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論語とともに見る社会

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とらまる×論語普及会 論語普及会会員のとらまるが論語にふれた記事と、普及会の記事をまとめて収録しています。
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#中国古典

日本人は論語に育てられた…論語からの発展

日本人は論語に育てられた…論語からの発展

日本人は過去から現代に至るまで、
私達の生活や立ち居振る舞いは
「論語」の影響を強く受けてきました。

礼儀作法や
尊敬・感謝の気持ちの示し方
謙虚な姿勢
他者への思いやりなど
日本人が備える倫理観やマナーは
「論語」を通して身に付いてきたものばかりです。

また、四字熟語やことわざには「論語」が由来の言葉が多くあるのです。

『日本人らしさのルーツ、ここにあり』

素読をする…味わうように読む

素読をする…味わうように読む

素読とは、
意味や内容の理解はひとまず置いておいて
文章を声に出して読むことです。

何度も繰り返し読むことで、
文章の真意を脳や身体に直接インプットします。
そして潜在意識の中に記憶させていき、
理解を深めていく方法です。

江戸時代では、藩校や寺子屋で
人づくりや道徳教育の適切な方法の一つとして
明治の中頃まで盛んに行われていました。

声に出して読む
目で文字を見る
耳で音として聞く
身体と

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論語のススメ...論語入門編まとめ①

論語のススメ...論語入門編まとめ①

①人と社会のみちしるべ……論語とは

論語は、今から約2500年前に中国でできました。
論語をあまり知らない人からすると、
孔子が書いた本というイメージの人もいるかもしれません。
実は、論語は弟子達がまとめた語録なのです。

孔子(紀元前551~479年、春秋時代末期の思想家・教育者・政治家)が亡くなった後、孔子と優れた弟子達が言ったこと、行ったことを書き記しました。

孔子、直弟子、孫弟子達は、

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読みやすい『仮名論語』…漢文を親しみやすく編集

読みやすい『仮名論語』…漢文を親しみやすく編集

論語は中国でできた言行録ですので、原文は漢文です。

漢文のままだと日本人には読みにくいため、
漢文の漢字にひらがなを足した
「書き下し文(読み下し文ともいいます)」が考えられました。

しかし、元々の漢字の読み方が分からない場合、
音読に困りますので、さらに日本人向けの書き下し文が作成されました。

「論語普及会」の伊與田覺先生は、
誰でも親しめるように、そして気楽に、
子どもも読めるようにと全

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論語の構成……全20篇、500章

論語の構成……全20篇、500章

論語の構成は、学而篇から郷党篇までを「上論」
先進篇から堯日篇までを「下論」と呼びます。

篇の名称は各篇の初めの二文字をとったものです。

学而第一の始まりは、漢文で書くと
「子曰、学而時習之、不亦説呼。」と書きます。
その、最初の「学」と「而」をとって「学而」です。

為政第二は、「子日、為政以徳」
「子曰く、政を為すに得を以ってす」の
「為」と「政」をとって「為政」です。

各篇は平均25の

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成功者のバイブル…論語を愛し、活用した偉人達

成功者のバイブル…論語を愛し、活用した偉人達

新一万円札の顔となった「近代日本経済の父」渋沢栄一も論語を愛した一人です。
彼が著した『論語と算盤』は非常に有名です。

彼は論語でいう「君子」を「紳士」ととらえ直し、
自らの生き方と当時の日本を成長させるうえでのバイブルとしていました。

論語から生き方、人と社会の導き方を学び、
己を支える拠り所とし、
明治維新後の日本経済と、
500もの企業の発展に尽力しました。

現京セラ㈱の設立者・稲盛和

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生き方の処方箋…論語から学ぶ道徳心と社会性

生き方の処方箋…論語から学ぶ道徳心と社会性

孔子の教えは人間の生き方について説いたものが多いです。

内容は、道徳的振る舞い、働く心得、
人間関係や家族関係を良きものにするなど
日常生活のあらゆる場面で役立つエッセンスが豊富です。

教えも実はシンプルで分かりやすく、
現代にも通じる話ばかりです。

孔子の教えは社会の発展や、
ビジネスの場面でも大きな影響を与えてきました。

多くの社会人・経営者らに好まれ、
論語をもとにしたビジネスマン向

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絶えず努力し、学び続けた人…孔子とは

絶えず努力し、学び続けた人…孔子とは

孔子は、紀元前551年春秋時代末期の
魯という国に生まれ、
紀元前479年、73歳で亡くなりました。

孔子は、もとは低い身分の出身で、
父を早くに亡くし、貧しい母子家庭の中で育ちました。

そんな中、幼い頃から、自ら勉学に励み、
下働きもいっぱいして役人となりました。

出世した時もあれば、
うまくいかず辞職せざるを得ない時もあり、
浮き沈みの激しい人生ではありました。

ですが、当時の政治を改

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人と社会のみちしるべ…論語とは

人と社会のみちしるべ…論語とは

論語は、今から約2500年前に中国でできました。

論語をあまり知らない人からすると、
孔子が書いた本というイメージの人もいるかもしれません。

ですが実は、論語は弟子達がまとめた語録なのです。

孔子(紀元前551~479年、春秋時代末期の思想家・教育者・政治家)が亡くなった後、孔子と優れた弟子達が言ったこと、行ったことを書き記しました。

孔子、直弟子、孫弟子達は、
それぞれが生き方、政治や国

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論語のススメ

論語のススメ

『現代的論語』をいつも読んでいただきありがとうございます。

論語は現代にも通じる話や教えが多くあるものの、
現代社会や私達の今の生き方に、
どう照らし合わせて理解していけば良いのか…
現代のこととして考えるとしたら、
一体どのようなことを論語から学び得たら良いのか…

論語を聞く・読む側も、
伝える側も、その点が難しいなと思うのです。

論語をよく知る人からすると、
学びも専門性も高くなっている

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歌善必反...音楽をこよなく愛した孔子

歌善必反...音楽をこよなく愛した孔子

子(し)、人と歌いて善ければ、必ず之(これ)を反(かえ)さしめて、而(しか)る後に之に和す。
(述而第七、仮名論語九四頁)
先師(孔子)は、人と歌われて、
相手がすぐれた歌い手だと必ずくりかえさせて、
自らもこれに合せて歌われた。

音楽をこよなく愛した孔子が、
繰り返させ一緒に合わせて歌われた歌とは
どのような曲であろうか。

繰り返させて、とあるから、
朝廷の政(まつりごと)を歌った「雅(が)

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