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歴史あれこれ

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歴史ウラ話集。表の歴史に隠れたような歴史のこぼれ話が大好物です。 妄想や独自の見解話などの収集帳。
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2022年7月の記事一覧

「秘密の花園」を読んで、江戸時代の豪商の息子を思い出した話

「秘密の花園」を読んで、江戸時代の豪商の息子を思い出した話

こんにちは、ぱんだごろごろです。
いよいよ、息子の部屋のリフォームが始まりました。

今日は、朝8時半に工務店の人が来る約束だったので、
この日まで、手を付けずにおいた、息子のベッドの掃除をしました。
隣の部屋に移すのは、プロにお任せでも、
長年の埃は、こちらで取っておかなくてはなりません。

汗だくになって、掃除機とフローリング・ワイパーのドライシートで、マットレスの汚れを取り除きます。
あとは

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アンドロイドは電気羊の夢を見るか? #3

アンドロイドは電気羊の夢を見るか? #3

京都の街並みは見ようによってはグロテスクに映る、という話をしている時だった。随分前の事である。

いにしえの建造物と現代の建築物が無秩序に混在しているようで、『京都の景観は、見ようによってはグロテスクだ』、と私が言うと、『ヨーロッパの街並みは100年前とほとんど変わらないんだ』と、添乗員を生業とする友人が言った。

添乗員として主に欧州全域を飛び歩いて約20年という彼から、その時イタリアのとある町

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13人の選出基準の不思議

13人の選出基準の不思議

NHK大河・「鎌倉殿の13人」も頼家の代となり、いよいよタイトル通りの本編に突入しました。
早速、梶原景時を引きずり降ろす策略がめぐる展開となり、つくづく坂東の御家人というのは内輪揉めが好きな人種らしい。

13人の選出に関しては、三谷幸喜さんお得意のコミカルなテンポで描かれ、まるでノリで決めたかのような展開でした。

しかし実際の選出基準とはいったいどのようなものだったのでしょうか?

今後の「

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外史の外史

外史の外史

頼 山陽の記した『日本外史』は後の佐幕幕臣・幕末志士ともに好んで読まれ。後代の維新を迎えて後は尊皇思想の教科書的な扱いをされてはいるが、先出の見延典子女史は時代の趨勢によってそうなっただけのこと…という冷めた見方での取扱をされている。

曰く「『生かじり』されたのだ」との由。至当だと思う。

藩儒「頼 春水」の長子として生まれ。学識豊かな両親・叔父をはじめとし、父祖交流の方々から影響を受けつつ成長

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なぜ高野山は真言密教の聖地なのか?|空海誕生1250年で訪ねる天空の寺院

なぜ高野山は真言密教の聖地なのか?|空海誕生1250年で訪ねる天空の寺院

山折哲雄 編

山上が小盆地になっている高野山高野山は和歌山県伊都郡高野町にありますが、「高野山」という名称の山岳があるわけではありません。高野山とは、和歌山県北部を東から西に流れる、紀ノ川の南側に広がる山地に対する呼称です。

高野山の最大の地形的特徴は、山上が小盆地になっていることで、そもそも「高野」とは高地にある平野を意味する言葉です。その小盆地は東西に約6キロ、南北に約2キロの広さで、海抜

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儒者のヨメ

儒者のヨメ

頼山陽の母、頼梅颸(らい・ばいし)。

頼春水の妻である頼梅颸。梅颸とは漢詩・和歌を詠む時の雅号で、通常は「お静さん」もしくは「静子」と自他称されていたそうな。春水逝去に先立ち、表装された梅颸の名が揮毫されたものが遺されてある。

梅颸さんは 摂津国立売堀裏町(現大阪市西区)の人。大阪の儒者である飯岡義斎の長女で頼家から遊学の為、大坂に住まう頼春水とは知遇の仲ゆえ、取り持つ方があって嫁することにな

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近江国を分ける境目の城「鎌刃城」をご紹介

近江国を分ける境目の城「鎌刃城」をご紹介

こんにちは、ゆうさいです。

今回は、近江国を南北に分ける地につくられた境目の城、「鎌刃城」をご紹介したいと思います。

1300を超える城郭が築かれたといわれる近江国。
そんな近江は戦国時代、江北と江南に分かれ幾度となく争いが繰り広げられていました。

江北は佐々木京極氏や浅井氏、江南は六角氏が治めていましたが、その国境付近に築かれた城が、この「鎌刃城」です。

この城は、勢力争いにより、その時

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歴史調べに役立つ地図のご紹介(2022/8/8更新)

歴史調べに役立つ地図のご紹介(2022/8/8更新)

皆さん、地図を見るのは好きですか?
私は一日中地図を眺めていられるほどの、地図大好き人間です。

調べ物の最中に、古地名の地点が何処なのかを確認したくなる時がありますよね。でも、現代地図ではイマイチ場所が分からなかったり、苦労することが多々…でも、大丈夫!(通販風)

今回は、歴史調べに役立つ地図閲覧サイトや地図系サイト・アプリのをご紹介。古地図と現代地図の比較閲覧サイトや古地名マッピングサイトが

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色々と状況がリンクする

色々と状況がリンクする

大変なことになっていますね。

現在、二本松少年隊の小説に取り掛かっている私。
後半が「明治編」になるのですが、主人公は、自分の住む土地や故郷が「賊軍」とされた世相の中で、生き延びていきます。
で、どうしても「薩長閥」中心の世の中なわけで、会津を始めとする東北諸藩への差別を描かざるを得ない。
もちろん具体的な事例はフィクションではあるのですが、結構きついのが、そのフィクションを描くために当たってい

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【251日目】山中新六の母

【251日目】山中新六の母

ご隠居からのメール:【山中新六の母】

●『尼子姫十勇士』では、尼子スセリ姫と鹿之助との間には子は生まれていない。
●松本清張『山中鹿之助』では、知和正人の遺児・小菊や隠岐清家の姪・潮姫との子はない。
●南原幹雄『名将山中鹿之助』では、尼子勝久の姉・美保姫が新六を生んだ。
●依田武勝『山中鹿之助』では、亀井秀綱の娘・千明が嫁し、新六を生んだ。
●池波正太郎『英雄にっぽん』では、亀井秀綱の娘・千明が

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河合継之助の生き様~「峠・最後のサムライ」より

河合継之助の生き様~「峠・最後のサムライ」より

司馬遼太郎作品の映画・「峠」を観てきました!

このテのマニアックな映画を一緒に観るのは、やはりレキジョークルのチコさんです。
歴史好き同士でないと、ツッコミどころの判別もできないし、後で余韻を楽しんで語り合えないのです。

結論から言うと、シブい映画だった!
昨年見た「燃えよ剣」よりもっとシブい!
これこそ、意味が分かるには歴史を熟知していないと、その真意はサッパリわからないでしょう。。。

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【歴史のすみっこ話】ボクの知らない大阪の歴史~歌人・詩人・作家「杉山 孝」~

大阪の富田林の、大阪でも指折りの大地主、杉山家の長女として、明治15年(1882年)に生まれた杉山 孝(すぎやま たか)は、19歳の頃から、女性週刊誌『婦女新聞』や実業之日本社の雑誌『婦人世界』に小説(翻訳小説)や論評などを発表し、1903年には与謝野鉄幹主宰の『新詩社』に参加し、『新詩社』の詩歌雑誌『明星』に短歌を発表します。
[創作活動の際は、石上露子(いそのかみ つゆこ)または ゆふちどり

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大発見……かもしれない(笑)

大発見……かもしれない(笑)

まだまだ執筆と同時並行で史料検証に追われていますが、その途中で結構論争になりそうなデータを発見しました。

二本松の落城が7/29なのですが、その後主人公は母成峠に向います。
(これは多分間違いないです)

で、母成峠の戦いが8/21ですね。
母成峠というと、西軍の会津侵攻のきっかけとなったところです。
実は、ここで一つ浮上する問題がありまして。
本筋とはあまり関係がないですが、新選組の土方歳三が

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