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続ちょこっとひとこと

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故郷・神戸に戻り、今を綴るもまだまだヨチヨチのエッセイ集。
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2021年4月の記事一覧

昨日は父の誕生日でした。昭和10年生まれだから86歳。
11月に母が亡くなったから、父はそれからずっと一人ぼっち。仕事帰りにできるだけ寄って話をするようにしてますが、それでも淋しいですよね。
昨日は兄が寄って赤飯でお祝いしたらしいです。粋なことやってくれはる☆

世の中には客観的事実などこれっぽっちもない

世の中には客観的事実などこれっぽっちもない

ある集まりでこんなグラフを目にした。
厚労省が発表した2020年1月~9月の死因別の死亡数を集計し、前年同期と比較したグラフだ。
日経新聞が2/22の記事に載せたものらしい。

このグラフを見てどう感じるかは人によって大きく違うだろう。
ポジティブ、ネガティブ、さまざまな感想があるに違いない。

このグラフ、毎日目にする感染者数の推移グラフとは視点がまるで異なることは、見てすぐ分かる。
それゆえ、

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自称神戸育ちの語る塩屋

自称神戸育ちの語る塩屋

自称明石出身の語る明石については以前書いた。

しかしその明石暮らしも10歳まで。
兄の高校進学に合わせ、神戸に引っ越した。
プロフィールの「神戸育ち」は、この10歳からの神戸暮らしを指している。
もっとも多感な時期の始まりだ。

***

小4の夏休み、神戸市垂水区の塩屋に引っ越した。
明石との位置関係、真の出生地である加古川との位置関係はこのとおり。

塩屋とはこんな町だ。

塩屋(©神戸観光

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鮮やかに、笑顔とともに心にしっかりと刻まれている

鮮やかに、笑顔とともに心にしっかりと刻まれている

今から12年前、あっけなく親友を亡くした。

ケータイに彼からの着信が入る。
当時なんとなく疎遠になっていた彼からの着信を僕は無視した。
しかしその着信は、彼が亡くなったことを伝える彼の母親からの電話だったと、後になって知った。

***

彼とは大学時代からの、いや、その少し前からの知り合いだった。
明石の純朴な少年だった彼とは、何気なく話して馬が合った。
自分も明石出身だと告げると、彼は喜んだ

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懐かしい味わい、炭酸せんべい

懐かしい味わい、炭酸せんべい

先日の白あんメロンパンに続いて、子供の頃から慣れ親しんだ大好物、炭酸せんべいを紹介しよう。
炭酸せんべいは神戸・有馬温泉の名物だ。

有馬温泉の名は多くの人が耳にしたことがあると思うが、「日本三古泉」かつ「日本三名泉」であり、江戸時代には温泉番付で堂々、西の最高位だ。
タオルがすぐ染まってしまうほど濃厚な「金泉」が有名。
足湯からもその濃さが分かる。

湧き出た直後は無色透明だが、豊富に含まれる鉄

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きょうりゅうたんけんたい

きょうりゅうたんけんたい

人生で初めて描いた漫画は『きょうりゅうたんけんたい』という。

日付を見ると昭和51年11月17日、6歳の時の作品だ。
ジャポニカ学習帳〈じゆうちょう〉の1ページ目に描いた。

しかしよく見てみると、タイトルのコマに「2」とあるうえ、最初のコマに「まえの……1こま」とある。

どうやらこれ以前に描いたのがあったらしい。
子供の頃の作品はすべて残しているつもりだったのに、手元にないということはチラシ

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やはり「働いたからお金をもらう」であるべきだ

やはり「働いたからお金をもらう」であるべきだ

ここ兵庫県は明日、緊急事態宣言が出るらしい。

そんなん出されたら、もうもたへんわ!

悲鳴にも似た叫びはニュースからでなくとも聞こえてくる。
神戸市とその周辺市町では、今も飲食店は20時まで、酒類も19時までだ。
先日も19時きっかりに店に入ったが、お酒はもうないとお断りをされた。
それがさらに明日から、酒類提供店に休業を要請するという。
それはさすがにもたないに違いない。

休業要請に応じた店

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やばいやばい、勉強しとこ

やばいやばい、勉強しとこ

うちのトイレの壁には結構なんだかんだと賑やかなものが貼りつけてあるのだが、中でもいちばん目に止まるところになにやら1枚の紙が。
便座に座ってちょうど真正面、目の高さの位置。

ん? なんだこれは…?

なんと、動物や植物の英単語集だ。
娘が描いて、貼った。

動植物の英単語って、案外知らないことに気づかされる。
そういえば、野菜の英単語も知らないのが多い。
たぶん試験に出ないから習わなかったのだろ

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できれば具なしが最高だ

できれば具なしが最高だ

雑炊っておいしい。
なぜだか汁にひたったご飯が好きなのだ。
具なんていらない。

お茶漬けしかり、クッパしかり、ネコまんましかり。
味気ないお粥だけは子供の頃苦手としていたが、今は大好きだ。
リゾットのようにぐちゃっとしたのもいい。
おじやは、汁が減るまで火にかけたのが好き。

なぜそういうご飯が好きなのかはよく分からない。
子供の頃、おかず食いだったからだろうか。
いつも最後にご飯だけ残ってしま

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兄とは実にいろんな遊びをした

兄とは実にいろんな遊びをした

また踏んだん? もう! 何しとうねん!

そう言って兄は走るのをやめて歩道の端に寄り、繋いでいた手をほどいて草むらから大きめの葉をちぎって取ってきてくれた。
朝の通学で時間がないなか、僕はたびたび犬の糞を踏んでしまうのだった。

兄、小6。
僕、小1。

遠い記憶では、たしか8:05発の電車に乗れば学校にはぎりぎり間に合うとかで、いつもは余裕を見てできるだけ8:02発のに乗っていたはずだ。
その差

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まずお飲み物からお伺いします

まずお飲み物からお伺いします

昔は〈とりあえずビール〉の時代だった。
大学生のコンパ(死語?)も同様で、店に着いた時点ですでに2人に1本くらいの割合でビールの大瓶がずらりと並べられているのがふつうだった。
今どきの学生には想像もつかないかもしれない。

そんな時代に育ったから、大人になってもまずはビールを選んでいた。
「まずお飲み物からお伺いします」
「とりあえず生!」
生卵とか出てきたらどうすんねん、などと笑いながら。

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神戸元町、まちあるき

神戸元町、まちあるき

昨日、県庁近くの更新センターで、免許の更新をした。
前回更新した時はまだ愛媛に住んでいたから、神戸での更新は初めてだ。
今日を更新の日に選んだ人がこんなにも多いのかと驚いたが、システマチックにテキパキと進む手続きは見ていて小気味よい。

更新のたび顔写真から生気が消える免許証はすぐしまう。
前日とうって変わって気持ちのよい天気だったから、久しぶりに元町界隈を歩いてみたくなって、坂を下る。
更新セン

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雨の日に出かけるのは億劫だ

雨の日に出かけるのは億劫だ

春ってこんなに雨降ったっけ――
最近、家でも会社でも誰かと顔を合わすたび、そんなことを聞いている。
それほどまでに雨が多いように思うのだ。

瀬戸内海に面した神戸は、そもそも雨があまり降らない。
毎日あっけらかんと晴れて、雨って何?という状態も多い。
なのに、このところやたら雨が降っている気がする。

子供の頃は、雨が降ってもイヤと思うことがなかった。
それが今ではどうだ。
やれ靴に水が入る、やれ

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鬼湯

鬼湯

今日も又、27才のM氏は家を出てふろへ行った。
毎日、M氏はよくそうへはいり何かをすっていた。そのことは、だれも気がつかなかった。
M氏は、みょうなことをやりはじめたのであった。せっけんを手から、ポトンとおとしてよくそうに入れたり、おけにお湯を入れ、このふろの主人にかけたりしたのであった。みんなは、「あれ、アホか?」とかいろいろなことをいいあっていた。M氏は、かまわずみょうなことをやりつづけた。主

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