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自転車旅社会学 受益者負担を考える

写真はしまなみ海道の本州側の終点、広島県尾道市です。しまなみ海道は自転車で愛媛県今治市まで行くことができるサイクリングルートとして国際的に有名です。

海面からの高さが相当ある大きな橋を次々と渡っていきます。当時、自転車で橋を渡るには利用料が必要でした。

現在は利用者を呼び込むため「しまなみサイクリングフリー」という施策が実施されており利用料が2024年まで無料化されています。

もう一つ事例を揚げます。

2013年に青年会議所の夏休みこども企画で富士登山を行いました。富士山が世界遺産に登録され富士登山ブームが起きた年でした。

当日は大人子ども80人の大所帯で、富士宮口元祖7合目「山口山荘」の1区画が貸切になりました。他の山小屋も収容人員をほぼ一杯に抱え、非常に多くの登山者が富士山頂に集結しました。入山に当たり保全協力金として一人1000円の保全協力金を支払いました。

利用料は受益者負担の考え方に基づくものです。巨大な橋という便利な施設を利用したり、雄大な自然を堪能したりするには一定の費用を負担することが必要です。

施設や自然を利用することで施設や環境に負担がかかるため、その費用を自転車通行者や登山者に求めることは理にかないます。前回の投稿で、自転車の活用推進に関する記事を投稿しました。法令に基づいた計画により予算が確保され、各種施策を検討、実行することで様々な自転車旅環境が整備されますが、その費用は公的資金だけに頼るわけにはいきません。

サイクルツーリズムで来訪した観光客が応分の負担をして、集まった資金が地域の発展に投資されることにより、自転車旅が持続的に実施できる仕組みをつくることは非常に大事です。応分負担という考え方が広まることは望ましいと考えます。

総括ですが、「自転車活用の各振興策によって利用者の安定的増加を図ること」と「訪れた観光客が受益者負担すること」で得られる収入が両輪としてうまく機能していけば地域に持続可能な発展をもたらすのではないかと考えます。

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