「三国志」に人生を侵食されている。
「三国志」が好きだ。
小学三年生の頃からずっと好きだ。
事の起こりは8歳の春。
親が「三銃士」と間違えて子供向けの「三国志」の本を買ってきたことにさかのぼる。
中国の話なんて興味ない、と悪態をついた幼い私は、しかし読み始めて5分と経たずに前言を撤回した。
そしてそこから、まっさかさまに「三国志」の沼に落ちた。
小学生は、他人の目なんて気にしない。その情熱は、大人よりずっと純粋でまっすぐだ。
瞬く間に私の漢字練習帳は三国志の人物名で埋め尽くされ、作文の宿題は全て三国志のプレ