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観光学とは何? 自転車旅原論をつくる 

観光というのは体験することであって、学問として体系化するには取り組みにくい部類に入ると思います。旅行についての歴史、心理を扱う人文学的な研究、法制度や望ましい姿を扱う社会学的な研究、実地における体験とその意義を扱う行動論的な研究等があり、”観光という漠然としたもの”をどのような視点で見るかによって研究する分野が多岐にわたってしまいます。

(観光学について)

「入門 観光学」(竹内正人、竹内利江、山田浩之編著)では”学際的”という言葉を使用して学問の対象が多岐にわたり、多面的なアプローチが必要であることを示唆しています。一方で大学では観光を専攻する学部学科が新設され、今後観光産業の中核を担う人材が育成されています。観光学は比較的新しく誕生した学問と言えます。
本書には観光の歴史、行動論、観光の定義、各種統計などの基礎論を示したのち、観光に関わる産業各種(観光業者、宿泊、運輸、テーマパーク、文化施設)について触れ、最後に政策論と具体事例について記述されています。

これまで自転車旅行に関連した様々な投稿を行ってきましたが、「入門観光学」を参考にして投稿の数々を分野ごとに体系立てます。最終的に一つの総論としての「自転車旅原論」を完成させる投稿にしたいと思います。

(自転車旅の心理に関すること)

静岡県伊豆市 旅人岬

自転車旅を人文学的に分析すると心理的なことを論じることになります。なぜ旅をするのかという動機や旅をしている最中に考えることを捉えます。自転車旅は人力で進むため、時に苦しくなることもあります。なぜそのようなことをするのだろうという投稿も行っています。また25年の間には家族を持つなど生活環境も変わりました。自転車旅を長年継続するために考慮したことに触れています。様々な場面や年月の経過に出くわしたときの”内面”に焦点を当てた投稿をまとめています。

(サイクルツーリズム)

サイクルツーリズムとは自転車で観光地を回ることですが、それによって生じる経済活動に焦点を当てるものです。ツーリズムについて調査した機関やそれを分析した方の投稿を紹介したほか、サイクリスト(生活圏を離れて自転車走行を楽しむ人)がどのように経済に貢献できるかを問う投稿を行いました。またツーリズムを意識した自転車走行の様子も併せて記載しています。

愛知県名古屋市 有松の街並み

(身体に関する話)

とよはしとみやまサイクルマラソン出場時

自転車旅を行う中で課題を克服するために身体を鍛えるなど自分の身体に関わることに焦点を当てています。また25年という長い時間の中では衰えについても向き合わざるを得なくなります。その記録を記載しています。

(自転車旅を取り巻く社会論)

しまなみ海道自転車道 来島海峡大橋

社会科学的に自転車旅を見た場合、自転車旅を取り巻く社会情勢や国、自治体の施策に焦点を当てます。自転車旅を促進するのに行政、個人は何をすべきかを問うほか、望ましいあり方について論をとりまとめます。観光開発が比較的進んでいない地域における地域活性化を狙いとして、地方での自転車旅に対する思想や意見を記載しています。

(自転車旅実践総括)

2008年台湾 台湾新幹線内

自転車旅を実施した記録を全体的に網羅した情報です。使用した自転車とかどのように旅を展開し、どう情報発信を行ったかを記載しています。その他異常時対応などの個別論もつけ加えています。

(日本国内旅行記録及び地方遠征まとめ編)

2018年遠征復帰後の自転車旅行記や自転車遠征中断前(2009年以前)に実施した自転車旅の地域まとめを集約し掲載しました。

北海道根室市 北方原生花園

(海外遠征編)

ロシア連邦サハリン州 コルサコフの街並み

ロシア連邦サハリン州に3回、台湾に1回、韓国に1回行きました。その旅概要をまとめています。自分を成長させてくれたまちユジノサハリンスクについても特集として取り上げています。

(自由研究)

自転車旅を少し変わった視点から論じたものです。同じ目的地に行くのに経由地を変更したらどうなるのかという比較をしてみました。

(その他資料)

2012年 青年会議所企画

残しておきたい資料については別に項目を立てました。高山から松本まで激坂を2つ超えた話。Noteの公式マガジンに採用されました。また青年会議所時代に夏休みこども企画を行いました。知多半島自転車旅を企画した時の話は自転車旅催事ノウハウとして他の公益団体でも活用できると思います。

(今回除外したこと)

自転車旅に関するオピニオンでよく見かけるのは諸外国に比べ、日本は都市部における自転車インフラの整備が遅れているというものです。ヨーロッパ諸国では自転車を交通手段として認識させる取り組みが広がり、都心部における自転車レーン整備が進んでいます。アジアの事例ですが2008年に訪れた台湾でも自転車道の整備が進んでおり、サイクリストとしては非常に走りやすい道であると感じました。
自分の持論としては行政にインフラ整備を要望することも大事だけどサイクリストとしての地位を高めるにはまず自ら経済活動に貢献しようです。
自転車インフラの整備には多大な費用が発生します。車道にペンキを塗るだけでも距離が長くなれば相当の費用になります。公的資金で整備する場合は住民の合意形成や議会での議決が必要になります。そのように仕向けるにはまずサイクルツーリズムを推進することが”利”(理ではない)に適うという方向に世論を持っていかなければなりません。
社会学でも観光のモデルルートは触れているため、今後交通工学としてまとめる機会に都市部における自転車インフラを論じたいと思います。

(総括まとめ)

これまでになかったことを論じる場合、論の内容については自分の頭で構成していくしかありません。他者から見て論じるべき内容が欠けているというものがあるかもしれませんが、それについては指摘を受けて内容を増強するほかありません。

2018年 第3次ロシア連邦サハリン州遠征

自転車旅を25年続けてきた中で、自分の頭の中にあった自転車旅に関する想いをこれまで単発的に論じていきましたが、たくさんの投稿が積み上げられたことから、今回このような形で「自転車旅原論」を編成してみました。自分の自転車旅集大成と言って過言ではありません。

これからも自転車で遠征をした際は個別に旅行記を書いていきたいと思いますが、自転車旅に関する投稿はひとまずこれで完結にしたいと思います。これまでご覧いただきありがとうございました。非常感謝。Спасибо。


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