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SNSとの上手な付き合い方とは? スマホ脳から脱却するmake timeのヒント

「それぞれの個性を理解して、自分の判断で『選ぶ』『手放す』ことが大切ということか…」

みなさんのスマホには無数にアプリが入っているかと思います。その中でも最も時間を消費しているのがSNSではないでしょうか。iPhoneにはスクリーンタイムという機能があり、自分がどんなアプリを何時間使っているのかがすぐに分かります。確認するとゾッとしますよね。

最近、ベストセラーになっている「スマホ脳」という書籍は、正にこの依存症ともとれるスマホとの関係に警鐘を鳴らす一冊。

この本から学び、改めてスマホとの付き合い方を見直し、心身ともにヘルシーに過ごす工夫を考えます。

計算されたスマホ依存

精神科医のアンデシュ・ハンセン氏がスマートフォンによる健康への悪影響を切実に語った一冊、『スマホ脳』が人気ですね。読んだ方も多いと思います。「S・ジョブズはわが子になぜiPadを触らせなかったのか?」という帯の一言は関心を引きますね。知らない間にあなたの脳はスマホに毒されて行っているという内容です。まだ読んでいない方は是非一読することをおすすめします。

この一冊のショッキングな事実をピックアップすると例えばこんな一説です。

スマホのアプリは、最新の脳科学研究に基づき、脳に快楽物質を放出する〈報酬系〉の仕組みを利用して開発されている。
フェイスブックの「いいね! 」の開発者は、「SNSの依存性の高さはヘロインに匹敵する」と発言している。

なんとも恐ろしい事実ですね。作り手は脳内麻薬、依存といったことを計算してスマホ依存に意図的にしてきているのです。これは対策を講じなければ放っておくと健康でいられなくなりますね。

また、この本以上に私が衝撃を受けた一冊があります。それが『時間術大全』。この本は「生産性高く日々暮らしたい」と思っている人に、有益な気付きを大量に与えてくれる一冊です。前述の『スマホ脳』はサラッと読める内容ですが、この『時間術大全』は何度も読んで学習するバイブル的な位置づけ。実際に取り入れたいメソッドがてんこ盛りですので、超おススメの一冊です。

この本は元Googleジェイク・ナップ氏、元YouTubeジョン・ゼラツキー氏の2人による「自分の時間をデザインする方法」がまとめられた1冊です。

いずれも、無限にサーフィンしてしまう時間泥棒の権化ともいうべき世界的2大企業出身の彼らが「人の時間を奪うメカニズム」を解き明かした一冊でもあります。手の内を明かしながら、その対策を丁寧に説明してくれています。

アップルによれば、平均的なiPhoneユーザーは1日に80回もロックを解除するとのこと。また、消費者リサーチ会社の2016年の調査によると1日にスマホを触る平均回数は2617回というデータもあります。仮に1日24時間の内、睡眠7時間を抜いた17時間を活動時間とすると1分あたり2.6回…。めちゃ恐ろしい数字ですね。

もはや、触り続けているのがデフォルトになっている、いや「取り憑かれている」とも言える状態です。この先の人生、ずっとスマホに時間を奪われるのか。本当にこのままでよいのか…。スマホとの付き合い方を真剣に考え直すべきですね。

「人類の習性」を巧みに利用するスマホ

スマホが気になってしまう根本的な原因は「人類のルーツ」にあります。遠い昔、まだ人類が狩猟民族だった時代まで遡ります。

生きるか死ぬかのサバイバルの中、自分の身に襲い掛かる危険を回避しなければなりません。そこから「いたる所に注意を向ける」という習性が人には宿っています。

この習性を巧みに活用しているのが「通知機能」。スマホは注意を向けるための通知機能が異常なほどに優れています。あらゆるアプリからひっきりなしに、情報の重要度に関係なく通知が届きます。我々の注意は奪われっぱなしです。

さらに、人類には「予測できない見返りを喜ぶ」という習性も持っています。狩猟民族時代、毎日獲物がとれるわけではありませんでした。獲物がとれない日々が続いても、次は大きな獲物がとれるかも知れないと期待して、日々見返りを期待しながら生活していました。そして獲物がとれた時に喜びを爆発させる。

この習性に巧みに働きかけてくるのが「イイネ」という機能。いつもよりも多いイイネをもらえると嬉しいですよね。脳には報酬系という仕組みがあり、快楽物質ドーパミンが分泌されます。このドーパミンは成果の有無にかかわらず期待しただけで分泌されることが分かっています。

つまり、通知音が鳴るだけで、内容を見る前からドーパミンが出て快楽を覚えているということ。こうした脳の報酬系を弄ぶサービスを「ドーパミンハイジャック」といいます。近年のSNS、ゲームにはドラッグのような中毒性があり、抜けられなくなる危険があります。

さらに人間はゴシップが大好きです。これも狩猟民族時代にルーツがあります。古代の人達は部族同士で戦うこともありました。その時に集団で結束し生きていく事が求められます。その集団の中で社会的地位を求めた。こうした習性にアプローチして来るのが「フォロワー」という機能。

このように通知で注意を奪われ、イイネでドーパミンを操られ、フォロワー数増やしに夢中になってしまう。人間に宿っている本能に働きかけて来るので、意思で何とかなる相手ではありません。

SNSを使えば使うほど「孤独」に

SNSはボタンひとつで世界の20億人のユーザーと繋がれる夢のサービスです。便利か不便かというと極めて便利なツール。一方で我々はこの便利なツールで果たして社交的になっているのでしょうか。

約2000人規模で実施したアメリカでの調査では、SNSを熱心に利用している人たちのほうが「孤独」を感じていることがわかったそうです。またフェイスブックに関する調査では、「現実(リアル)に」人と会う人ほど幸福感が増え、一方でフェイスブックに時間を使うほど幸福感が減ったという調査結果もあります。

SNSを使って「たくさんの人と接している」というのは事実です。問題はその接している「情報の質」にありそうです。皆がいかに幸せでキラキラした時間を過ごしているかというリア充情報を大量に浴びせかけられて、自分を低く見てしまい、孤独な人間だと感じてしまうことがその背景にありそうです。

幸福感とは相対的な「感覚」で感じてしまうケースがあります。常に他人と自分を比較することで、SNSを通じて自信を無くさせているのではないでしょうか。実際、調査によるとフェイスブックとツイッターのユーザーの3分の2が「自分なんかダメだ」と感じているそうです。

SNSの時間を減らすmake time術

SNSの使用を制限したある実験によると、被験者たちがSNSを完全にオフにしたわけではなく、時間を制限しただけで調子が良くなったそうです。「使わない方が健康になる」。この結果からも、SNSがいかに不健康なツールなのかが分かりますね。

先にご紹介した『時間術大全』という本にはmake time術として具体的なメソッドを紹介してくれています。

具体的には以下の4つのステップです。

1.ハイライト(最優先事項、やる事を決める)
2.レーザー(集中)
3.チャージ(補給)
4.チューニング(振り返る)

詳細については是非本をご一読いただくのをおすすめしますが、特に「2.レーザー(集中)」ではスマホを徹底的に不便にするアプローチが語られています。その内容がこちら。

①ゲーム、SNS、不要なアプリを徹底削除
②メールアカウント、ウェブブラウザも断捨離
③アプリは毎回ログアウト
④通知のOFF
⑤ホーム画面空にする
⑥一画面あたり一列にする
⑦毎朝のアプリ巡回をやめる
⑧ニュースは惰性で見ない、まとめて見る
⑨テレビとお別れする、カバーをかける 

なんともスパルタな内容ですね。全てはできないかもしれませんが、できるところからやってみましょう。特にオススメは④通知のオフ。これは効果抜群です。

私もほぼすべてのアプリの通知をオフにしています。これでスマホを触る時間は圧倒的に減りました。そして、スマホにコントロールされるのではなく、自分で時間をコントロールできるようになっていく様に思います。

まとめ

スマートフォンという名の通り、我々にスマートな生活をサポートしてくれるのがスマホです。しかし、人生の大切な時間を巧みに奪っていく怖い存在でもあります。さらにSNSというアプリは意図的に計算して我々の時間に浸食し、依存させていく恐ろしい側面があります。

その巧みさは本能にアプローチしてくるので「意思」だけでは太刀打ちできません。必要に応じて「選び」時には「手放す(断つ)」ことも必要です。上手に付き合っていく事が大切ですね。

私はスマホのアプリを見直し、画面の上3段しかアイコンを置かないようにしています。つまり、大半のスペースが空白の「背景」になっています。またページによってはアイコンが3つだけのページもあります。シンプルに断捨離し、通知機能をオフにすることで、スマホ依存からの脱却を図っています。

これを実際にやって感じたのは「承認欲求から解放された感覚」です。アドラー心理学では承認欲求を捨てる事が幸せへの近道であると説きます。誰かからのレスポンスに一喜一憂して振り回されずに、自分がやりたいことに専念する。通知機能のオフはその最初の一歩なのかもしれません。

「スマホ脳からニンゲン脳へ」戻る工夫をしましょう。

上手にスマホと向き合い「スマートに使いこなす生活」を取り戻せると良いですね。これから先の健康な生活のために。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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