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変態レベルに歴史が好きです。

「変態」と言われたことがある。
それもこれも、私の“歴史好き”がいささか度を越したレベルであるゆえだ。

と言っても、その変態さ加減を一言で表すのは難しい。
そこでこの記事では、「自己紹介」の代わりとして、小学生時代から大学卒業までの私の「歴史遍歴」を1年毎に振り返ってみることをした。
読者の皆さんがこのnoteを読んで引いてしまわないことを願いたい。

【小学2年】 
親が漫画日本の歴史20巻を買って来たのが全てのはじまり。試しに1巻読んでみたら止まらず、一気に読破して歴史好きになる。
最初に興味を持った人物は蘇我入鹿。なぜか彼が漫画に描かれているような悪人とは思えず、飛鳥時代について考えるようになったのが歴史に深入りするきっかけ。クラス文集を「大化の改新」で書く。この年から大河ドラマを見始める。

【小学3年】
親が偶然買って来た子供向けの「三国志」にのめり込む。人形劇三国志を全話視聴。書店に行けば三国志のコーナーから離れず、家や学校で描く絵が全て「桃園の誓い」やら「赤壁の戦い」になる。
日本史では、「平家物語」などの軍記ものが好きで何度も読む。特に繰り返し読んだ部分は「有王の島下り」「宇治川の先陣争い」「小宰相の入水」など。
また、蘇我入鹿から歴史に興味を持ったので、奈良に行きたいと主張し、家族旅行で入鹿の首塚や伝飛鳥板蓋宮跡などを回る。
この年、朝日新聞に連載されていた記事「愛の旅人」を見て鄭成功の母・田川マツに興味を持ち、彼女について図書館を回って調べ、人生ではじめての歴史小説「田川マツの生涯」を原稿用紙に書く(校長先生に読んでもらった)。
同じ頃1話から毎週欠かさず見ていた「功名が辻」の第42回「ガラシャの魂」に衝撃を受け、細川ガラシャに強く惹かれる。父親に小笠原少斎役をやってもらってガラシャの最期ごっこをしていた。控えめに言ってやばい小学生。
また、この頃から親に連れられて地元鎌倉の史跡を片っ端から巡るようになる。夏休みの自由研究では、地元鎌倉の史跡「鎌倉十井」を一つひとつ巡り、その由来を調査してスケッチブックにまとめた。

【小学4年】
自由研究で三国志をやる。漢字練習帳の中身がほぼ全て三国志の人名になったり、習字の自由課題が「孔明」になったりする。クラス文集は「三国志の女性たち」。貂蝉、麋夫人らについて綴る。家族に三国志の講義をする。
漫画世界の歴史20巻にも手を出す。特に西洋史の巻を繰り返し読む。好きな人物はピョートル大帝とマリア=テレジア。
家族旅行で長野に行き、上田を訪問。真田家について知り、関連書籍を読むようになる。
又、家族旅行で金沢に行き、前田にも関心を持つ。特に利家三女の麻阿に興味を持ち原稿用紙に小説を書く。お市の方や樋口一葉でも短編を書く。
昔の大河ドラマに興味を持ち「おんな太閤記」を全話視聴する。

【小学5年】
吉川英治の三国志に手を出す。家族旅行で仙台に行き伊達に興味を持つ。帰って来てから「独眼竜政宗」を全話一気に視聴する。
家の本棚にある永井路子の作品を片っ端から読むようになる。
「太平記」をよく読むようになり冒頭を暗唱した。
漫画中国の歴史を全巻読破する。三国志以外で興味を持った人物や事柄は、「則天武后」「岳飛と秦檜」「永楽帝と鄭和」「三藩の乱」「太平天国の乱」など。

【小学6年】
宮尾登美子「天璋院篤姫」にのめり込む。それまで和宮贔屓だったがドラマをきっかけに見方が変わる。「大奥のすべて」という本を買い、大奥の職位を暗記したり歴代将軍の正室を覚えたりする。

【中学1年】
一度歴史から離れてクラスの話題について行けるようおしゃれや流行の歌やアイドルについて勉強し、普通の女の子になろうとする。自分を殺し過ぎて失敗。

【中学2年】
開き直って最愛の三国志に戻って来る。ちくま文庫の「正史三国志」を読み漁るようになり、演義から気持ちが離れる。「三国志」に出会った時から、一番興味を持っていた人物・劉禅について、夏休み全てを費やし、彼を弁護する42ページの小論文を書く。(なお作品は市の教育委員長にまで閲覧された。)出師の表の書き下し文を全文暗唱しようとする。
父親から誕生日のプレゼントに宮崎市定の「雍正帝」をもらい、東洋史の権威の著作に足を踏み入れる。
また、この頃からちくま文庫の史記も読むようになる。たくさんの人物の中で秦の法家・商鞅に興味を持つ。また、「李陵の禍」について深く関心を抱く。
読売新聞連載、宮城谷昌光の「草原の風」を読むのが日課に。これをきっかけに光武帝劉秀に関心を抱く。
年始、NHKの番組をきっかけにカトリーヌ=ド=メディシスと皇妃エリザベートに関心を持つ。

【中学3年】
イスラーム王朝にハマる。ムハンマドの時代からオスマン帝国まで幅広く大好き。特に対十字軍戦争の英雄サラディンに強く惹かれ、佐藤次高東大名誉教授が書いた伝記「イスラームの英雄サラディン」などの本に手を出す。
武田泰淳の「司馬遷」を親族にもらい、読む。
楚漢戦争では韓信に興味を持つ。

【高校1年】
宮城谷昌光の小説に出会い、中国古典にいっそう傾倒。放課後図書館に居残っては史記の列伝を読むのが趣味となる。「司馬遷が列伝の冒頭に伯夷を置いた意図は何か」「伯夷・叔斉と周の武王はどちらが正しいのか」「諸説ある春秋五覇で一番相応しいと思うのはどの五人か」と言ったことを、暇さえあれば繰り返し考えるようになる。
また、中国古代史と並行してフランス革命にハマる。特にロラン夫人をはじめ革命下のフランスの女性たちに興味を持つ。国内の読みものだけでは飽き足らず、ミシュレの著作などに手を出す。
また、ハプスブルク家やブルボン家などヨーロッパの王朝に興味を持ち、新人物往来社などのカラーの書籍を読み漁る。池田理代子の漫画「女帝エカテリーナ」からエカテリーナとポチョムキン、ロマノフ王朝に関心を持つ。
平安時代では藤原隆家が好きになり、刀伊の入寇の本を読んだり、彼の登場する古典を読もうとする。
高校世界史では学年トップの成績を取る。

【高校2年】
世界史の発表で「三国志」を扱い、60分しゃべり倒して授業を潰す。淩統を主人公にした小説を書き高校の文芸誌に連載する。
福原哲郎「西晋の武帝 司馬炎」に出会い三国時代後期から西晋初頭の歴史に強い関心を持つようになる。
「天命」という概念について考えるのが好きになり、暇な時間の思考が「易姓革命」になる。
「八重の桜」をきっかけに会津藩はじめ幕末に興味を持って調べ、完全な佐幕派に。
また、親戚から塩野七生の著作を多数譲り受け、ハンニバルを中心とするローマ時代、チェーザレ=ボルジアをはじめルネサンス時代に興味を持つ。
近場では鎌倉時代の宝治合戦に興味を持ち、三浦一族について調べる。高校の司書さんに吾妻鏡を取り寄せて欲しいと無茶を言った記憶がある。
高校世界史では学年トップの成績を維持し続ける。

【高校3年】
大学受験で諸々中断を余儀なくされるも、これまでの情熱を活かして日本史・世界史をダブルで履修し受験に使用。センター試験100点、全国京大模試(河合塾)で世界史一桁順位をキープなど一応受験でも活用。
宮城谷昌光の「重耳」や「孟嘗君」にハマり、センター試験が終わった後二次試験そっちのけでずっと読んでいた。
受験終了後、帰り道で書店に飛び込んでかねてから読みたかった惣領冬実著「チェーザレ 破壊の創造者」を一気読み。すぐにルネサンス時代イタリアにのめり込む。主人公のチェーザレもさることながら、フィレンツェのロレンツォ=デ=メディチに強い関心を抱くようになる。

【大学1年】
大学入学。大学1年生用のゼミで中国古代史の講義を取り、教授に引かれるほどのオタクぶりを発揮する。

【大学2年】
三国志の学術論文にも手を出すようになる。大学に当時存在しなかった三国志研究会のサークルを立ち上げようと試みる。

【大学3年】
フランス革命後のテルミドール反動の時代に深い関心を抱き、タリアン夫人やバラスをはじめとする総裁政府時代の面々についてたくさんの文献を読み込む。バラスの回想録(英語版)にも少し手を出す。

【大学4年】
懐良親王と菊池武光の面影を訪ねて、熊本県菊池市までひとり旅をする。
ボルジア家とメディチ家が好きすぎてイタリアに旅行する。

いかがだっただろうか。
思い返せば返すほど、いっそ清々しいくらいの狂いっぷりである。

大人になってからはさすがに恥ずかしくなり、この情熱を人前にさらすことはなくなったのだが、むしろ幼い頃のほうが、自分の心に正直でまっすぐだったと言えるだろう。

初心、忘るべからず。

これからもこのnoteでは、歴史への狂いっぷりを堂々披露していきたい。

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