マガジンのカバー画像

この本いいよ!

258
これまで私がnoteに投稿した読書感想記事をまとめたマガジンです。本選びの参考になればいいなと思います。
運営しているクリエイター

2021年3月の記事一覧

第30回:ネメシスI &IIを読みました

第30回:ネメシスI &IIを読みました

こんにちは、あみのです。今回の本は、もうすぐ始まるテレビドラマ『ネメシス』のノベライズ1巻と2巻(講談社タイガ)です。このシリーズは巻ごとに作者が違い、1巻は今村昌弘さん、2巻は藤石波矢さんがノベライズを担当しています。

1巻にはドラマの1話と3話に該当するエピソード、2巻には2話に該当するエピソードとノベライズ限定エピソードが収録されています。もちろん1巻だけ、推し作家だけ読んでも楽しめると思

もっとみる
第29回:「自由」に生きるだけの人生は大変だ

第29回:「自由」に生きるだけの人生は大変だ

おはようございます!あみのです。今回の本は、猫田佐文さんのライト文芸作品『透明人間はキスをしない』(集英社オレンジ文庫)です。前作『ひきこもりを家から出す方法』が印象に残っていたので、今後の作風にも興味を持ち、2作目となる今作も読んでみました。

猫田さんの物語では、世の中を生きるために必要なことを教えてくれます。前作では「人が社会で働く理由」を学びました。今作は「自由」という言葉を軸に、人とのつ

もっとみる
第28回:なんとなく読んだけど、予想以上に共感した1冊

第28回:なんとなく読んだけど、予想以上に共感した1冊

こんばんは!あみのです。今回の本は、此見えこさんのライト文芸作品『きみが明日、この世界から消える前に』(スターツ出版文庫)です。よく行く本屋に「おすすめ本フェア」みたいなコーナーがあって、その中から見つけた1冊です。読んだことがない作家さんだったことと、タイトルの響きに魅力を感じて購入しました。

余談にはなりますが、私は本屋や図書館での「本との偶然の出会い」も凄く大切にしています。事前にインター

もっとみる

第27回:『約束の猫』で、猫たちとちょっと現実逃避しませんか?

おはようございます、あみのです(=^x^=)今回の本は、村山早紀さん(作)とげみさん(イラスト)による短編集『約束の猫』(立東舎)です。同じ出版社から刊行されている『春の旅人』、『トロイメライ』に続く3作目になります。(話の内容はどれも関係がないので、今作のみでも充分に楽しめます)

絵本感覚で読めてしまうので、長編の物語が苦手な人にもおすすめです。村山さんの優しい言葉で溢れた世界観や、げみさんの

もっとみる
第26回:魅力的なヒロイン(+男の娘)とインターネットの恐怖を学ぶ

第26回:魅力的なヒロイン(+男の娘)とインターネットの恐怖を学ぶ

こんばんは、あみのです。今回の本は、駿馬京(しゅんめけい)さんのライトノベル作品『インフルエンス・インシデント』(電撃文庫)です。先日記事を上げた『ギルドの受付嬢~』と同様電撃小説大賞の受賞作のひとつとなります。

この物語では、なぜインターネット上の悪意はなくならないのか?専門的な知識も踏まえて、その理由を知ることができます。難しいテーマを扱った作品ですが、女装男子やクセ強めな女子大生&教授が登

もっとみる
第25回:この「最高のハッピーエンド」を味わってほしい

第25回:この「最高のハッピーエンド」を味わってほしい

こんばんは、あみのです。今回の本は、星火燎原(せいかりょうげん)さんの青春小説『死にたがりな少女の自殺を邪魔して、遊びにつれていく話。』(宝島社文庫)です。タイトル長いし、「遊びにつれていく」という表現がとにかく凄く気になって読んでみました。

あらすじだけだとよくありそうな青春小説に見えますが、読めば読むほど不思議とポジティブな気持ちになれてしまう意外性のある物語です。ありきたりな青春小説は苦手

もっとみる
第24回:最強ヒロインと一緒に、社会の「ストレス」ぶっ飛ばしませんか?

第24回:最強ヒロインと一緒に、社会の「ストレス」ぶっ飛ばしませんか?

おはようございます、あみのです。今回の本は、香坂マトさんのライトノベル作品『ギルドの受付嬢ですが、残業は嫌なのでボスをソロ討伐しようと思います』(電撃文庫)です。タイトル長っ!

今作は、個人的に毎年楽しみにしている電撃小説大賞の受賞作のひとつです。ラノベの新人賞もいろいろありますが、電撃大賞の作品は圧倒的に当たり作品が多いなと毎年思います。

今作は、今の自分の働き方に不満がある人や仕事先の人間

もっとみる
第23回:鎌倉に行きたすぎて、『茶寮かみくらの偽花嫁』を読んでみた

第23回:鎌倉に行きたすぎて、『茶寮かみくらの偽花嫁』を読んでみた

おはようございます!あみのです。まだまだ遠出するのが厳しい世の中ですね。今、私が行きたいところのひとつとして鎌倉が挙がっています。せめて読書で鎌倉に行った気分を味わいたい!と思い、あさばみゆきさんのライト文芸作品『茶寮かみくらの偽花嫁』(角川文庫)を読んでみました。

今作は鎌倉に行きたいと思っている人はもちろん、年の差恋愛系の作品が好きな人やいろんな形の人付き合いに関心がある人にもぜひおすすめし

もっとみる
第22回:完全に雨が降りやむのは、物語が終わったもう少し先だと思う

第22回:完全に雨が降りやむのは、物語が終わったもう少し先だと思う

こんにちは、あみのです。今回の本は、稲井田そうさんのライト文芸作品『この恋を殺しても、君だけは守りたかった。』(スターツ出版文庫)です。爽やかな青春小説が多い印象のスターツ出版文庫の作品としては、ややダークな雰囲気の作品です。

稲井田さんの作品は2冊目です。以前読んだ『次期風紀委員長の深見先輩は間違いなく病気』というKADOKAWAから単行本で出ている作品が印象に残っていたので、今作も読んでみま

もっとみる
第21回:谷崎の『痴人の愛』は、人の愛し方の変化を実感した1冊でもありました

第21回:谷崎の『痴人の愛』は、人の愛し方の変化を実感した1冊でもありました

こんばんは、あみのです。今回の本ですが、タイトルの通り谷崎潤一郎の名作『痴人の愛』です。私が読んだのは角川文庫版です。名作というと堅苦しい印象を持つ方もいるかと思いますが(私もそうです)、いつものライトノベルの感想を読むような気軽さで今回の記事も読んで頂けたら幸いです。

時代を越えて人々から愛される名作は、読んでいると作品が書かれた当時にタイムスリップしているような気分が味わえるところが凄く好き

もっとみる
第19回:新たなラノベの形に期待が高まる1冊に出会いました

第19回:新たなラノベの形に期待が高まる1冊に出会いました

ズドラーストヴィーチェ、あみのです!今回の本は、燦々SUNさん(「さん」がいっぱい)のライトノベル作品『時々ボソッとロシア語でデレる隣のアーリャさん』(角川スニーカー文庫)です。読む前はいくらラブコメが流行っているとはいえ、設定のネタ感が凄いなと思っていました笑。

実際に読んでみると、小説というよりは漫画を読んでいるような感覚に近く、非常に読みやすいと思いました。小説自体もとても良いのですが、個

もっとみる
第18回:生き辛さはいつの時代も変わらないのかもしれない

第18回:生き辛さはいつの時代も変わらないのかもしれない

こんにちは、あみのです。今回の本は、雨咲はなさんのライト文芸作品『鳴かぬ緋鳥の恋唄』(富士見L文庫)です。これまで歴史モチーフの作品はあまり読んだことがなかったのですが、今作は表紙に惹かれてなんとなく手にしました。

今作は戦国時代が舞台にはなっていますが、生き辛さに悩む登場人物たちの姿は価値観は違えど、現代にも通じる箇所があるように感じられました。恋愛要素もちょっとあるので、気軽に楽しみやすい歴

もっとみる