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【テクノロジー】なぜ高齢者にテクノロジーが普及しないのか

こんにちは、けいごです。

どんな記事のニーズがあるか、私からフォロワーさんに聞いてみたところ、以下のようなご回答をいただきました。

apple watchは介護に役立つと思っています。機能も充実していて、正直”なぜもっと普及しないのか?”の理由がわかりません。高いからなのか、認知されていないのか、スマホが使えないのにapple watchまで無理と思うのか?そのあたりの高齢者本人や家族の”テクノロジーを導入する壁”についてお書き頂ければ幸いです。

Chair★チェアさんからのご質問

有難う御座います!
結論はこのご回答の中の「”認知されていない”という理由に近い」思いますが、それだけでは記事を書く意味がなくなってしまうので、本記事では更にそこを深掘し、解決策を提示するような記事にしていきたいと思います。


問題点の仮説

私が独自に研究機関の調査結果を参考に、スマホサポーターの活動経験、介護士等の経験を考慮して今回の質問に対する仮説を立てたところ、以下のような結果になりました。

・機能やお金の問題ではなく、「興味」と「義務」の問題
現状、通信手段以外にスマホを使っている高齢者があまりいないため、スマートウォッチの使用用途に興味がないのではないか。

この仮説を立てた理由

スマートウォッチが普及しない理由を具体的に知るために、まずはスマホの普及率とスマートウォッチの普及率を比較してみます。

シニアのスマホの普及率は、以下の調査にて明らかになっています。

2022年現在で全国的なシニアのスマホ普及率は、89.0%となっています。
そのため、スマホの認知がない高齢者は「ほぼいない」と考えられます。

ではスマートウォッチの普及率はどうでしょうか。以下の調査を参考にします。

スマートウォッチの方は、スマートフォンを所有する20歳~69歳の男女のうち38.0%が所有しています。こちらについては、シニアのみの調査が見当たらなかったので、60代以上の所有率は、”多くて”約34%(100×89%=89、89×38%=33.8%)という仮説が立てられます。

また、別の調査では「10代~70代のスマートウォッチの所有率は10%程度」とうい結果も出ています。

つまり本当のところ普及している割合は、全世代で10%程度で、高齢者だと更に低いことが、なんとなく想像できると思います。

以上から、そもそも全世代でのスマートウォッチの所有率か少ないということが分かります。

機能の複雑性の問題ではなさそう

スマホは高齢者にとって機能の複雑性はあるものの、スマホの普及率を見ればそれが問題ではないことがわかります。

こちらについては私のスマホサポーターの経験から、ご高齢の方はスマホの画面ですら見えないという方(又はそのようなしぐさをしている方)がおり、スマホよりも更に画面の小さいスマートウォッチは、見ることすら苦戦する可能性が高いのではないかと考えれます。

お金の問題でもなさそう

既にスマホの所有率が約9割ということは、スマホを購入し、通信費を払う経済的余裕がある人が大半なことがわかりますので、お金の問題はそこまで大きくない可能性が所有率から読み取れます。

認知度の問題が近いが、どちらかというと

次に認知度の問題に焦点を当ててみます。
スマホサポーターにて、ご高齢の方のスマホの購入ルートを聞くと、大手通信会社から、という回答が多いです。
また、スマホの普及以前にガラケーがとって変わっただけの可能性が、割合を見ると考えられますので、連絡手段として「スマホしか使えなくなるという義務感」が普及率の高さの要因であることも想定できます。

更に、ガラケーが使えなくなったためスマホにしたということは、「使用用途が主に連絡手段」ということになります。
実際にスマホサポーターの質問も、連絡手段についての質問が多いです。

ここから立てられる仮説は、「ガラケーからスマホに切り替えざる負えない義務感」「通信会社からの紹介がなければ、そもそもスマホは使っていない」ということと、「機械に単一用途以外の、複雑な機能は求めていない(または使いこなせない)」ということです。

また、スマホの教え手がいないことから、高齢者はスマホの使用に苦戦していることが多いです。
なので、多くの地域でスマホの操作を教えるサロン等や活動などがあります。
スマホを買っても家族に聞けない、店員は買ってから親身に対応しなくなる等、そのようなニーズからスマホの操作について地域の活動者に聞くしかない現実があります。

義務や斡旋でスマホを普及させても、使いこなせる機能は限られているのが現状です。

もうひとつの問題?

もう一つ考えられる、介護士・社会福祉士としての視点から、個人的な見解を書かせていただきます。

介護者の視点からするとスマートウォッチで「健康状態などを知れること」や「現在地を知れること」等の機能はとても有難いかもしれません。
しかし、それを介護の受け手が望んでいない可能性があります。

これらはネガティブに捉えると、「自分の生活を覗かれる」ということになります。それを「別に良いかな」と思う方は、一体どれくらいいるのかという問題です。
例え家族であっても、それは嫌な方が大半ではないかと思います。自由が無くなるので。
このように「見守り」と「監視」は、似ているようで違います。

これに関しては、高齢者にスマートウォッチの所有のメリットを伝えつつ、「見守り」としてそれを使えるように選択権を与える必要があると考えます。

解決策

以上から、以下の解決策に基づいた行動をすることにより、スマートウォッチが普及するのではないかという仮説が立てられます。

①「スマートウォッチによって出来ること(1つ)」と、「高齢者のニーズ」をマッチさせ、その機能を徹底的に教える。

②スマートウォッチの活用によって、「監視」ではなく「見守り」としての機能を紹介し、選択権を持ってもらう。

①についてまとめます。
「連絡手段」としてスマホを使いだす高齢者が多いことから、連絡手段と同レベルで必須な機能の内、スマートウォッチでできることを「一つ」提示し、その機能を徹底的に教えることで普及が広がる可能性がありそうです。

連絡手段としてスマホの操作を覚えた高齢者の方は、それ以外の機能に興味を持ち、様々な機能を覚えていきます。
つまり、一つの機能を徹底的に教えさえすれば、主体的に他の機能に興味を持ってくれる可能性が高まります。

それがこちらから、興味もないのに「あれもできます」「これもできます」と伝えても、「なくても生活に支障がないからいらない」、となってしまいます。
運動は自分が「必要だから」行うのであって、「人から運動しなさい」、といくら言われてもやらないのと同じように、自分が必要ないと思っている機能にこんなメリットがある、といわれてもピンとこないのではないかと考えます。

連絡手段と同レベルの機能は何でしょうか、私は思いつかないのでコメントなどで是非教えてください!
また、地域コミュニティの方から「最近マイナンバーカードの申請にくる高齢者の方が増えた」という情報を聞きました。これはおそらく2023年9月にマイナンバーカードが保険証と一体になる、ということが影響していると考えられます。

このように、「連絡手段」や「保険証」のような、生活と密接に結びつく必須に近い機能と、スマートウォッチの機能をマッチさせ提案する必要がありそうです。

また②については、「見守り」として選択権のあるデジタルデバイスとして、「定期的なビデオ通話の時間」を設けたり、「見守る必要がある高齢者に同じ時間にボタンを押してもらい(家に設置したボタンを押すと、スマホに通知が来る機能を活用等)何も問題ないということを知らせる」といった機能を紹介する必要がありそうです。

要望募集!

以下かだったでしょうか。

ここまで掘り下げられれば、ヒント程度は提供できたのではないかと思います。お役に立てなかったら申し訳ございません。
もし「求めているのと違う」「もっとここを深堀して欲しい」と感じましたら、ご遠慮なくコメント欄にご記載ください。

今回は質問に対する回答という形で、自分なりに仮説を立ててまとめてみました。

今後も何か私の経歴・経験から「こんな記事を書いてほしい」というご要望などありましたら、是非コメント欄に書いていただければ幸いです。
読書要約でも、地域活動や福祉的なことでも、前書いた記事の深堀を更に欲しい、といったことでも、私個人的なことでも(誰も求めてない(笑))、なんでも構いません。

お待ちしております!

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