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seiji_arita
2024年5月6日 14:37
「誰よりも」街路樹の並木が遊歩道の路面にくっきりとした涼しい影を落とすなんだか初夏に似た感じ誰かがギターを弾いて歌を歌っている僕等は海を見ていた 特に理由がある訳じゃ無いもしもあるとすれば 水と波音と其処に吹く風が僕等にとっては大切な意味を持っている 海は太陽の光を受け色や波の形や満ち引きの速さを変えて行く鮮明であり曖昧であり その輪郭の色
2024年3月28日 16:25
「魔女狩りの詩」生きる事を目的として戦い続ける 目には見えない圧倒的な力を持つものが襲う其れに相対する救いに似た光を求めたあらゆるものを ただ黙々と受け入れ其処にあるものを呑み込み全てを赦した其の優しさに身を委ねた僕等の時間がそれぞれの経路を辿り流れる恐怖や希望絶望の中に揺らぐ炎を見ただが君は心の奥底で死を望んでいるその流れがひとつに
2024年3月23日 15:31
「流れる水と小さな星」僕の目の前にある時間は静かな足取りで通り過ぎて行った其処には僕の意思とは関わりなく其れ自身の原理に従い流れる水の様に静かに彼女は僕の知らない場所で眠っていた其処は時間と空間によって 行動の自由を制限される事の無い場所夢の無い深い眠りの中で僕達には行かなくてはならない所がやらなくてはならない事がある その事をはっきりと知る
2024年2月25日 22:49
「左利きの彼女」濃密な空気の塊に雨の予感がしたもう時間が無い 僕は高く茂った 緑の草を掻き分けて 綺麗な湖へと向かう 野生の花の匂いと幻想的なオルガンの音ある時点で僕の感覚が内圧と外圧に押し潰され 其の接地面にあったはずの感情が崩れ始め痛みと喜びを失った綺麗な湖の辺りには大きな木があってその下に白いベンチがある其処に君が居る その事だけ
2024年2月25日 18:53
「小さな鍵」君が自由である事 それが僕の求めるただひとつの事だった 君の中にひっそりと隠された秘密の小さな鍵其の秘密の持つ孤独さを浮かべた君の微笑みを僕は見逃さなかった色彩が奪われた訳じゃ無い白も黒も同じ色には変わりないそれにやっと気が付いたんだ僕等はお互いの欠片を交換し合い 其の欠片を大切に胸にしまった 誰にも気付かれない様に 僕等の記憶
2024年2月15日 10:41
「雨音」僕は彼女と交わした話しの断片を思い出していたいつの間にか天候は崩れて空は湿気を含んだ重い雲に覆われていた僕は傘を持っていない長く降り続きそうな雨 ネクタイを緩めた彼女は不思議な事に雨の夜にやって来るもう逢えないかと思ってたよ そう言った僕に貴方は私に逢う度に同じ事を言うのね 彼女はそう言って微笑んだそして唇を噛んでまた少し笑った
2024年2月13日 22:22
「残された街」壁に焼き付けられた影が腐敗と崩壊と失望を映し出していた嘘だって良かったんだ お前と逢える口実を探していただけなんだ記憶は ゆっくりと時間をかけて薄れ霞んで消えてゆく其処に俺達が属している事は静かに降り頻る雨が知っているそして時が過ぎ去り後には街だけが残され今も生きている幾つもの戸惑いと頬にあるハスった傷失くせないもの ただひ
2024年2月4日 19:03
「Yes Sir」目の前にある現実を離れ夢想に耽る其れは僕にとっても君にとっても別の世界に通じる秘密の扉だったその扉を開くのは自分自身の想像力上手く強く想像する事が出来ればその扉は開き現実から遠ざかる事が出来る其れが生きて行く為に欠かせない必要な事なのそう彼女は僕に微笑みながら囁いた僕は彼女の瞳に自分自身の反映を見る事が出来た時には傲慢で身勝手で
2024年1月24日 00:24
「もう一度」不安定で不器用な感情の塊が骨と肉を纏い目に見える形を作り出しているその形を持つものから発する熱と息づかいを僕は首筋に感じとっていた抱いてくれ…そう言い出したのは僕の方でも彼女からでも無かったただ必要だったから僕等は抱きしめ合って長い夜を超えた 世の中の常識や概念が作る心理を消し去りゆったりと川の流れに身を任せたもう一度 そ
2024年1月13日 21:16
「オールドファッション」発する事の出来無い言葉 文字にする事の無い想いそれはもはや文字では無い想いでも無い流れる水が傾斜を降る決まってそれは最短距離の道を行く 時には自らその道を創り出しながら君はナイロンの光沢で包まれた脚を何度か組み替えていた僕は尖ったピンヒールの先を見てた彼女はいつも自分が1番綺麗に映る鏡を探していた僕は特に何も集めてはいないよ
2024年1月9日 17:42
「ロマンス」僕は鏡を見つめていた 其処には何も映し出されてはいない空白があるだけだった感覚が麻痺している訳でもない混乱や戸惑いもなく 今を成立させる基準や理論を探してた自分自身が捉えた感覚を適切に言葉に置き換えるその事だけに注力していたそれが僕の証を残す事が出来る唯一の方法だったからだ不均一で不可解な空白と短い語彙で綴られた言葉形作られた
2023年10月6日 22:57
「消えない星」胸の奥で世界がまわる君の呼ぶ声が聞こえた街の片隅 海を超え空を超え君が振り向いた時 全てが始まった手を繋いで魔法がかかった出会った日から 心の中に消えない様に 消さない様に夜の窓辺に虹色の時を暗闇の夜空に消えない星を寄せては返す波の様にずっと ずっと 僕だけに出来る事 いつも君を見ているよ夢色に染まる時間 君色に染まる夜
2023年8月14日 17:19
「ロメオとジュリエット」知らない素振り 本当は自分が1番良く知ってるよ見ないふり 聞かないふりいつか そんなの壊れてしまうから今日 誰と会ったの 何を話したの僕には大切な事なんだけど君には大切な事でも無いみたい都会仕掛けの時間の谷間ウォッカ垂らしたテーブルクロスマリンブルーの海を切り裂くナイフ狂いそうな程 眩しい太陽の輝きロメオとジュリエットとか
2023年6月9日 15:21
「君の夢」眠ってる君の顔をただ見つめてた時計の針 秒針の音小さく聞こえてるいつだって君の傍に居たいと思うけど現実には時間も無くて話も出来ないそれでも君は変わらず僕の傍に居て 僕はそんな君を愛おしく感じてる言葉にすれば全て 安っぽくなってしまうから言葉の代わりに君の頬に小さなキスをした寝返りをうつ君の姿 少し笑った顔何の夢を見ているんだろう知りたく