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#オールカテゴリ部門
1991年の可能世界
一九九一年、もしも彼がまばたきをしていたらこの世界は大きく違っていた、と僕は思う。
今この部屋には箱が十六個、椅子が五脚ある。床一面は適度な具合につるつるとしていて、三枚ある窓はどれも漸進主義的な等差数列のようにくすんでいる。僕はそれらが多少でも改善されることを真底望んでいるが、それは無理というものだ。一人ごとの悲しみをたたえたエンハーモニックが時折通り抜けるこの部屋は、今少しずつ死にかけ
ヤンキースの5番を空振り三振に仕留めた、マリリン・モンローの記録と記憶(4)僕たちみんなのマリリン・モンロー
『ピンチの後に、チャンスあり』も、また然りであった。
1954年2月13日、夜空に輝くハネムーンの甘い月光に包まれていたはずの旅路である。マリリンはしかし、悔し涙をポロポロ溢しながら、目の前で猛烈に憤るジョーに負けじと歯向かった。甲高い声で浴びせんとする野郎の痛烈な口撃のスウィングは、常軌を逸し、結局、空しく空回りするばかりだった。結果、新郎を空振り”STRUCKん OUT(三振)”に仕留めた新婦
【創作大賞2024】応募作品:そして誰も~なった(AI倫理編)
この作品集は、短編小説(ショートショート)の『本文』よりも『自己解説』が長く、その『自己解説』を超えるほど充実したコメント欄が特徴です。
タイトルの『そして誰も~なった』には、物語の結末がタイトルと同じになるという顕著な特徴があります。この執筆スタイルは、アガサ・クリスティの『そして誰もいなくなった』が長編推理小説として極めて高度な作品であることと似ています。
意外な結末が重要な推理小説
マザレス番外編 烙印の報復 クラッシュ! 没エピ 望月衣知子編③ スピンオフ
峠道をかなりのスピードで駆け上っていく衣知子。山頂に続くこの山道には四十八ものカーブがあり途中ガードレールが途切れてる区間も多くベテランのドライバーでも難所とされている。ましてや雨上がりでまだ濡れた路面は滑りやすく少しでも気を抜くと街乗り用にセッティングされたこの小型車のタイヤはグリップ力を失いそうになった。衣知子はグリップ限界でコーナーをクリアいく。
───冗談じゃないわ、こんな道で
【映画感想文】「うんこ召し上がれですわ」中島らも原作の未配信でDVDも出ていない映画が嘘みたいに面白かった - 『Lie lie Lie』監督:中原俊
それはYouTubeのレコメンドで勝手に流れてきたんだと思う。公式なのか、定かではないからリンクを共有はしないけれど、ある映画のワンシーンだった。
テレビのトーク番組らしき落ち着いたセットに若き日の豊川悦司と佐藤浩一が座っている。向かいには評論家然としたおじいさんが座り、ある文学作品について語っている。
これに対して、インテリっぽい豊川悦司が答える。
状況を察するに豊川悦司と佐藤浩一
[実体験] 女神からのメッセージ 第946幕
この話は、2021年4月頃に、息子に起きた不思議な出来事である。
そして、女神からあなたへ送るメッセージである。
実は、今回の記事は私の初期の記事『[実体験] あなたは そのままで価値がある 第88幕;2022年3月14日投稿記事)のリメイク版である。
今、日本人の多くの人たちが、常識という名の”正しさ”にがんじがらめに囚われており、心のままに、ありのままで、そのままで良いということを忘れてし
ヤンキースの5番を空振り三振に仕留めた、マリリン・モンローの記録と記憶(3)GAME OVER
アル・パチーノが演じた《ゴッドファーザー》=ドン・コルレオーネが象徴するように、シチリア男の気質は、概して《亭主関白》なのだと云う。そのシシリーの血は、マリリン・モンローの亭主、ジョー・ディマジオにも脈々と流れていた。
ジョーは新婚旅行の三年前、つまりユニフォームを脱いだ1951年オフの日米野球に、MLB+パシフィックコースト選抜チームの主軸として来日している。大熱狂の渦中にプレーし、主に斬
創作大賞の応募何万件って、絶対全部は審査してないでしょ
とおもったら、Q&Aで1人で1万件見た人がいると聞いて
すげえ、と思った反面ちょっと引きました
働き方大丈夫なんかな、と
というわけで、文章と違って音楽は時間芸術なので
読み手の都合で読み飛ばせません
選考のかた、かったるいとは思いますが
何卒ご了承の程よろしくお願い申し上げます🙇♂️
【創作大賞2024応募作オールカテゴリ部門】松山行きのバスに乗る。#4新しい人生を生きる事にする。(3/5)
■
朝、起きると、愛美はもう自分の部屋にはいなかった。
私が部屋を出ていくと、愛美はパジャマ姿のままで、キッチンでコーヒーを淹れていた。
「おはよう」
「おはよう、お父さん、早いね。」
時計を見た。5時50分。
「全然早くないよ。いつもなら5時前には起きる。お前は、どうしたんだ?」
「私、昨日ストレッチをしてなかったんで、さっきまでやってたの。ベランダで。今からシャワーを浴びるわ。」
「そうか、じ
一休さんとゆかいな仲間たち 第2回
本編を、ご覧いただく前に少しだけ寄り道。
さて、本編へと行く前に。
これからお届けします、
今回のお話の中で、
本編ナレーションにおいて、
説明がありますが、
この後、アニメ「一休さん」の、
長い長いお話において、
「そもさん」「せっぱ」という、
やりとりが、色々な場面で、
色々な人たちの間で、
日常のように、行われる事になります。
ほんの少しだけ、お時間を頂戴いたしまして、
にわかではござい
【映画感想文】「欲望の三角形」で男同士がホモソーシャルに球を打ち合うサイコーに痺れるテニス映画だった! - 『チャレンジャーズ』監督:ルカ・グァダニーノ
先日、BlueSkyで『ドライブアウェイ・ドールズ』の感想を投稿したら、他にも「サイコー」な映画があるよと教えてもらった。
それが『チャレンジャーズ』だった。
一応、予告編は見ていて、テニスを題材にした映画なんだということは知っていた。ただ、勝手にスポーツものと思い込み、スルーしていた。
ところが、調べてみれば、監督はイタリアのルカ・グァダニーノじゃないか!
この人は『ミラノ、愛