テツガクの小部屋20 プラトン④
・分有説
イデアが存在で、個物は非存在、すなわちイデアの仮象である。しかし不完全ながらも、個物はそれぞれ一定の性質や本性を示している。
例えばこの花は美それ自体ではないが、やはり美しい。このように個物が不完全ながらもそれぞれ一定の性質や本性を示すのは、イデアを分有することによってであるとプラトンは説く。個々の人間がそれぞれ特定の個別性や特殊性を有しながらも人間であるのは、人間それ自体、人間のイデアを分有するがゆえなのである。
これをイデアの方から言うなら、イデアが個物に臨在す