを作ってみた。イチジクの効能や歴史を調 べてみるととても面白かったり、持っている成分がカレー作りに適していたり、スパイスと相性 が良かったりする。 土鍋にあうスパイスミックスを作った時も、土鍋ならではのレシピを作ることによって土鍋の 歴史や特徴、良さがわかった。その良さがわかったからこそスパイスを使う意味や意義がわかっ たような気がする。 「かりん」、「ピーナッツ」、「ジビエ」、「海藻」、「栗」、「野菜」、「肉」などなど様々

      • 無花果

        ヨルダン渓谷の遺跡から炭化された無花果(イチジク)の実が発見されたそうで、遥か昔、 新石器時代から無花果の栽培が行われていたのではないだろうかと言われている。中東、アラビ ア半島からインド北部が原産地とされており、日本には16世紀ごろに伝わったのではないだろうかと言われている。かつてアダムとイブがエデンの園で食べた禁断の果実は無花果ではないかと言われており、禁断の果実を食べた後に自分たちが裸であることに気づきイチジクの葉で腰ミノを作り身につけたのだとか。  インドでもイチ

        • スパイス屋のおじいさんがその孫にスパイスを通して生きていく上で大切なことを教えていく映画があった。ブラックペッパーは太陽、シナモンは金星など様々なスパイスを色々な惑星に捉えてその特徴を説明しているシーンがあった。そして孫に「地球はなんだと思う?」と聞く。悩んでいる孫におじいさんは優しく教えてあげる。 「地球は塩だよ」  そしてそれはバランスだとか、料理に命を吹き込んでくれるものだとか、言っていたような気がするが、「塩は地球」というおじいさんの言葉がスッと私の中に入ってきた

        スパイスの扉

          スパイスカレーユニバース

           日本での学生時代とインドでの学生時代。言語、人、場所など違うことはたくさんあったが、 印象的だったのが試験の解答だった。比較的日本では問題の解答は短く簡潔に覚えているものを 書くことが多かった。インドでは試験を受けると解答用紙が配られるが、それはただの紙に書き やすいように線が引いてあるだけで、解答する空欄などはなく、自分で問題の番号とその解答を 好きなように書くことが多かった。日本からインドに転校した当初は言葉もほぼわからず、試験 といっても数学がようやくできるくらいであ

          スパイスカレーユニバース

          妄想インド時空旅行

          見渡す限りの広々とした大地。農道のようなものを2人の男が歩いていた。1人はかつてないほ どに自国の領土を広げたアショカ王。そしてもう1人が仏教の生みの親、ブッダである。アショカ王はブッダと出会ったことで彼の教えを広めることを大切にしていた。そして様々な助言を実行させていった。灼熱の国インド、厳しい日差しの下農業に勤しむ人々の姿を見たブッダはアショカ 王に農道に木を植え日陰を作ったらどうかと助言した。植えるのなら実がなる木が良いとも助言 し、植えたのがマンゴーの木だとも言われて

          妄想インド時空旅行

          フルーツカレーは夢のカレー

          スイスのジュネーブから列車に乗り、どこからか登山鉄道に乗り換え、たどり着いたツェルマッ ト。車も規制されていることから空気も澄んでいてとても綺麗だった。季節は夏。そびえ立つマッ ターホルンを眺めながら山道を歩くとのびのびとした牛たちが幸せそうに草を食べていた。本当 に幸せそうに。 宿のロビーの正面には大きな窓がありカーテンが開くと綺麗なマッターホルンが飛び込んでく る。夕暮れ時になると黄金色に染まるとんがった山。それを見るだけでも遥々来た甲斐がある。 併設されていたレスト

          フルーツカレーは夢のカレー

          ストリートマサラクラブ

          夏になると毎日のように様々なところで祭りが催されている。リズミカルな太鼓の音に吸い込 まれていくようにみんなが群がっていく。そして醤油やソースが焼かれている匂い。美味しい食べ ものや飲みものが溢れている。 夕暮れ時に炭火で焼かれたとうもろこし。道端で買ったグアバ、味付けされたジャガイモにひ よこ豆の衣を付け辛いソースと甘いソースをかけてちぎりパンで挟んで食べるワダ・パウ。どれも インドで出会った美味しいストリートフードである。そしてどれもチャートマサラという酸味と香 ばし

          ストリートマサラクラブ

          世界のスパイスシリーズ

          組み合わせは同じなのに配合が違うと全然違う味になる。使っているスパイスはほぼ同じなのにちょっとしたブレンドの違いがメキシカンスパイスミックスになったり、カレーパウダーのようになったり、ケイジャンミックスになったり、モロッカンミックスになったりする。様々な国や地域に行きたいと思い、いろいろな世界のスパイスミックスを作ってみた。 フランスからの移民がカナダに移り、のちに南部アメリカに住むようになりヨーロッパ、アフリカそしてアメリカの美味しい要素を組み合わせて完成させていったと言

          世界のスパイスシリーズ

          インドの部屋

          2014年ごろに新しい州が生まれ、インドは現在28州あるらしい。インドの地図を改めてじっくりと眺めてみると、訪れたことがないところもまあまああるが、訪れたことがある州が結構あった。2、3日しか滞在していないところもあるがそれぞれの場所で思い出がある出来事や食べ物を思い起こすことができる。    住み慣れた街から飛び出し、色々なところに旅行に行くと、そのような話になるのか出身地や住んでいるところを訪れたことがある人に会うことが多い。そしてその人たちは私が気がつかなかった街の魅力

          インドの部屋

          スパイスパレード

           スパイス売りを始めた頃は1人で夜行バスや夜行列車に乗っては全国各地に行ってスーパーやデ パートの片隅で試食販売をしていたものである。日本を飛び出し、香港やシンガポールなどに 行って試食販売をしていた時期もある。試食販売をしながら稲村ガ崎の海の目の前にあった「稲 村ガ崎食堂」にて月に一度、ベジタリアン料理とチャパティとチャイを提供する「移動チャイ 屋」なるものを始めた。旬の野菜とチャイ。今やっている季節の野菜の料理教室やオリジナルの チャイミックス作りなどはこの時からやってい

          スパイスパレード

          世界最古のスムージー「ラッシー」

          おまけのレシピというのを料理教室では度々やることが多い。決まったレシピなどでカレーを2種類くらい作ると少し余ってしまう食材などがある。スパイスや調味料は保存がきくのである程度は困らないが、野菜などが余った際はスパイスと一緒にサブジのような炒め物にしたり物によってはスパイスと和えてカチュンバルのようなものを作ったりする。そのほかにもよく余りがちなのがココナッツミルク、生クリーム、牛乳そしてヨーグルトである。ココナッツミルクが余った時はその時の食材とスパイスで南インドのオーランの

          世界最古のスムージー「ラッシー」

          バーラット急行

          インドでの列車の旅が好きである。オープンエアーの窓、閉まらないドア。インドの熱気と匂いがそのまま外から列車の中に流れ込んでくる。大きな駅は踏み入れただけでゾクゾクとさせる。街中にいる人々と駅にいる人々は全くと言っていいほど違う人々な気がする。駅の中にいる人々は焦りや緊張感、喜びやワクワク感がそのまんま伝わってくる。旅行に行くもの、誰かを待っているもの、お別れをしているもの。そして多くがなかなか来ない列車を待っている。  デリー発で南インドの大きな街。チェンナイに向かったこと

          バーラット急行

          いろいろなグジャラート料理

          味噌汁や金平牛蒡などと一緒に Dokhla(ドクラ)、khichidi(キチュディ)、thepla(テプ ラ)など西インドはグジャラート州の故郷の味も食卓に上がるような家庭であったので白いご飯 やチャパティなどと一緒にオカズのように様々なインド料理を食べ、ダールや味噌汁で胃に流し込 んでいた。 先日久しぶりにグジャラートにいったこともあり、様々なところでグジャラート料理を披露す る機会が増えた。料理教室やイベントなどを通してグジャラートのことを伝える機会が増えるにつ れてそ

          いろいろなグジャラート料理

          8月15日に生まれて

          もともとは11月頃に生まれる予定であったが、3ヶ月も早い8月の15日に生まれた。 8月15日。1947年の8月15日にインドは独立したので私の名前は『BHARAT」になった。 BHARAT バラット、バハラット、バーラット、様々な呼び名を経てバラッツに落ち着いたのが私が2歳くらいのことらしい。独立記念日に生まれたのでBHARAT。「インド」と言う意味であり、インドではインドのことをBHARATと言う。 生まれてからずっと「インドくん」と呼ばれているので、日本で生まれ日本で

          8月15日に生まれて

          豆フェス

          毎月開催しているオンライン料理教室は4年がたち5年目が始まろうとしている。毎月違うカレーなので48種類あると言うことで鎌倉にある佐助カフェというところで48種類のカレーを提供するというのをどのくらいかかるかわからないが期間限定で開催している。2、3週間くらいおきに違うカレーに変わるのでちょいちょい通っていると違うカレーが食べれて楽しいと思う。今はシラスとキャベツのキーマカレーとひよこ豆のカレーを提供している。 お肉とシラスのダブルの旨みをのせれるキーマカレーは「美味しい」