マガジンのカバー画像

食の不安&こじらせ解消編~キケン情報バスターズ~

24
ちまたに溢れる“食の情報”。みな閲覧数稼ぎたいがために、流行りのコトバで大袈裟に専門家のようにアブナイキケンと好き勝手なことを言います。さも本当かのように誇張されたチープで根拠レ…
運営しているクリエイター

#有機農業

農薬不使用の栽培/食材普及を政策に嵌め込むのは無理筋【八百屋から見た“食”no.51】

農薬不使用の栽培/食材普及を政策に嵌め込むのは無理筋【八百屋から見た“食”no.51】

農薬を使わない栽培の最もプラスな点は【味が素直(≒品種・農地の特性・肥培管理に対して正直)】なこと。これ以外ないと言っていいです。

慣行農法との比較を各種記事で見かけますが、環境負荷面で優位かと言われると微妙です。病害虫を物理的に避ける際に使う農業資材は(トンネル・マルチ・ビニールハウスetc.)一緒。燃料も石油資材も使います。農薬に頼れない分、農業資材を慣行農法より多く使う場面もあり、大差ない

もっとみる
美味しいくだものは生産者から直接買おう【八百屋からみた“食”no.38】

美味しいくだものは生産者から直接買おう【八百屋からみた“食”no.38】

果樹(≒樹木で実るくだもの)の今後は本当に厳しいです。

◆異常気象(暖冬の開花異常・遅霜の枝花凍結・台風の風水塩害・夏秋の高温多湿&病害)
◆流行病・ウイルスによる伐採。高温耐性&耐病品種への植え替え
◆カメムシの越冬と大量繁殖(全項目中、最も地味で最もキツイ)
◆生産者高齢化による労働力不足&廃業(継いでも未来が見込めない)
◆大幅な需要減(贈答文化の消滅+今まで食べていたご年配層が噛めなく剥

もっとみる
安全に食べる=農薬&肥料の使用不使用“ではない”話。【八百屋から見た“食”no.13】

安全に食べる=農薬&肥料の使用不使用“ではない”話。【八百屋から見た“食”no.13】

栽培期間に起こり得るあらゆる病害・虫害・天候不順を経験されながらも、いわゆる栽培時農薬不使用(≒オーガニック・無農薬)の生産者皆さんのポリシー。敬意しかありません。美味しい状態にまで仕上げ、当店に出荷される農薬/化肥不使用の生産者も多数いらっしゃいます。お世話になってます。

しかし“病気治す効果”とか
“栄養価高い”とか
“安全に生で食べれる”とか
栽培時農薬不使用という事実に関係しない『変なユ

もっとみる
こだわりより大切なのは【八百屋から見た食no.18】

こだわりより大切なのは【八百屋から見た食no.18】

有機JASとか
○○不使用とか
〇〇栽培とか
自然○○とか
無とか減とか。

何を志向してもこだわっても構わないけど

出荷側の冷蔵庫で
店の売場で
通販のセンター内で
自宅の冷蔵庫で

時間経つと劣化する。
外見も栄養価も食味も食感もダメにして
付加価値とか手間暇とか丁寧とか
安全とか安心とか〇〇治すとか

カネかけた意味が
あなたのコダワリ自体が消滅して元も子もなくなる。

生産者も販売者も通

もっとみる
お子さんに安全な野菜を食べさせたい。【八百屋から見た“食”no.21】

お子さんに安全な野菜を食べさせたい。【八百屋から見た“食”no.21】

というご要望を慣用句レベルでいただくのですが、
仮に生育時の農薬使用があったとして、散布終了→生育→収穫→袋詰め箱詰めor貯蔵(商品化)→出荷→陳列購入と相応の時を経ます。「お子さんが安全に食べる」という観点からは【買う時点での農薬使用不使用は関与が極端に低い】ことをお知らせいたします。

農薬使った使わないを気に掛け、無農薬と言われる野菜を揃えたとして、
土埃に付着する雑菌とウイルスの問題、固形

もっとみる
オーガニック⇔慣行農業は対立しない。比較・優劣・区別する人達は時代遅れ【八百屋から見た“食”no.35】

オーガニック⇔慣行農業は対立しない。比較・優劣・区別する人達は時代遅れ【八百屋から見た“食”no.35】

いわゆる“オーガニック農業/農産物”を10項目にまとめます

(慣行農業と比べ)
①石油資材&動力使用は減らない。地球環境に優しいとはいえない。
②生態系に優しいが、生育中の植物に対して悪さもする。
③栽培条件(生育適期/地域/地質/水/温度/日照≒旬)に合う品目品種がメイン。
④栽培条件に合わない品目品種の栽培は困難。技術力と天候と運。
⑤栽培条件&品種特性&技術投入に対し、出来&味が素直。良く

もっとみる
オーガニック給食推進。農業や給食製造現場を1回でも体験してから言いましょうよ。【八百屋から見た“食”no.30】

オーガニック給食推進。農業や給食製造現場を1回でも体験してから言いましょうよ。【八百屋から見た“食”no.30】

こんな記事が上がっていました。

議員さん、暇なんですかね。
それとも画面の見過ぎなのか煽られ過ぎなのか。

国は「国民が飢えないこと」が食料安全保障の第一義のはず。
農薬や肥料は、植物が健康に育つための処置。どんな天候/環境下でも作れるよう、栽培品目ごとに人間の処方箋以上に細かく細かく細かく厳格にルール設定されているのが現在の栽培環境における農薬使用です。

給食(食事)で回避すべき“要素”はア

もっとみる
「食の安心」は、あなたの心の中に。【八百屋から見た“食”no.31】

「食の安心」は、あなたの心の中に。【八百屋から見た“食”no.31】

はっきり申し上げます。
私が仕事する“食・農の世界”に限定すれば

『安全』はお伝えできても
『安心』はあなた次第です。
===
記事見てやきもきして
動画見てそわそわして
ナニカ知った気になって
(明確に言えないけど)食べ物が不安だ・農薬使用が不安だとまくしたてる一見さん、まぁまぁウチの八百屋に(いわゆる自然食品店と勘違いして)来ます。月1~2人くらいでしょうか。

どこかで見た怪情報をもとに「

もっとみる