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「軟骨伝導」。第三の聴覚経路とも。新しい音楽の聴き方やコミュニケーションへー。

こんにちは、翼祈(たすき)です。
この記事の本題は、「軟骨伝導」です。まず「軟骨伝導」のことを説明します。

500年以上前の15世紀から音が聞こえてくる経路として骨から伝わる骨導と、空気中の振動を聞く気導の2経路が知られていて、その仕組みを利用したイヤホンなどの機器が多く発売されてきました。

2004年に奈良県立医科大学耳鼻咽喉科学の細井裕司教授が、耳軟骨に音声情報を含んだ振動を与えると骨導や気導と同じ水準で音声情報がハッキリと内耳に伝えられることを発見し、日本名では「軟骨伝導」、英語名を”Cartilage Conduction”と名付けました。

「軟骨伝導」は「骨伝導」の一種であるのか?と、誤解されがちだと言いますが、その音伝達の性質や聞こえのメカニズム、特徴は「骨伝導」とは全く違います。

軟骨伝導」では、人が生来持っている中耳や鼓膜など重要な聴覚器の機能を活かして自然な音が得られます。また容易にステレオ感が得られるなど、試聴によって骨伝導音とも気導音とも違うことが簡単に体験できます。

「軟骨伝導」の登場は、医学的発見を医療機器に応用するだけでなく、一般の人が使う通常のコミュニケーション機器や、音響機器として広い世界で、世界の人たちに届けられることで、発見した価値が大きくなると考えられています。

実は、下記の↓で、所属する会社のサイトで記事を書いたのですが、最近変化がありまして。

2024年8月2日、会社のYouTubeチャンネルのラジオ動画や、自社の広報誌で、写真撮影している人が、記事を書いた時、「凄い‼︎」と言って下さって、この文章を書いている日に、「前日に『軟骨伝導』が届いて、試してみました」と、言われたからでした。

そのことで、少し中身を変えて、その方の「軟骨伝導」の体験談を最後の感想に入れながら、再度紹介したいと思いました。

今回は、「軟骨伝導」を開発した専門家の方の講演会のことなどで、この「軟骨伝導」の魅力を発信したいと思います。

「軟骨伝導」を開発した専門家の男性の講演会の様子


画像引用・参考:ワイヤレス軟骨伝導ヘッドホン ATH-CC500BT オーディオテクニカ

耳の軟骨の振動を介して音を聞く「軟骨伝導」のメカニズムを体感して頂こうと、東京都文京区にある都立小石川中等教育学校で、体験学習が開催され、「軟骨伝導」のメカニズムを発見した奈良県立医科大学の細井裕司学長が、生徒たちに説明しました。

この中で細井学長は、「軟骨伝導」とは耳の入り口付近にある軟骨の振動を介して、発生した音源が鼓膜を通して聞こえるなどと語り、メカニズムを説明しました。

そして、頭蓋骨の振動を介する「骨伝導」とは違う聴覚の第三の経路で、耳の構造に障害を抱えている人にも音を伝えられることや、空気の振動を鼓膜を介して聞く一般的な聞こえ方などを分かりやすく解説しました。

また生徒たちによる「軟骨伝導」の体験では、開発した音響システムを使用して、体育館の床に朗読の声や歌声、鳥のさえずりなど、色んな音を振動にして響かせました。

生徒たちが床に耳を押し当てると、かすかにしか聞こえなかった音がハッキリと聞こえる様になって、「軟骨伝導」を通して音が聞こえるメカニズムを体感しました。

参考:“第3の聴覚経路” 都内の学校で「軟骨伝導」の体験学習 NHK NEWS WEB(2024年)

「軟骨伝導」の体験会に参加した中学2年生の女の子は、「音の聞こえ方が3種類あることにはとても驚きました。実際に自分の耳で聞けると思っていませんでしたが、臨場感のある音でとても楽しく聞けました」と述べました。

細井学長は、「今回の体験を機に、科学技術の新しいものや面白さを発見して、活用していく姿勢を感じ取って頂きたいです」と説明しました。

実際に「軟骨伝導」を購入した人の声

私は所属する会社のサイトで、「『軟骨伝導』を家電屋さんで観てみたいなと思っています」と書きましたが、私が左耳の感音性難聴で耳鼻科の主治医からイヤホンを禁止されていること、記事自体は2023年に書きましたが、家電屋さんには一度も行っていないので、観ることがありませんでした。

この記事の冒頭に書いた同じメンバーさんの男性は、「オーディオテクニカがこんな凄いものを開発したんだ‼︎」と、とても声高々に興奮して、興味を持って下さいました。

それから1年以上が経過し、今日、「『軟骨伝導』の記事、書かれていましたよね?」と言われて、「はい」と答えると、「実は買って、昨日届いて、試してみたんですよ」と言いました。

実物も持って来て下さり、初めて「軟骨伝導」を観ました。

「どうでしたか?」と聞くと、「初めて使いましたが、性能は凄く良いです。騒がしい場所だと少し聞き取りづらい部分もありますが、それでも静かな場所だと音も鮮やかで、十分に聞こえますし、買って良かったです」と言われました。

「昔骨伝導を試した時あんまりしっくり来なくて、着けていると痛かったりして、でもこの『軟骨伝導』は痛くなくて、自然と着けられます

という話だったり、

「自分の母の弟、叔父さんで、片耳しかイヤホンがダメな人がいて、叔父さんがイヤホンを探していて、その人に、『軟骨伝導』って言うのがあるんだけど、どう?と紹介したくて、届いてから24時間、試しに着けていますが、とても良いですよ」

と言っていました。

私は「『軟骨伝導』はとても良いと聞くけど、直接観ることはなかなか叶わないな」と思っていたら、その人が購入して、実物を見れたり、実際に使ったレビューを教えて下さって、それだけで満足できました。

今日、「軟骨伝導」のお話が聞けて良かったなー、と思いました。


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