マガジンのカバー画像

ディスクレビュー

131
運営しているクリエイター

2022年4月の記事一覧

最近観た旧作の感想メモ(2022年4月分)

最近観た旧作の感想メモ(2022年4月分)

サバイバルファミリー(Amazon Prime)

仙台に旅行しようしてた(結果諦めましたが)時、仙台ロケの映画を求めて観た1本。矢口史靖監督は「ハッピーフライト」が大好きでそれ以外はそこそこ、くらいの感じだったけどこれはだいぶ面白かった。思ってる以上にちゃんと深刻に描写されるし、ちゃんと人は死ぬということを予感させてくれる。沈没しないver.の「日本沈没」的な、ジョークの機能しない深刻さ。僕も困

もっとみる
Podcast『ポップカルチャーは裏切らない』#69.アジカン全アルバムを語る①「崩壊アンプリファー」

Podcast『ポップカルチャーは裏切らない』#69.アジカン全アルバムを語る①「崩壊アンプリファー」

最も好きなバンド、ASIAN KUNG-FU GENERATIONの全アルバムを語っていくシリーズ。第1弾はインディーズデビュー盤でありメジャーデビュー盤でもある『崩壊アンプリファー』について。

初期衝動と親しみやすさ、そして“ちっぽけな俺”感などを糸口に語りました。来週は1stフルアルバム『君繋ファイブエム』を更新予定。今後しばらく、別刊以外はこのシリーズを続けていく予定です!
#音楽

もっとみる
[後編]僕らが言ってきた“メンヘラ”って何なのか…クリープハイプ『死ぬまで一生愛されてると思ってたよ』10周年に寄せて

[後編]僕らが言ってきた“メンヘラ”って何なのか…クリープハイプ『死ぬまで一生愛されてると思ってたよ』10周年に寄せて

※本記事は後編です。前編を先に読んで頂けると、この文章の意図が伝わりやすいと思います。
[前編]

"メンヘラ"と音楽音楽に向けられる“メンヘラ”という形容。時にアーティストが生き辛さを綴ること自体が"メンヘラ"と扱われる。それを聴くリスナーも"メンヘラ"であるとされるケースはとても多い。クリープハイプは尾崎世界観(Vo/Gt)の伝えたい想いが誠実で切実であればあるほど、このような形容や受容のされ

もっとみる
[前編]僕らが言ってきた“メンヘラ”って何なのか…クリープハイプ『死ぬまで一生愛されてると思ってたよ』10周年に寄せて

[前編]僕らが言ってきた“メンヘラ”って何なのか…クリープハイプ『死ぬまで一生愛されてると思ってたよ』10周年に寄せて

2012年4月18日、クリープハイプのメジャー1stアルバム『死ぬまで一生愛されてると思ってたよ』がリリースされた。行き場のない虚しさ、生活に潜む愛憎、忘れがたい日々や恋、それらを独特の比喩/語彙と言葉遊びを絡めて丁寧に描かれた歌詞。ヒリヒリとした情感を届けるのにうってつけな尾崎世界観(Vo/Gt)のハイトーンな歌声と、それを最高潮の状態で送り出す多彩でしなやかなギターロックサウンド。テン年代のロ

もっとみる
”分かり合えなさ“への抵抗〜ASIAN KUNG-FU GENERATION『プラネットフォークス』

”分かり合えなさ“への抵抗〜ASIAN KUNG-FU GENERATION『プラネットフォークス』

心荒むことの多い時代だ。2020年の2月からより浮き彫りになっただけで、それよりもずっと前から価値観で傷つけ合い、思想で燃やし合うような日々は常に目の前に横たわっていた。そんな世界にあって、後戻りできない断絶とコミュニケーションの可能性を描いた濱口竜介監督の「ドライブ・マイ・カー」が第94回米アカデミー賞で国際長編映画賞を受賞したほか、世界中で評価されたことは1つの象徴的な出来事のように思う。言語

もっとみる
[Real Sound寄稿記事] 私立恵比寿中学、セルフタイトル掲げた最新アルバムは意欲作に〜“永遠に中学生”を体現するということ

[Real Sound寄稿記事] 私立恵比寿中学、セルフタイトル掲げた最新アルバムは意欲作に〜“永遠に中学生”を体現するということ

Real Soundに55回目の寄稿をしました。私立恵比寿中学の7thアルバム『私立恵比寿中学』のレビューです。Saucy Dog石原慎也が作った「ハッピーエンドとそれから」を軸にしつつ網羅的に書きました。

新メンバーを加えて新しいエビ中らしさを獲得する。かつグループとしての成熟度を見せる。この両面を“永遠に中学生”を体現しながら作り出した驚異の1作だと思った。まだまだ行ける、その幕開け。

#

もっとみる