フォローしませんか?
シェア
seiji_arita
2024年6月1日 11:57
「スカイツリーとウクレレ」其の機能は全て 論理的で倫理的であり其れに伴う取り扱い説明書と保証書が添付されているスカイツリーはいつに無く高くそびえ立ち今もなお天高く 伸び続けている様に見えた救世主教会の尖塔 頭頂部には其れが有り地上の僕等を見下ろしている街の路地裏は砂利で出来ており 草すら生えない荒地だった其処には 無能、無知、馬鹿や偽善は
2024年5月30日 02:53
「悪魔と青く深い海のあいだで」その水は何処までも透明で純粋だったんだそれを知る者は誰も居ない灯りすらない夜の闇 誰かの足音くだらない辻褄合わせに僕等は泣いている銃声の音が聴こえますかまた大切な何かが失われて行く知らぬ間に目隠しをしていた愛の調べ不釣り合いな恋に傷付くのが怖かった水平線の向こうには花は咲いていますか僕等の話を聞いてください
2024年5月21日 19:54
「道化のグラス」僕は其の限り無く純粋な水を道化と言う名のグラスに注ぐ華麗な結晶が輝くとか輝かないとか僕等は瓦礫の山の赤茶けた地面にトンネルを掘り銀行を襲う計画なんだ僕は才能の枯れ尽きてしまった作曲家と写真家と絵描きを誘った才能の枯れ尽きた詩書きなら此処に居る そう言って笑った失われた音符と失われたフィルム失われた絵の具と失われた言葉それでも其
2024年5月6日 14:37
「誰よりも」街路樹の並木が遊歩道の路面にくっきりとした涼しい影を落とすなんだか初夏に似た感じ誰かがギターを弾いて歌を歌っている僕等は海を見ていた 特に理由がある訳じゃ無いもしもあるとすれば 水と波音と其処に吹く風が僕等にとっては大切な意味を持っている 海は太陽の光を受け色や波の形や満ち引きの速さを変えて行く鮮明であり曖昧であり その輪郭の色
2024年4月24日 17:28
「君を捨てる」君を捨てる 其の傷跡は誰にも見えない深さや形を変えてなおも消える事無く記憶の中に生きている僕は独り君との足跡を辿る悲しみ 動揺 葛藤を含む象徴的な暗号誰にもわからない様に詩的に変換し吐露する事それが唯一の逃げ場である事を僕は知っていた斬殺 斬首された風の無い深淵其処に残された血を跡形も無く流し去る激しい雨僕は捨てられ 僕は君を
2024年4月23日 23:16
「破滅の淵」僕等は先を急いではいない 時間がかかるなら それでも構わない空をゆっくりと流れる雲は広い空の中に自分の居場所を定めている何処か遠くで誰かが誰かを呼んでいる僕等は世界でただひとつの完結した場所に辿り着く何処までも孤立し誰も入れない空間其処には差し出すものも求めるものも無い沈黙のうちに過ぎる時 だけど孤独に染まる事は無い彼女は僕の
2024年4月14日 05:01
「方舟と幸せの鐘」心を失くした深い森の中を彷徨っていた全ては無音のうちに始まり邪悪な野獣と純粋な精霊の吐息を聞いた不確かな人生の灯りが揺れる暗い終末の気配を含んだ湿り気を帯びた風彼女は方舟…そう一言だけ呟いた特別な生命の匂いを彼女に感じた僕等に歌う歌があるとしたなら僕は漠然とそんな事を考えていた僕の純粋な仮説が保留の無い激しい愛を呼ぶ彼女に
2024年4月11日 02:22
「思考犯罪」世界はこの僕に伝えるべき言葉を何ひとつ持ってはいない仕組んだ謀略の行方 謎に満ちた怪文書霞の様な無気力な世界は僕とは無縁な場所で時を刻み続けているパンドラの箱は既に開けられいる僕は世界に不足しているパズルピースをひとつひとつ探し集めて手に入れた終わる事の無いゲームは続いている赤いランダムスターに祈りを捧げた君の髪がキリストより長くな
2024年3月28日 16:25
「魔女狩りの詩」生きる事を目的として戦い続ける 目には見えない圧倒的な力を持つものが襲う其れに相対する救いに似た光を求めたあらゆるものを ただ黙々と受け入れ其処にあるものを呑み込み全てを赦した其の優しさに身を委ねた僕等の時間がそれぞれの経路を辿り流れる恐怖や希望絶望の中に揺らぐ炎を見ただが君は心の奥底で死を望んでいるその流れがひとつに
2024年3月23日 15:31
「流れる水と小さな星」僕の目の前にある時間は静かな足取りで通り過ぎて行った其処には僕の意思とは関わりなく其れ自身の原理に従い流れる水の様に静かに彼女は僕の知らない場所で眠っていた其処は時間と空間によって 行動の自由を制限される事の無い場所夢の無い深い眠りの中で僕達には行かなくてはならない所がやらなくてはならない事がある その事をはっきりと知る
2024年2月25日 18:53
「小さな鍵」君が自由である事 それが僕の求めるただひとつの事だった 君の中にひっそりと隠された秘密の小さな鍵其の秘密の持つ孤独さを浮かべた君の微笑みを僕は見逃さなかった色彩が奪われた訳じゃ無い白も黒も同じ色には変わりないそれにやっと気が付いたんだ僕等はお互いの欠片を交換し合い 其の欠片を大切に胸にしまった 誰にも気付かれない様に 僕等の記憶
2024年1月24日 00:24
「もう一度」不安定で不器用な感情の塊が骨と肉を纏い目に見える形を作り出しているその形を持つものから発する熱と息づかいを僕は首筋に感じとっていた抱いてくれ…そう言い出したのは僕の方でも彼女からでも無かったただ必要だったから僕等は抱きしめ合って長い夜を超えた 世の中の常識や概念が作る心理を消し去りゆったりと川の流れに身を任せたもう一度 そ
2024年1月16日 23:29
「侵蝕」僕はずっと昔に聞いた雨音を思い出しているいつも雨が降っている匂いがしていた僕等の頭上にはただ空がある地下鉄を乗り換えて辿り着いた駅からビルの地下街を抜けて街に出た其処に転がる季節を燃やした僕等の意識の回路に 埋め込まれた地図に従い死の海に向かう君がひとつになりたいと願った あの海に柱時計のネジをまく片目の老人時はまだ止まらない
2023年12月14日 13:53
「灰色の雲」僕等に吹き付ける冬の風は強い力と価値基準を持っていたそれは僕等の記憶の裏側に隠した混乱を巧妙に曝け出させる価値基準を満たした人の波が押し寄せて来る僕等は溺れる様に彷徨っていた曇り空に浮かぶ灰色の雲を外部からの強い力が引きちぎる奴等が求める完璧を否定した僕等は奴等の言う完璧に何の意味も見出せなかったからだ勝ち負けに拘って来たのは負ける事