日本酒とスパイス
旬の食材とスパイスを合わせてつまみになるであろう様々な料理を作って日本ワインと合わせていく「スパイスつまみの会」は毎月開催して20回目を迎えようとしている。
参加者の方々や周りの方々からもぜひ日本酒でという話があったのだが、難しそうなイメージと開催したは良いものの会場に居座ってしまう人たちが多いのではないかと心配になり二の足を踏んでいた。
初めの一歩を踏み出すきっかけを作ってくれたのは鎌倉の小町でマジックアワーと言うお店をされていたミキさんが通常営業の形態を変え各地でポップアップしながらお酒とスパイス料理を組 み合わせているのを知ったあらである。きっかけは彼女がお店を作るにあたりオリジナルのスパ イスを3種類ブレンドさせてもらったことから始まる。ハッピネス、インスパイア、チアフルと名 付けられたそれぞれのスパイスミックスは様々な食材をその名の通り、感情が溢れるような料理 に変身させていった。自分が考えたブレンドを上手に駆使して素材もスパイスもそしてお酒も喜ぶ ような味に作り上げていき、なおかつどれもうるさく主張していなく包み込んでいる。もしに日 本酒とスパイスを組み合わせた料理教室を開催するのであればスパイスが主張をするのではなく、包み込むような料理を合わせていきたいと思っていたのでミキさんの料理はそのものであった。
早速日付を決め開催することになったのだが、初開催と言うこともあり何をどのようにどんな形で開催するかは決まらないまま当日を迎えた。「とんがらない」「主張しない」「辛すぎない」を頭に入れながらミキさんが良いした食材と向き合う。秋鮭、鶏肉、まこもだけ、ナス、早生白 菜に小松菜。「スパイスで包み込む」「冷たくても美味しい」「邪魔をしない」。それぞれを意識しながら日本ならではの調味料である愛知県碧南の白たまり、秋田県のしょっつる、尾道の無花果酢、白だしなどを組み合わせて作っていった。スパイスでうまく包みこめたかはわからない が日本酒と合わせていくことを意識しながら作っていくと主張しすぎず、冷たくても美味しく、ス パイスで包み込まれているような味わいの品々が完成していった。包み込むイメージはスパイスだ けではなく和の調味料が融合してくれてこそ成り立っているようでもあった。
結果、どれも満足いくような味わいで新たな発見が多くある実り多き会になった。
日本酒に合わせるために考えた「スパイスで包み込む」「冷たくても美味しい」「邪魔をしない」 はスパイスの香りを活かす普段の料理とは全然違った。そして日本酒の原料は米であることを再 認識できた。
いずれの料理のヒントも日本とインドの家庭料理に隠れていることがわかった。
これからも定期的に開催するであろう「スパイスと日本酒の会」
どうぞご贔屓に。