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seiji_arita
2024年4月29日 19:40
「オッドアイ」静かで濃密な確信が其処にはある疑いの無い確信が恒常的に内紛の火種を抱える汚く猥雑で出鱈目な街 それでも街の夜景は綺麗に見えた屈曲していない純粋な微熱を帯びるイエスかノー 其処には一切の保留条項は無い窓から海が見えた 白い海と黒い海 波は無い僕は轍を見つけては其れを辿る強固な世界観を有した偽装社会の中で夕暮れの空を背景に観覧車が廻る
2024年4月24日 17:28
「君を捨てる」君を捨てる 其の傷跡は誰にも見えない深さや形を変えてなおも消える事無く記憶の中に生きている僕は独り君との足跡を辿る悲しみ 動揺 葛藤を含む象徴的な暗号誰にもわからない様に詩的に変換し吐露する事それが唯一の逃げ場である事を僕は知っていた斬殺 斬首された風の無い深淵其処に残された血を跡形も無く流し去る激しい雨僕は捨てられ 僕は君を
2024年4月23日 23:16
「破滅の淵」僕等は先を急いではいない 時間がかかるなら それでも構わない空をゆっくりと流れる雲は広い空の中に自分の居場所を定めている何処か遠くで誰かが誰かを呼んでいる僕等は世界でただひとつの完結した場所に辿り着く何処までも孤立し誰も入れない空間其処には差し出すものも求めるものも無い沈黙のうちに過ぎる時 だけど孤独に染まる事は無い彼女は僕の
2024年4月20日 17:42
「静脈」時間が不規則に揺らぐ僕が心の中の牢獄に閉じ込められている事を誰も知らない 其の牢獄を出る事は 簡単だ自分自身の意志で出てゆけば良い鍵をかけたのも鍵を開けるのも全ては自分自身周りの声達はもう僕に話しかける事を辞めていた僕は誰にも見る事の出来ない風景を睨みつける其処には枯渇した水脈がある僕が解き明かすべき暗号を君は持って居る現実と仮説
2024年4月19日 15:14
「神の月」起き忘れられた野心と色褪せた希望空白に似た諦めが目に見える空を無感覚に覆い尽くす其処に浮かび上がる薄い刃物の様な三日月は失うべきものは何も無い 命さえも そう静かに語る何日も風の強い夜が続く時々わけもなく涙が溢れただけどそんなに孤独じゃないよお前もそうだろう そう三日月に囁いた俺は意識の枠の外側で自分自身の神に触れるお前達の神じゃ
2024年4月18日 13:04
「記憶の庭園」僕は其処にひとつの季節の匂いを感じていた現実と幻想の境目僕が死んだのはもう一度再生する為だそうやって全ての事柄は死に再生する生命の萌芽を湛えた空が海に溶け落ちる其処にはどの様な地点も無く時間の感覚さえも無い死の無いところに再生は無い そう彼女は静かに囁いた永遠とは終わりなく何処までも続く道僕は記憶の庭園で彼女と会話を交わ
2024年4月16日 09:22
「風を待つ月」いつか遠からず其の日はやって来る長い沈黙の後にそう彼奴は言った僕は記憶の寿命を延命する様に 其の断片を永遠に刻み込む様に時折 彼奴の言葉を心の中に落とし込むジムビームとメンソールと小説とあの夜 高速の高架下から見上げた月僕は意識の中にある彼奴の扉をノックした彼奴の愛した最後の女 そして弟桜の花びらが結晶化する永遠を形造るもうひとつ
2024年4月14日 05:01
「方舟と幸せの鐘」心を失くした深い森の中を彷徨っていた全ては無音のうちに始まり邪悪な野獣と純粋な精霊の吐息を聞いた不確かな人生の灯りが揺れる暗い終末の気配を含んだ湿り気を帯びた風彼女は方舟…そう一言だけ呟いた特別な生命の匂いを彼女に感じた僕等に歌う歌があるとしたなら僕は漠然とそんな事を考えていた僕の純粋な仮説が保留の無い激しい愛を呼ぶ彼女に
2024年4月13日 15:25
「小世界」この世界には 絶対的な善も無ければ絶対的な悪も無い 善は悪に転換し 悪は善に転換する あるのは其の均衡だけだすなわち均衡そのものが善である其の本にはそう書かれていた死は解放でも復讐でも無く空白を生むだけだ僕はそう書き残した世界が同義を失い崩れてゆくのは僕達の苦悩や煩悶のせいでは無い雷鳴とどろく夜に全ての意味を知るいつだってどんな時
2024年4月11日 19:52
「月明かり」満月がくまなく街を照らす夜僕は自分自身が失われるべき場所のドアを開けたその場所に君が閉じ込められている事を知っていたから君は残された短い命を慈しむ様に詩を書いていたその事だけは僕には はっきりとわかっていたその場所には僕達ふたりしか居ないそのドアは一方向にしか開かない僕等は正しく人を愛する事が出来なかったそしてまた自分自身を正
2024年4月11日 02:22
「思考犯罪」世界はこの僕に伝えるべき言葉を何ひとつ持ってはいない仕組んだ謀略の行方 謎に満ちた怪文書霞の様な無気力な世界は僕とは無縁な場所で時を刻み続けているパンドラの箱は既に開けられいる僕は世界に不足しているパズルピースをひとつひとつ探し集めて手に入れた終わる事の無いゲームは続いている赤いランダムスターに祈りを捧げた君の髪がキリストより長くな
2024年4月9日 22:24
「太陽の声」疑念の雲が地平線に浮かび僕は足元を見つめる胡散臭いスキャンダルや破滅に向かう目の前の風彼奴は其れさえ巧妙に利用し嘲笑う疑いの余地すらない窮地 破砕 破滅 願望僕等は心の底では其れを望んでいるのかもしれない非現実的な太陽が輝く空は本物の空なのだろうかまだ罪は軽い方だ…そう太陽の声が聞こえた僕は本のページに栞を挟む様にひとつの事柄を終
2024年4月8日 18:37
「楽園」想像と記憶の中で静かに彼女と関わりを結んだ彼女が彼女である事の秘密を僕は知っていた語るべきであった言葉 ほんの少しの勇気僕の行いの欠如が僕自身を後悔へと連れ去る僕の心は彼女から離れる事が出来ないでいる同じ過ちは繰り返さないと誓った彼女は 僕の身体と心の一部を持ち去り僕の元に彼女の身体と心の一部を置いて行った 目には見えない其の一
2024年4月8日 01:03
「水と花びら」その構文の精度を確認する様に反復する 太陽の周りを地球が回る様に規則正しく其処では全てを強制しまた同時に強制されるそんなシステマチックな領域が存在し 全てを自己完結させた月が浮かんでいる目的遂行の為の最短距離を進む水が唯一の突破口を的確に見極める愛し合い方すら忘れてしまった薄紅色の花びらが風に舞う周りの風景に見慣れない色合