見出し画像

献血はしない!臓器提供もしない!【旅人に覚えておいてほしい献血の条件】

先日、友人と3人で渋谷を訪れた際に一人が不意にこういった。

「私、献血してみたい!」

するともう一人も同調した。
「ハチ公前に献血センターあるからそこに行こうよ。」

画像3

↑ハチ公前献血ルーム

僕は献血なんて絶対にしたくない。理由は単純。注射が嫌いだからだ。幼いころから予防接種を受けるたびに病室の隅から隅まで逃げまくっていた僕が自主的にあんな痛そうな注射をするわけがない。

とはいえ、21歳の男が「注射が怖いから献血なんて行きたくない」とは言い出せない。
いくら何でも格好がつかなすぎる。

そこで、僕は献血ができない理由を探し始めた。
僕は昨年にガーナに2か月ほど行っている。それに合わせて狂犬病や黄熱病などあまり聞きなじみのない予防接種を10本ほど打った。
これだけイレギュラーな人間なら、何かしら献血のチェックリストに引っかかるかもしれない。そう願って赤十字社のホームページを調べた。

「日本脳炎、A型肝炎、破傷風等の予防接種」……接種から24時間以内は不可
「B型肝炎ワクチン」……接種から2週間以内は不可

「海外滞在」……帰国から4週間以内は不可

駄目だ。どれにも引っかかっていない。これでは献血できてしまうではないか。
やだやだ。あんな太い注射受けたくない。
その時、ある一文が目に留まった。

「マラリアの既往がある方は、献血をご遠慮いただいています。」

そう、僕は前述のガーナ滞在の際にマラリアに罹患し散々な目に遭っている。
つまり僕はこの条件に合致する。


なんということでしょう。僕はいつの間にか献血を許されない人間になっていたのです。

マラリアとはマラリア原虫が引き起こす感染症である。ハマダラ蚊によって媒介されたマラリア原虫が赤血球にて発育し、血中に飛び出す際に赤血球を破壊するのを引き金に発熱や全身の虚脱感などの症状を引き起こす。

要するに完治後もどこか一つの赤血球の中にマラリア原虫が休眠していた場合、再発する可能性があるので献血はダメということなんだそうだ。

なんとまあ、苦しみぬいたあの一週間でそんな体になっていたとは。

もしやと思い、臓器提供についても調べてみた。すると案の定。
「マラリアの既往歴のあるものは不可」
と書いてある。

僕の体はいつの間にか人の役には立たない穢れた血()になっていたようだ。

画像1

となると、僕はあれを持っといたほうがいいだろう。
そう、臓器提供意思表示カード、通称ドナーカードだ。
万が一、僕が不慮の事故に巻き込まれた際に同時刻に誰かが僕の臓器を必要としていても、あげられないってことを示しておかないといけない。申し訳ないけど、お互いのためだから。

画像2

あんなもの、意識高い系か先進的な考え方を持った人しか持ち歩かないと思っていたけど、こんな形で必要になるとは思いもよらなかった。

いつの間にか難儀な体になってわけだが、どうしたものか。
例えば、初めて行く病院とかで書く「今まで大きな病気をしたことはありますか?」には申告しないといけないのだろうか?
例えば、吸血鬼やゾンビに噛まれそうになった時に「あ、僕マラリア罹ったことあるんで、そこの所ご認識ください!」と申し出ないといけないのだろうか?

まだまだ偶然知ったこの事実に疑問はたくさんあるが、ひとまず忘れないでおこう。

これを読んでいる皆さんもマラリア経験者や中南米に長期滞在したことがある人がいたら、一度献血のためのチェックリストを確認してみるのもいい勉強になると思います。

ちなみに新型コロナウイルスの既往歴がある人も献血は不可でした。

つまり、献血できるのって本当に健康な人だけ。献血してくれる人に感謝です。


良かったらその他の記事も


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?