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矢向(やむかい)の作品紹介 ~小説

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矢向が公開している小説作品を、関連する音楽や小ネタ、創作論(のようなもの)と一緒にご紹介します。
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記事一覧

走馬灯で聴きたいあれこれ7選

走馬灯で聴きたいあれこれ7選

出棺曲なら平沢進『オーロラ3』がいいけれど でも、自分のお葬式って(生前葬でもしない限りは)自分は参加も開催も出来ないじゃありませんか。自分ではない誰かに頼らざるを得ないので。だもんで、葬式で流したい曲って特段ないんですよね。自分が聴けなかったら悔しいじゃありませんか……。

※『オーロラ3』はこちらに収録されています👇

 人生の終わり、自分の意志で何とかなりそうなものと言えばそう、走馬灯です

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西洋風異世界ファンタジー小説を考える時頼りになるあれこれ

西洋風異世界ファンタジー小説を考える時頼りになるあれこれ

はじめに 西洋風の異世界ファンタジーはお好きですか? この手のコンテンツは大人気ですから、よく目にしますよね。小説やゲーム、映画にドラマ……。
 こうした世界観にたくさん触れている方は、自然と「自分も西洋風異世界ファンタジーのお話を書いてみよう!」と思い立ち、すらすらと世界観を考えられるのかもしれません。

 ところがどっこい。

 私は今まで、ほとんど西洋風の異世界ファンタジーに接して来ませんで

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いい香りがする物語|私の作品紹介(小説)

いい香りがする物語|私の作品紹介(小説)

 2023/4/4に、カクヨムで更新していた『ライト薬局へようこそ ~香りと恋のご相談、承ります』という、どこかの石畳の街を舞台にした青春お仕事恋愛小説が完結しました。
(※追記:現在は非公開)
 「賢いヒロイン」中編コンテストに参加しようと思って書いた中編作で、私が書く物の中では比較的明るめ・王道恋愛小説といったところに該当すると思います。

『ライト薬局へようこそ ~香りと恋のご相談、承ります

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受賞作がpixivノベルに掲載されました

受賞作がpixivノベルに掲載されました

 先日、大変嬉しいことにpixivノベル大賞~2022 Autumn~にて拙作『冬の国に咲くイポメア・ニルは』がpixivノベル賞を頂きました。
 そして無事、本日(2023/3/27)からpixivノベルで本作の掲載が始まりましたので、ご紹介させていただきます。

 今回のコンテストは趣向が変わっていて、表紙として指定されているイラストを元に小説を考えるというものでした。指定されたイラスト(全4

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気付いたら甘い物ばかり書いていた|私の作品紹介(小説)

気付いたら甘い物ばかり書いていた|私の作品紹介(小説)

 そこまで甘党ではなかったはず。そして、お話を書く時に食事のシーンを忘れがち。私はそう自覚していました。

 でも、ここ最近を振り返るとなぜか甘い物がメインで登場する小説をよく書いていたので、どんな甘い物でお話を書いていたのかまとめておこうと思いました。それだけでは寂しいので、作品に関連する甘い物も一緒に書き添えてあります。

タピオカとマリトッツォ「さきちゃんの受難」
現代ファンタジー / 1話

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「さきちゃんの受難」に出てくる妖怪たち ~私の作品紹介(小説)

「さきちゃんの受難」に出てくる妖怪たち ~私の作品紹介(小説)

 もうすぐハロウィンですね。ハロウィンは元々海外の行事ですので、どうしても西洋のお化けやモンスターのことを思い浮かべるものですが、日本にも興味深く面白い“人ならざるもの”がたくさんいます!
 そんな私の気持ちを、拙作のご紹介を通して皆さんにお届け頂ければと思います。

 私は以前、妖怪×ガールズトークの青春短編作品「さきちゃんの受難」をカクヨムで公開しました。(※現在は非公開)

 自分としては、

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珍しくイメージした曲があるドキュメンタリー・ファンタジー ~私の作品紹介(小説)

珍しくイメージした曲があるドキュメンタリー・ファンタジー ~私の作品紹介(小説)

 私は音楽が好きすぎるため、反対にお話を書く時はあまり音楽を聞かないようにしています。なぜなら、書くのをやめて音楽を聴いてしまうのと、歌詞や楽曲の世界観に引っ張られてしまう可能性があるから。

 そんな私ですが、ごく稀に作品と音楽が結びつくことがあります。その一例がこちらです。

「アオイのすべて 〜第四十一代司教に係る司教記録本」

 本作は、“クアドラート”という街の新聞記者・エミリアが、教会

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物語の季節が秋ばかり ~私の作品紹介(小説)

物語の季節が秋ばかり ~私の作品紹介(小説)

 あなたには、好きな季節はあるだろうか?私はある。秋が好きだ。そのせいか、無意識に物語を書いていると、だいたいの場合季節が秋〜冬の設定になっていることが多い。
 自分にとって、秋は割とテンションが上がるというか、そわそわわくわくする季節だ。苦手な夏が終わり、冬が近づき、空は青が高くなり、過ごしやすい天気が続き、美味しい食べ物が増え紅葉は綺麗で、年末ほどの忙しなさもない。最高の時期だ。
 秋はいい。

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母の日なので母と子の物語を ~私の作品紹介(小説)

母の日なので母と子の物語を ~私の作品紹介(小説)

 さてさて。今回は、2022年の母の日を祝して、拙作の中で母と子を描いたお話を3作品ご紹介しようと思います。

やさしい崩壊(中編/SF) こちらは、拙作で一番「母と子」をストレートに表現したお話。私の「建物っていいよね!」という気持ちがそこかしこに詰まっている。

この夏の、延長線上で(中編/現代ファンタジー) 主な話題は「父と娘」だけれど、「伴侶を失った母と父を失った娘」、「伴侶に先立たれた母

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友達に自作品を見せるという行為 ~私の作品紹介(小説)

友達に自作品を見せるという行為 ~私の作品紹介(小説)

 以前、ちょっとしたきっかけがあって付き合いの長い友人Aに自作品を見せることがあった。見せたのは『この夏の、延長線上で』、公開ページを伝えたらすぐ読んでくれた。

 今回は作品紹介という名目で、この作品を友人Aに見せた時に気付いたことをお話したいと思う。

友達に自作品を見せるという行為 この、友達に自作品を見せるという行為は、結構勇気のいることだ。私が執筆活動を始めた小学一年生の頃は、こんな風に

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登場人物の香り ~私の作品紹介(小説)

登場人物の香り ~私の作品紹介(小説)

 映像作品でも、小説でも、直接できない表現。それが、「香り」だ。
 私自身は、ここ数年香水が好きで、香りだけでなくその香りのコンセプトなんかも楽しんでいるのだけれど。とにかく、香りというのは目に見えないし触れるものでもなく、人によって受け取り方が変わるので、表現するのが難しい。

 とは言え私は、自作品の中でほとんど、「登場人物から香りがする」という表現をしてこなかった。物語の中で、香りの表現に意

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音楽、どこで聴く? ~私の作品紹介(小説)

音楽、どこで聴く? ~私の作品紹介(小説)

 私は音楽好きですが作曲は出来ません。その代わり、私が書く小説にはよく音楽が登場します。
 そこで今回は、“どんな音楽がどこで流れているか”の観点で拙作をご紹介します。まだまだライブに気軽に参加出来ない時期ですし、拙作内に出てきた音楽と場所について振り返りつつ、実在する音楽を聴ける場所へ想いを馳せてみましょう。
 あなたが一番行ってみたい/演奏してみたい場所はどこですか?

●讃美歌を礼拝堂で「ア

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