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美しくも悲しい日々を想う 11
卒業まで残り1ヶ月くらいになった。
僕は、ずっと前から彼女に手紙を書こうと思っていた。
それは、彼女にお礼を伝えたかったからだった。
前にも語ったけど、僕は高校入学してから全然クラスに馴染めなかった。
本当に辞めたく辞めたくてしかたなかった。
冗談でも何でもなく、その時は死にたいと本気で思っていた。
そんな、僕を救ってくれたのは間違いなく彼女だった。
彼女が僕に話しかけてくれたことで、僕は学
美しくも悲しい日々を想う 10
高校3年生になった。
とある選択授業があった。
僕も、彼女もその授業を選択していた。
その授業は、移動教室なので、いつもと席順が異なった。
教室で席順を確認した時、僕はすごく嬉しくなった。
僕は、窓際から3列目の1番前の席。
彼女は、窓際から3列の目の2番目の席。
彼女と僕が一番最初に出会った席と、同じだった。
席に座った時、僕は中学1年頃の思い出がフラッシュバックしていた。
嬉しくなった
美しくも悲しい日々を想う 9
高校時代、彼女とは良好な関係は続いた。
僕たちの学科は、1クラスしかなかったので、3年間同じクラスだった。
とある日、調理実習の時間があった。
僕と彼女は同じ班になり、料理を作っていた。
彼女は、味噌汁か何かを作っていた。
「こまちゃん、味見して!」
と言って、彼女がつくったものを持ってきてくれた。
味見してみると、親の仇のようにしょっぱかった。
あまりのしょっぱさに、イタズラかもと思いつつ
美しくも悲しい日々を想う 8
2002年4月、僕は高校生になった。
入学式の日、緊張しがら教室に入った。
到着するのが遅かったらしく、ほとんど生徒が揃っている状態だった。
急いで、自分の席を確認して座った。
すると
「こまちゃん!」
と後ろから声をかけられた。
彼女だった。
彼女も無事、志望校に合格していたのだった。
彼女と僕は、またクラスメイトになった。
僕が前で、彼女が後ろの席というは、出会った時と同じ席の配置だ
美しくも悲しい日々を想う 7
最後に彼女と会話してから、1年以上経過していた。
1年生から2年生になる時にも、4ヶ月くらい彼女との交流がなくなった期間があった。
その時も、毎日彼女のことを考え、思い悩んでいた日々がしんどかった。
でも、今回はその3倍以上もの間、彼女との交流が一切なくなっていた。
毎日のように会話したことも、合図を交換したことも、2人きりで遊んだことも、全てが幻かもしれない。
僕と彼女は、そもそも出会って
美しくも悲しい日々を想う 6
彼女と2人きりで遊んだ日の翌日からか、それより少し後だったかは覚えていない。
でも、そのくらいの頃から、彼女と僕の会話がなくなった。
彼女は僕の席に来なくなった。
彼女は僕に話しかけてくれなくなった。
数ヶ月前の、辛い日々がフラッシュバックする。
あの時と同じように、彼女が話しかけてくれなくなった理由を毎日考えていた。
「2人で遊んた時に何かしたのか?」
「普段の会話で何か言ったのか?」
残
美しくも悲しい日々を想う 4
この頃から、彼女が僕に話しかけてくれなくなった。
僕から話しかけにいけば良かったのかもしれないが、僕は自分から誰かに話しかけにいくことが苦手だった。
普通の男友達相手でも、自分から話しかけにいくということはほとんど皆無で、基本的に相手が話しかけてくれたのに対して、答えることで会話が始まることが当たり前だった。
ましてや、大好きな女の子に自分から話しかけにいく、なんてことはできるはずもなかった。
美しくも悲しい日々を想う 3
僕は中学に入ってから眼鏡をかけるようになった。
だから、彼女は眼鏡をかけた僕しか知らなかった。
ところが、運動部に所属していて、眼鏡をかけてると危険なこともあったので、僕はコンタクトレンズを購入した。
ある日、コンタクトレンズをして学校に行くと
「眼鏡どうしたの?」
と彼女に尋ねられた。
僕は
「コンタクトレンズにしたんだよね」
と答えると彼女は
「メガネの方が良かったなあ」
と言った。
何
美しくも悲しい日々を想う 2
とある日の昼休み時間に、僕は他のクラスの友達と遊んでいた。昼休みの時間が終わりかけになり、自分のクラスに戻ると、彼女と同じクラスの僕の友達たちが楽しそうに会話をしていた。
「何?どうしたの?」
みたいな感じでその輪に僕が加わると
「きさって彼氏いるんだって」
と友達が教えてくれた。
どうやらその彼氏のことで彼女はからかわれていたのだ。
「マジで?そうなんだ!」
僕もその会話に加わって、一緒になっ