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【短編エッセイ】「思いもうけて……」
向田邦子のエッセイに、「思いもうけて……」というものがある(「女の人差し指」収録)。晩餐会に招ばれてゆくときは、料理を味わっている瞬間よりも、ドレスを選び、香水を控えめに纏い、身支度をしているひとときが一番愉しい。彼女はそう綴っている。
何と正鵠を射た指摘だろう。我知らず、私はページを繰りながら頷いた。「思いもうけて」は期待して、といった意味の古語だというが、なるほど期待ほど人の心を駆り立ててく
宮城谷昌光が好きすぎる女が、愛を詰め込んだ読書レビュー。
中国古代史を中心に、ゆたかな発想力と、徹底した史料考究に裏打ちされた作品を世に送り出して来た宮城谷昌光先生。
14歳で中国古典を読む楽しさに目覚めて以来、私は宮城谷作品を追い続け、その魅力に魅せられてきた。
そんな溢れる作品愛を、20歳の時思い立ち、書き綴ったのがこのnoteの内容である。
文章には20歳なりの衒いや気負いが滲み出ていて、今読み返すと恥ずかしい部分もある。だが、その”青臭さ
惣領冬実「チェーザレ」完結に寄せて
誰にとっても、人生の中で忘れられない光を放つ作品があると思います。
それは子供の頃出会った絵本であったり、はじめてのデートで見た映画であったり
小説や漫画なら、人生の節目に寄り添ってくれた、何度も読み返すような大切な作品かもしれません。
私にとってそのような作品のひとつが、惣領冬実先生の「チェーザレ 破壊の創造者」でした。
私と「チェーザレ」との出会いは京大受験の帰り道。
新幹線に乗る前に書店
Noteに戻って来た日。
noteを最後に更新したのはいつだっただろう。
それさえ思い出せないくらい長い間、私は、「物を書くこと」から離れてしまっていた気がします。
完璧主義なわたしは、自分が決めたテーマや予定通りにnoteが更新できないことに焦り、いつしか、更新を止めてしまっていました。
以前、「京大歴女のまったり歴史講座」として更新していたnoteを読んでくださっていた皆さん、ありがとうございました。
この先、
NHKの本気、「八重の桜」~私のイチ押し大河ドラマ~ 京大歴女のまったり歴史講座⑥
年の始めといえば、新しい大河ドラマがはじまる季節。
大河ドラマは、わたしたちが歴史に触れる、もっとも身近な素材のひとつ。
小学2年から大河ドラマを見続けているわたしが、中でもイチ押しに推している作品を語ります。
一つ目は、2013年の大河ドラマ「八重の桜」。
主人公は綾瀬はるかさん演じる新島(山本)八重。
幕末の会津藩に生まれ、戊辰戦争では自ら銃を持って戦った女戦士。そして、のちに新島襄の妻