いまだよ、いま
戻りたいあの頃なんてなくて、どう転がっていたとしても今の場所に辿り着くか、それより前にくたばっているイメージしかないのだけれど、タイムリープや時間転生みたいな概念がいまだに漫画や小説に出るのは、逆説ではあるが時間に遡及性がないからなのだろうと思う。
タイムマシーンの概念もそうだが、そんなものが実際に存在するとしたら遥か昔に地球は滅びているか、人が人を支配するような今のシステムは無くなってしまうだろうし、存在しないと考えるのが妥当だろう。私には人間が扱えるシステムには思えないし。
昔を懐かしむのは今が充実していないからだなんて考える人もいるようだが、昔は良かったというノスタルジアは、どれだけ満たされているとしてもifルートとしての仮想であり、必ずしもそうであるとは限らないように思う。該当する人もいるとは思うが。
いずれ、ふと時間ができたり落ち着いたタイミングで考えることの多いテーマだろうから、充実というか忙しい最中ではなかなかたどり着かない話だろう。
戻りたいいつかがあまりない私は、今をどうにか転がすことに腐心してばかりいるけれど、じゃあ一何をしているのか問われたら、今、今を転がしていると答えられるわけで、それはそれでそんなに悪くないような気もしている。
いっさいは過ぎていくばかりだから、だから今を今として過ごすこともわりと大事なのだろうとは思うのだ。
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