きゃみ

21歳/競技かるたB級/鯉党/渡航した国の記憶と情報をつづります。もしかしたら映画とか…

きゃみ

21歳/競技かるたB級/鯉党/渡航した国の記憶と情報をつづります。もしかしたら映画とか小説の話もするかも。

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  • おすすめ若手ミステリ作家紹介

    新本格を中心に若手のミステリ作家を紹介しています。次の本屋大賞に選ばれるのはこの中の誰かかも?

  • きゃみの旅行記

    きゃみがこれまで巡った国のエピソードをまとめたものです。

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固定された記事

ガーナ観光の落とし穴:ケープコーストで出会ったぼったくりのお話

僕は、2020年の3月西アフリカの一国ガーナに滞在していました。ロッテのチョコレートでしか聞いたことのない国、ガーナ。その第一印象通り、この国の一大産業はカカオの輸…

きゃみ
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二つの絶望 ミステリ好きこそ気づかない鮮やかなどんでん返し 夕木春央『方舟』書評

巷で話題の『方舟』があまりにも話題なので、読むつもりはなかったが手に取ってみた。 すると驚いた。間違いなく今年一番のどんでん返し。思わず感想記事を書きたくなっち…

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舌が肥えるということ

僕はもうマクドナルドを食べることができない。 この事実に気が付いたとき、愕然とした。 最近グルメバーガーにはまって都内の銘店を回っていたのだが、久しぶりにマクド…

きゃみ
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日本酒は身を助ける

「芸は身を助ける」なんてものはよく言ったもので、無駄な経験なんて何一つないのだと思い知らされる。 昨年の夏、ふと立ち寄った本屋で、ふと手に取った日本酒の本がきっ…

きゃみ
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本屋大賞3度入選!【深緑野分】のおすすめBEST3!

先日2021本屋大賞が発表され、町田その子さんの「52ヘルツのクジラたち」が見事受賞を果たした。しかし、安直に受賞作家を紹介するのも面白くない。今回は対抗馬として賞レ…

きゃみ
3年前
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短編ミステリを読もう!「ミステリーズ!新人賞」おすすめ5作品!

ここまで多数のミステリ作家を紹介してきたが、中には忙しくて長編なんて読めないよ!というかたもいるだろう。 それならお手軽に短編を楽しめばいいのだ。 短編ミステリ…

きゃみ
3年前
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次世代ミステリの最前線【阿津川辰海】のおすすめBEST3!【新刊発売記念】

最近、ミステリ作家の紹介について筆が止まっていたので久々に書こうと思う。 いや、元々このnoteはミステリ作家の紹介チャンネルではないのだけれど。 とはいえ、もっと…

きゃみ
3年前
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献血はしない!臓器提供もしない!【旅人に覚えておいてほしい献血の条件】

先日、友人と3人で渋谷を訪れた際に一人が不意にこういった。 「私、献血してみたい!」 するともう一人も同調した。 「ハチ公前に献血センターあるからそこに行こうよ。…

きゃみ
3年前
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球春到来!プロ野球チップス2021大予想!【広島東洋カープ編】

球春到来!ということで皆さん注目しているものは一緒なんじゃないでしょうか。 そう、「プロ野球チップス2021」で誰がカードになるか?ですね! 今日は広島東洋カープだ…

きゃみ
3年前
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吉野会大会レポート

競技かるた吉野会大会のレポートを書こう。 11月14日に開催された吉野会大会(C級)。長い自粛期間を挟んだ後に開催されたこの大会は僕のC級デビュー戦だった。 今までC級…

きゃみ
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【タイトルを当てるミステリ!?】注目作家「早坂吝」の魅力とおすすめBEST3!

ミステリのトリックはもう出尽くしたんじゃないか? ポーに始まり、今ではテレビをつければ毎日のように刑事ドラマが放送され、サンデーでは『名探偵コナン』が長期連載…

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【平成のエラリィ・クイーン】中高生人気必至の注目作家「青崎有吾」のおすすめBEST3!

noteには映画の話を書くつもりだったし、元来ミステリよりも映画の方が断然詳しいのだが、今日も今日とて僕はお勧めのミステリ作家を書くことにしている。 ちなみに僕のポ…

きゃみ
3年前
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世界一まずい主食「インジェラ」!:エチオピアの料理と航空会社

別に僕はガーナ専門ライターになるためにnoteを始めたわけではないのだが、これまで投稿した記事はほとんどガーナに関するものになってしまった。今回はガーナを飛び出して…

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【三大陸】世界の映画館に行ってみた!!【カナダ・タイ・ガーナ】

鬼滅の刃の興行収入が歴史的な推移を見せていますね! ソーシャルディスタンスを取りやすく、換気システムも万全な映画館が新しい生活様式においても娯楽産業の大きな一角…

きゃみ
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【新刊『ワトソン力』にて注目!】大山誠一郎作品の魅力とは

大山誠一郎の作品に特徴があるかと問われると、はっきり述べるのは難しい。 しかし、それは彼の作品がつまらないとか、評価に値しないとかマイナスの意味を込めているわけ…

きゃみ
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新時代ミステリの旗手、井上真偽を読もう!【新刊発売記念】

最近「仮面病棟」や「屍人荘の殺人」などのヒットで、大きく注目を集めているのミステリ業界。そこに新たなヒット作の予感を漂わせる作品が9月11日に発売されました。その…

きゃみ
3年前
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ガーナ観光の落とし穴:ケープコーストで出会ったぼったくりのお話

ガーナ観光の落とし穴:ケープコーストで出会ったぼったくりのお話

僕は、2020年の3月西アフリカの一国ガーナに滞在していました。ロッテのチョコレートでしか聞いたことのない国、ガーナ。その第一印象通り、この国の一大産業はカカオの輸出です。ちなみにカカオの輸出で最高額を誇るのはお隣のコートジボワール。もしかしたらクイズ大会とかで出題されるかもしれませんね。

そんなカカオの国で僕は一か月半にわたってNGOで開発支援のインターンをしていたのですが、今回はそのプロジェ

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二つの絶望 ミステリ好きこそ気づかない鮮やかなどんでん返し 夕木春央『方舟』書評

二つの絶望 ミステリ好きこそ気づかない鮮やかなどんでん返し 夕木春央『方舟』書評

巷で話題の『方舟』があまりにも話題なので、読むつもりはなかったが手に取ってみた。
すると驚いた。間違いなく今年一番のどんでん返し。思わず感想記事を書きたくなっちゃうほどの。2年ぶりのnote更新を決意させた夕木春央『方舟』を解説する。

この本を読んでいる最中、極限状態で一人を選ぶという構造は見覚えがあるなと感じた。記憶を探れば、ああそうだ。去年の話題作、浅倉秋成『6人の嘘つきな大学生』だ。あちら

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舌が肥えるということ

舌が肥えるということ

僕はもうマクドナルドを食べることができない。
この事実に気が付いたとき、愕然とした。

最近グルメバーガーにはまって都内の銘店を回っていたのだが、久しぶりにマクドナルドに入ってビッグマックを食べたときあまりの不味さに完食することを躊躇したのだ。
食材にこだわった最上の逸品を食べ続けたことによって舌が肥えたのだろう。
しかしそれは味のストライクゾーンが狭くなったともいえる。

ハンバーガーなんてファ

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日本酒は身を助ける

日本酒は身を助ける

「芸は身を助ける」なんてものはよく言ったもので、無駄な経験なんて何一つないのだと思い知らされる。
昨年の夏、ふと立ち寄った本屋で、ふと手に取った日本酒の本がきっかけで日本酒の奥深さにドはまりした。いろいろな地酒を飲み比べて、ちょっといい酒器なんか買ったりして、日本酒検定なんていうミーハーなものまで取ってしまった。

日本酒検定では製造工程だったり、嗜み方だったり、有名銘柄とその産地だったりを覚えた

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本屋大賞3度入選!【深緑野分】のおすすめBEST3!

本屋大賞3度入選!【深緑野分】のおすすめBEST3!

先日2021本屋大賞が発表され、町田その子さんの「52ヘルツのクジラたち」が見事受賞を果たした。しかし、安直に受賞作家を紹介するのも面白くない。今回は対抗馬として賞レースを盛り上げた別作家を取り上げよう!ということで、今回紹介するのは2021本屋大賞10位に輝いた「深緑野分」先生です!
既刊5冊のうち実に3作が本屋大賞トップ10入りしている有望株の魅力をご紹介しましょう!

深緑野分の魅力彼女の何

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短編ミステリを読もう!「ミステリーズ!新人賞」おすすめ5作品!

短編ミステリを読もう!「ミステリーズ!新人賞」おすすめ5作品!

ここまで多数のミステリ作家を紹介してきたが、中には忙しくて長編なんて読めないよ!というかたもいるだろう。
それならお手軽に短編を楽しめばいいのだ。

短編ミステリも長編とは一味違う楽しみ方ができる。
前置き短く起こる難解な事件、現場に居合わせる個性豊かなキャラクター、鮮やかなトリックの解明。すべてがスピーディに起こりながらもミステリの魅力がギュッとつまっている短編ミステリは娯楽の王様と言っても過言

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次世代ミステリの最前線【阿津川辰海】のおすすめBEST3!【新刊発売記念】

次世代ミステリの最前線【阿津川辰海】のおすすめBEST3!【新刊発売記念】

最近、ミステリ作家の紹介について筆が止まっていたので久々に書こうと思う。
いや、元々このnoteはミステリ作家の紹介チャンネルではないのだけれど。

とはいえ、もっともっと世に出てほしいミステリ作家がたくさんいるのは事実で、僕は彼らを一人でも多くの人に知ってほしいと思っている。だから今日も元気に期待のミステリ作家を紹介しよう!

今回紹介するのは来る2月16日に待望の新作の発売を控えている若き気鋭

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献血はしない!臓器提供もしない!【旅人に覚えておいてほしい献血の条件】

献血はしない!臓器提供もしない!【旅人に覚えておいてほしい献血の条件】

先日、友人と3人で渋谷を訪れた際に一人が不意にこういった。

「私、献血してみたい!」

するともう一人も同調した。
「ハチ公前に献血センターあるからそこに行こうよ。」

↑ハチ公前献血ルーム

僕は献血なんて絶対にしたくない。理由は単純。注射が嫌いだからだ。幼いころから予防接種を受けるたびに病室の隅から隅まで逃げまくっていた僕が自主的にあんな痛そうな注射をするわけがない。

とはいえ、21歳の男

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球春到来!プロ野球チップス2021大予想!【広島東洋カープ編】

球春到来!プロ野球チップス2021大予想!【広島東洋カープ編】

球春到来!ということで皆さん注目しているものは一緒なんじゃないでしょうか。
そう、「プロ野球チップス2021」で誰がカードになるか?ですね!

今日は広島東洋カープだけで400枚ほどのコレクションを有するきゃみが「プロ野球チップス2021」で広島東洋カープから誰がカードに選出するか徹底予想したいと思います!

カードの種類プロ野球チップスには3種類のカードがあります。
「ノーマルカード」「キラカー

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吉野会大会レポート

吉野会大会レポート

競技かるた吉野会大会のレポートを書こう。
11月14日に開催された吉野会大会(C級)。長い自粛期間を挟んだ後に開催されたこの大会は僕のC級デビュー戦だった。
今までC級以上の人に勝ったことは2、3度ほど。あとは全敗してきた。だからこの日も一回戦で酷い負け方をしないように、とだけ心に決めて大会に臨んだ。

久々の大会は厳戒態勢。全員がその日の朝に体温を測ってきて来場者カードに書き、さらに受付前にも再

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【タイトルを当てるミステリ!?】注目作家「早坂吝」の魅力とおすすめBEST3!

【タイトルを当てるミステリ!?】注目作家「早坂吝」の魅力とおすすめBEST3!



ミステリのトリックはもう出尽くしたんじゃないか?
ポーに始まり、今ではテレビをつければ毎日のように刑事ドラマが放送され、サンデーでは『名探偵コナン』が長期連載されている。
大体のトリックに何となく既視感があり、何となくトリックを察してしまう。そんなときもミステリ愛好家なら度々訪れる瞬間だろう。
しかし、その風潮に真っ向から異を唱える作家がいる。彼の名は「早坂吝」。
彼は度々こういった旨を述べて

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【平成のエラリィ・クイーン】中高生人気必至の注目作家「青崎有吾」のおすすめBEST3!

【平成のエラリィ・クイーン】中高生人気必至の注目作家「青崎有吾」のおすすめBEST3!

noteには映画の話を書くつもりだったし、元来ミステリよりも映画の方が断然詳しいのだが、今日も今日とて僕はお勧めのミステリ作家を書くことにしている。

ちなみに僕のポリシーとして投稿時点で出版されている単行本をすべて読破している方でないと紹介しないというものがあるので、決して記事数稼ぎに手あたり次第紹介しているわけではないことを承知してほしい。

青崎有吾とは

今回紹介するのは【平成のエラリィ・

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世界一まずい主食「インジェラ」!:エチオピアの料理と航空会社

世界一まずい主食「インジェラ」!:エチオピアの料理と航空会社

別に僕はガーナ専門ライターになるためにnoteを始めたわけではないのだが、これまで投稿した記事はほとんどガーナに関するものになってしまった。今回はガーナを飛び出してエチオピアについて書こうと思う。あまり飛び出せてないよ!というツッコミは置いておこう。

と言っても僕はエチオピアに滞在したのは、ほんの4時間ほど。1か月半にわたるガーナ滞在をようやく抜け出し、帰り道でのトランジットの時間のことだ。今回

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【三大陸】世界の映画館に行ってみた!!【カナダ・タイ・ガーナ】

【三大陸】世界の映画館に行ってみた!!【カナダ・タイ・ガーナ】

鬼滅の刃の興行収入が歴史的な推移を見せていますね!
ソーシャルディスタンスを取りやすく、換気システムも万全な映画館が新しい生活様式においても娯楽産業の大きな一角を占めることは間違いなしだと思います。

私は海外を訪れた際にその国の映画館で映画を見ることが趣味なのですが、今回はその中からいくつかの映画館を紹介しようと思います!

1、 カナダ、ストラトフォード(名称不明)一つ目は北米大陸、カナダにあ

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【新刊『ワトソン力』にて注目!】大山誠一郎作品の魅力とは

【新刊『ワトソン力』にて注目!】大山誠一郎作品の魅力とは

大山誠一郎の作品に特徴があるかと問われると、はっきり述べるのは難しい。
しかし、それは彼の作品がつまらないとか、評価に値しないとかマイナスの意味を込めているわけじゃありません。
むしろ彼の作品は興味をそそられる事件、背景を邪推したくなる登場人物、一切の無駄のないストーリーテリング、そしてあっと驚かされるトリック。ミステリに必要な要素全てにおいて彼の作品は高得点をたたき出しています。
こうした要因に

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新時代ミステリの旗手、井上真偽を読もう!【新刊発売記念】

新時代ミステリの旗手、井上真偽を読もう!【新刊発売記念】

最近「仮面病棟」や「屍人荘の殺人」などのヒットで、大きく注目を集めているのミステリ業界。そこに新たなヒット作の予感を漂わせる作品が9月11日に発売されました。その名も「ムシカ 鎮虫譜」。
この作品の作者は異彩を放つ新時代ミステリを発表し続ける新進気鋭の作家井上真偽(いのうえ まぎ)先生。今回はそんなミステリ界に革命を起こし続ける井上真偽先生の作品を紹介していきたいと思います!

まず、井上真偽先生

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