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エッセイ

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未来の世界の何型ロボット?

未来の世界の何型ロボット?

近所のスーパーが、ほぼセルフレジになってしまった。効率化と人件費の抑制が目的なのだろうけれど、なんだか嫌なSFの未来みたいだなと思った。ファミレスの料理をロボットが運んでくる未来になってしまっているからな。

人件費の高騰や人手不足から、ある程度は仕方ないのだろうけれど、人間と人間のやり取りが減ってしまって、機械との対話ばかりが増えると言うのは人情味がないというか味気ない。人と接するのが苦手とか嫌

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いまだよ、いま

いまだよ、いま

戻りたいあの頃なんてなくて、どう転がっていたとしても今の場所に辿り着くか、それより前にくたばっているイメージしかないのだけれど、タイムリープや時間転生みたいな概念がいまだに漫画や小説に出るのは、逆説ではあるが時間に遡及性がないからなのだろうと思う。

タイムマシーンの概念もそうだが、そんなものが実際に存在するとしたら遥か昔に地球は滅びているか、人が人を支配するような今のシステムは無くなってしまうだ

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16年後のひかりのような

16年後のひかりのような

16度目の3/1。syrup16gの解散から、16年の歳月が流れた。時間は流れて僕らは歳をとりというが、16年という歳月が実際に私を現在に運んでくれたというわけだ。

だるい数分があれば、冗談のように溶けるようにすぎる時間があって、その積み重ねとして16年という時間が過ぎた。思春期に夢中で聴いていた偉大なバンドマンたちが空に還り、酔いどれ作家もどこかに消えてしまった。時間は善も悪もなく、ただただ過

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おでんノスタルジア

おでんノスタルジア

晩御飯はレトルトのおでんを食べた。死ぬまでに屋台のおでんが食べてみたかったが、新規で屋台を出す人はあまり多くないようで、ラーメンやら蕎麦を含めて、屋台飯を食べる機会がないまま人生を送ってきてしまった。

私の生息が地方都市だからということもあろうが、店舗型の業態がメインになっていることもあるのだろうな。寒空の下で安酒とおでんなんてものに憧れはするものの、それはシチュエーションに憧れているだけなのか

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言葉で殴る

言葉で殴る

悪意に対しての防御力なり抵抗力が低いのは、一般的に多感とされている10代20代よりも、それ以降の方が強くなった気がしており、日々の中での金属疲労が現れてきているのだろう。

わかりやすい誹謗中傷の類を投げられて、多少気持ちが疲弊しているが、考えてみたら芸能人なり作家さんなり著名人は、その何倍もの好悪を投げつけられたり与えられているわけで、人間そのものが怖くなってしまいそうになる。

言葉は刃物であ

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自然体を偽るよりはぎこちないほうがリアル

自然体を偽るよりはぎこちないほうがリアル

こだわりをもって生きるのは大変に難しいことだが、本人が意図していないこだわりに見えるものは無自覚であるからこそタチが悪く、簡単に捨てることができないから厄介。

例えばコーヒーを飲むのが好きな人が、本人がおいしいものを追求しているだけで外野からはマニアックだったり、こだわりが強い偏屈な人間に思われてしまう様なもの。自分としては当たり前のことが周囲からは奇異に映ってしまうことはある。

結局のところ

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古びたカセット、あたらしいあたま

古びたカセット、あたらしいあたま

先日、カセットテープについての話題が友人との会話にあがったのだが、カセットが覇権を握っていた時代は案外長いのではなかろうか。

私が子供の頃は、ぎりぎりLPが主流だった時代で、そこからCDがメインに切り替わる時代であった。祖父母はステレオカセットでラジオを聴いていて、祖母は細川たかしのカセットを購入していた。今みたいに公式コラみたいになる前のさわやか細川たかしさんであった。

私の青年期はカセット

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音楽はいつもあるくように

音楽はいつもあるくように

音楽を聴くのは好きだ。車の中だけでしか音楽を聞かなくなる人が増える中、私は部屋で音楽を聴いている。

コンポはなくて、Bluetoothスピーカーに携帯端末から音楽を飛ばして聴く。いい機械でしかわからない音楽なんて興味はないし、最近のやつは音も悪くないからうきうきして聴く。

歳月を重ねると、保守的になり、新しい音楽をなかなか聴かなくなるらしいのだが、私はいまだに知らない素敵な音楽が存在しているこ

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読めない空気、読まない本

読めない空気、読まない本

メンタルが不調になると、普段から読めない空気がなおさら読む気がなくなり、無気力に平素な時間を消費してしまう。気力のON/OFFは普段から切り替えが下手なのだが、鬱々とした時には尚更その傾向が強くなる。

それは別に慣れているし、構わないのだが、心身が不穏な状態だと音楽は聴けるが、読書をしても内容があまり頭に入ってこない。普段からインプットの精度が低いのに、混沌期にはそもそもの活字の取り込みが困難に

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モヒカンの朝

モヒカンの朝

髪を切る。数ヶ月ぶりに、伸びていた旧ツーブロック部分を伐採したら、歌舞伎の連獅子のような、モヒカンverの田嶋陽子先生のような髪型になってしまった。

わかりやすい清潔さを求めるのであれば、季節に背いた坊主にすれば良いのだけれど、心身ともに負荷に弱っている身としては清廉さよりも苛烈さを求めてのツーブロック再開であったのだ。

一般的にツーブロックにはチャラさだとか、輩の雰囲気が漂うが、私の場合は世

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たりないこころがむりになる

たりないこころがむりになる

眠剤より安定剤が眠くなるって、成分との相性もあるんだろうけど、ひねくれた体質してんなぁと苦い顔の私です。ショートスリーパーぎみなのは昔からだけれど、高校を卒業するまで21時には寝ていた弊害が出ている気がする。

我が家は祖父母と同居していたので、真夜中に起きているとバーサーカーと化した祖父が叱りつけにやってくるので、せっかく両親が眠ってもピンクな番組を見る事はできなかった。だからと言うわけでもない

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転がるように笑って

転がるように笑って

悲しいニュースが続く。

それを話題に良いことを言おうとするタイプの輩に心が冷えながら、余計なことを考えないように心を凍らせようと試みる。考えすぎると怒りやら悪意が忍び寄る。それは疲弊しかしないから。

SNSという存在が、見知らぬ誰かや反撃できない誰かを攻撃するための武器になってはいかんのよ。その側面もあるだろうが、結局のところ、ツールの使い方を決めるのは人間でしかないわけで、それ自体に善悪はな

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病みあがり闇上がり

病みあがり闇上がり

最近書く詩や小説、あるいは散文的な文章に闇が潜みやすいのは、精神的な浮き沈みばかりではなく、内なる魂が世相から吸い上げた澱をアウトプットしようとしているからなのだろうかと考えた。

物理的な存在ではないので、掃除機のゴミ袋の交換のようにカートリッジごと取り替えることは叶わず、車からオイルを抜き取る際の一滴ごと落ちていくような、冬場の凍結した氷柱がゆるゆると溶けていくような地味で気の遠くなるような事

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Märchen

Märchen

白馬に乗った王子様は、現代で言うとフェラーリに乗った社長なんだろうかと、ふと考えた。
中世の馬→現代の車と定義すると、そんな感じかなと。フェラーリのエンブレムも馬だし、かなり高級な車だから、そう間違ってはいない気はする。

だがしかし、中世の平民は移動手段としての馬を当たり前に持っていたわけではないだろうから、そこを加味するとプライベートジェットを持ったか、あるいはジェットクルーザーを持ったがふさ

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