#大手企業
出版社を辞めた僕はキャバクラで黒服をすることになった。 #5
(前回)
「事件」が起こったのは9月初旬のことだった。
当時、店では新しいキャストが勤務を始めていた。
ナノハという源氏名で、地雷系ビジュアルの可愛い女の子だ。昨年度までは浅草方面の店で働いていたらしい。引っ越しに伴い、知人の紹介もあってこの店に入店することになった。
それだけならよくある話だが、このナノハはちょっと特別だった。何しろ恐ろしいほどの太客を連れてきたのだ。
その太客というのはミ
京大卒で大手入社したらコンビニ店員になった話 #1
早朝のコンビニは騒がしい。客が入ってくるチャイムの音、店内を歩き回る音、コーヒーマシンの音、飲み物の補充音、全てが混ざり合う。コンビニでは、音を拾いながら動くことが大事だとA氏はいう。
今回話を聞かせてくれたA氏は京都大学を卒業後、大手インフラ企業に就職。1年目から駅ナカ事業(駅の中や周辺施設におけるビジネス展開)を担当する部署に配属され、駅構内での小売店の売上促進を担当している。
字面として
怪しげなホストのスカウトについていったらペンネームができた話 #1
「お兄さん、めっちゃかっこいいですね」
紀伊国屋を冷やかしに行くため新宿駅東口を歩いていると、地上に出てすぐのところで、見知らぬ男性に声をかけられた。
――なんだ? 俺に言っているのか? だとしたら馬鹿にしているのか?
自慢ではないが、これまでの人生で「かっこいい」だなんて言われたことは一度もない。
いや、地元のお弁当屋さんのおばちゃんには何度か言われたことがあったかもしれないが、こちとら自
ルポ・大企業人事~20代で年収1000万超え、勝ち組確定の企業を辞めます~
「大企業で幸せに働くには、人の心を捨てる必要があります」
大手IT企業に人事として入社しながらも数年で退職、現在は小さな出版社で編集者として勤務するAさんはこう語る。
今回は、将来を約束されたはずの若者が、とある大企業から退職に追い込まれるまでの苦悩の日々を追った。
管理職候補として入社
Aさんの会社員人生は順風満帆に始まった。都内の有名私立大を卒業したのち、大手IT企業へと入社。就職人気ラ