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「自分らしさ」の見つけ方とは? 3つの構成要素から考える自己理解のアプローチ

「なるほど、この3要素の掛け合わせが『自分らしさ』ということか」

先日、「オリジナルズ」という書籍からの学びを記事にしました。人と違うことを生み出すためのマインドセットについて整理しました。

この記事の中には、以下のようなくだりがあります。

「結果」よりも「人のらしさ」にウェイトを置く
オリジナルな人は「自分らしさ」を常に考えて行動しています。オリジナルな人は「結果の論理」ではなく「妥当性の論理」を使ってものごとを考えていると言います。
 〇結果の論理:この状況だと、どうすべきなのか?
 〇妥当性の論理:自分だったら、何ができるか?

妥当性の論理に立つと、「自分の感覚」を軸に行動することができます。結果の論理にこだわると「べき論」が先に立ってしまい、安全性やルールを守ることを先に優先してしまいます。これは「人と違う」新しいアイデアを消しかねません。「自分が自分らしくいる」そのために何ができるのかを考えることがオリジナルな人に一歩近づけるアプローチなのかもしれません。

この記事を書いた後、「自分らしくいるとはどういうことなのか?」と次の疑問が浮かびました。そんな時に、気づきを与えてくれる1冊の本に出合いました。

「自分の軸を見つけたい」、「 自分探しの旅から解放されたい」、「自己理解を深めたい」そんな方にはぜひおすすめの一冊です。

「自分らしさ」の構成要素とは

「自分らしさ」という言葉は非常にぼんやりしていますね。なかなか掴みどころのない言葉です。言葉の意味を調べるとこんな説明があります。

『自分らしさ』
自分の価値観を大切にして、自然体で言動が行えることです。 「らしさ」はそれ自体の特徴がよくわかる状態。 それに自分がつくので、自分らしさとは自分の特徴がよく現れている状態とも言えるでしょう。 自分らしさに似た類語として、個性・ 持ち味・キャラクター・独自性などがあります。

「それ自体の特徴がよくわかる状態」、なるほど分かったようなわからないような表現ですね。「自分」を題材にして考えるとちょっと難しく感じます。例えば、自分の周りにいる人で考えてみましょう。一番親しくしている人を想像して「〇〇さんらしいなぁ」と言葉にする時、その人はどんな状態でしょうか。他の人にはなくその人だけにある個性が表出していて、しかもその行為を無意識に自然体に行えている瞬間に「〇〇さんらしいなぁ」と言ってしまうのだと思います。

「自分らしさ」はそこに「自分」がつくので、「自分の価値観」が加わって来るイメージです。少しイメージがつきましたが、まだぼやっとした感じもしますね。

この「自分らしい」という概念を構造的に分かりやすく説明してくれているのが「世界一やさしい『やりたいこと』の見つけ方」という本。自己分析の本って世の中に無数にありますが、この本は群を抜いて分かりやすい内容です。本の流れに沿って自分の考えをメモしていくことで、自分という人間がどんな人間で、何を大切にしているのかが分かっていくのは面白い体験です。おススメです。

この本には「自分らしさ」は3つの要素で構成されていると説きます。

・好きなこと(情熱)
・得意なこと(才能)
・大事にしていること(価値観)


これら3つの円が重なった中心の部分を「自分らしさ」と言います。3つを満たせている状態で日々を送れることが「自分らしい毎日を生きている」ということです。理想的な状態ですね。

一方で、1つでも要素が欠けていしまうとそれは「自分らしく」ないと言えます。欠けている状態をイメージするとこんな感じでしょうか。

・好きなこと(情熱)の欠如=面白さを感じられない
・得意なこと(才能)の欠如=うまく前に進まない
・大事にしていること(価値観)の欠如=虚無感、先々への不安

これら3つの要素をいかに満たした状態をキープするかが「自分らしく」いられるかの鍵を握ります。

好きなこと(情熱)

その行為自体に価値を感じることです。人生を豊かにしてくれると感じることや、時間を忘れて夢中になってしまうことなど。誰かに言われたからではなく、自然と自分で勝ってのめり込んでしまうようなことですね。

あくまで主体は「自分」です。他の誰かと比べて、というものではなく、相対的にではなく絶対的な感覚です。主観で「これは価値がある」「これは面白い」「夢中になる」「楽しい」と感じることが好きなことです。

これは言い換えると「情熱」とも表現できます。自分の内側から燃え上がる炎のような熱いパッションですね。

見つけるための問い:誰がなんと言おう自分が好きなことって何だろうか?

得意なこと(才能)

先ほどの好きなことは「絶対的」な物だったのに対し、得意なことは人と比べて得意なことという「相対的」にうまくできることです。他の人はウンウン言いながらうまくやれないことでも自分は何の努力もなくサラリとやれてしまうこと、誰しも一つや二つあるのではないでしょうか。

頑張って何とかできるものではなく、自然に、スイスイ、ストレスなく、できてしまうこと。これは実は結構見つけるのが難しいです。なぜなら、それは自分はさらりとやってのけることができることなので、ほぼ無意識にできちゃっていることだからです。

自分にとっては当たり前すぎて気付かない。これに気付くには周りの人の力を借りるのがよいです。自分の強み、長けていることについて、身近な人に聞いてみましょう。自己認識でよく引き合いに出される考え方としてジョハリの窓があります。この表の右上の象限が正に「得意なこと」が隠れている可能性ある象限です。

序針の窓

なかなか自分では気づけない領域なので、身近な人の力を借りるか、テストなどを使って調べることもできます。有名なのはストレングスファインダー。これは私も自分の強みを知る上で非常に役に立ちました。こちらもおすすめです。「自分にはこんな素養があるのか!」と、気づきがたくさんありました。とてもおススメです。

見つけるための問い:人に対して「簡単なのになぜできないの?」と思うことは何だろう?

大事にしていること(価値観)

「価値観」とも言います。自分が魅力的に感じる考え方のこと。こんな風に生きたいという理想の生き方を構成しているものなど。

価値観を明確にしておくと複数の選択肢が自分の眼の前に現れた時に、自分に本当に必要なものを選ぶことが出来るようになります。先日、この価値観について考えを整理したところでした。この記事の中では「自分だけのモノサシ」という言葉で表現していました。合わせてご参考ください。

見つけるための問い:生きる上で最も大事にしたいことは何だろうか?

「やりたいこと」と「自分らしいこと」の違い

私が今回ご紹介した本の中で一番「なるほど!」と思えたのがこの「価値観」の扱い方です。「やりたいこと」は実は2つの要素で構成されます。

やりたいこと = 好きなこと ✖ 得意なこと

つまり3つの要素の2つの掛算が「やりたいこと」であり、仕事でいうと「やりたい仕事」となります。しかし、これは「自分らしいこと」ではないと筆者は説きます。

例えば仕事で成功している人がいるとします。好きなことに取り組み、そこに自分の強みを活かし、結果成功を収めている。一見するとその人らしさを発揮できているように見えます。しかし、実はその人が人生で大切にしたい価値観がそこに込められていなかったとしたら、どうでしょうか。自分にとって大事なことが込められていない、もしくは自分にとって何が大事か分かっていないままその仕事を続け、後になって大事なものを失っていた、時間だけが過ぎていた、ということ考えられます。その人生は自分らしい人生だったとは振り返られないでしょう。

好きなことと得意なことが満たされていれば「やりたい仕事」にはなりますが、そこに「価値観」を掛け算しなければ、真の「自分らしい生き方」にはならないということです。

ちなにみに、私が大切にしている価値観は「新しい経験で自分をアップデートする」ということです。私の場合はたとえ、好きで、自分の強みのスキルが活かせる仕事だったとしても「新しい経験で自分がアップデートする要素」がなければその仕事は自分らしい仕事ではないということになります。これには改めて考えてみても「確かにそうかも」と納得させられました。

3要素を組み合わせる優先順位

「自分らしい状態」とは好きなこと、得意なこと、大事なこと、これら3つの要素が全て満たせている状態です。この3つの要素にも重要視するべき優先順位があります。

まず、何よりも最優先すべきは「好きなこと」です。他人が何と言おうと、自分の絶対的な価値観でコレと思う何かを大切にすること。これは言い換えれば「自分を最優先する」ということであり、「自分で自分を幸せにする覚悟を持つ」と言えるのではないでしょうか。

そして次に「得意なこと」を活かす。「好きなこと」を「得意なこと」を武器に使いながら仕事にしていくことが「やりたい仕事」への近道です。そして、その仕事をする上で最後に確認するのが「大事なこと」です。自分の価値観に沿った内容の仕事かを考える。もし今そうでなかったならば、その価値観に沿うように仕事を選ぶ、調整する努力をすべきです。

こうして自分の価値観に嘘をつかずにやりたい仕事に向き合っている時、はじめて「自分らしい仕事」に取り組んでいる状態といえるのではないでしょうか。

まとめ

「自分らしさ」というなかなか掴みどころのない概念を構造化して理解するとより自分という人間がどんな人なのかを知ることができます。今回ご紹介した書籍はその上で本当に役立つ一冊です。今回ご紹介しきれていないことも多いので、是非一度読まれることをおすすめします。人生のターニングポイントになるかもしれません。

今回「自分らしさ」を「好きなこと(情熱)」「得意なこと(才能)」「大事にしていること(価値観)」という極めてシンプルな構造で理解することができました。そして、これらを考える順番についても優先順位があります。まず大切にすべきは「好きなこと=自分中心」です。この考え方は大切にしたいと思います。

「自分らしさ」が見つからない場合、焦ってしまいがちですが、自分らしい生き方は試行錯誤を重ねながら徐々に理想に近づいていくものかなとも思います。たとえ今この瞬間が理想の状態になっていなかったとしても、その理想に近づける工夫を日々続けることに意味があるのかなとも思います。

思うに、「自分らしさとは何か?」や「自分らしくいるとは?」と自問することはひいては「自分の人生を大切にする」ということなのではないかと思います。忙しい日々の中で、時には立ち止まって自分に問いかける時間を持って行きたいなと思います。

そして、その「自分らしい状態」も日々変わっていくと思います。それは環境変化からも影響を受けるでしょう。例えばコロナ前のちょうど1年前に考えた「自分らしさ」と、今とでは大きく違っているように思います。

「自分らしさ」自体もアップデートして、更新していけると良いですね。その軌跡は自分の成長の軌跡なのかもしれません。

2021年もはじまったばかりです。今一度自分の「らしさ」と向き合い、真の自分らしさを手に入れる一年にしましょう。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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