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「やっぱり例外はある」数の扱いが特殊な名詞

こんにちは!えいごはかせです。

以前こちらの記事で、可算名詞と不可算名詞の性質ついてお話しました⇊
名詞の可算・不可算というのは、個々の名詞に固定された性質ではなく、わりと柔軟性がある、という内容なのですが。


そうは言っても、やっぱり例外はあるわけです。
言語ですからね。

というわけで今回は、数の扱いが特殊な名詞をいくつか取り上げてみます!


基本的に数の扱いが特殊なのは、対象が集合的な性質を持つ名詞です。
パターンとしては以下の2つ。

常に単数扱いするもの
常に複数扱いするもの


①のパターンで有名なのは、不可算名詞 "money" ですね。

「"money" は数えられません」って習った時、びっくりしました。
「え!お金って数えるモノじゃん!」って。

Wikipediaによると、"money" の定義は以下の通り。

貨幣(かへい、英: money)とは、経済学においては、財・サービスとの交換価値情報、及びそのメディア(媒体)の総体であって、財・サービスとの交換や保蔵ができるものであるとの社会の共通認識のもとで使用されるものである。

Wikipedia

「お金」というのは、価値のあるモノやサービスの交換手段として、社会全体が共通で認識しているもの。
つまり、「お金」は「概念」といえます。

「お金」という概念は、具体的な形状を持たず、1つ1つ数えるための単位も存在しません。
「お金1個、2個」とか言わないですもんね。

実際に数えるのは "bills (お札)" や "coins (小銭)" であって、それらを概念的に表しているのが「お金」。
だから、「お金」は数えられないんです。


"furniture (家具)" なんかも同じです。
数えるのは、 "chair" "desk" "sofa"など個別の種類の家具で、それらを総称的に表した「家具」という概念そのものは数えることができません。

こういった名詞は、基本的に可算名詞になることはありません。
不定冠詞 a/an や数詞で、具体的な数を表すことができない不可算名詞です。

⇒ cutlery, footwear, information, luggage, jewelry, machinery, underwear



次に、②のタイプ。 
「①の常に単数扱いする名詞 」と考え方は同様で、「同じカテゴリーに属するモノの総称」を表す名詞です。
ただし、常に複数扱いします。


例えば、"cattle"。
「家畜の牛」を意味する名詞です。

"These cattle are raised for their meat."
「これらの牛は食肉用に飼育されている」

複数扱いなので、be動詞は "are"、指示詞や代名詞は "these" "their" を使います。
"cattle" がすでに複数の意味なので、"*cattles" にはなりません。
"*a cattle" や "*one cattle" もダメです。


「牛」を表す単語は、"cow" "bull" "ox" などがありますが、これらは単数・複数の区別があります。
(それどころか性別の違いもあります。)
これらをすべてまとめて、「家畜の牛」としたのが "cattle" ですね。

家畜の牛は、群れで大量に飼育されているので、全体を総称して "cattle"という1語で表す。
しかし、"cattle"の中身は、1匹1匹の動物なので、複数扱いする、といった感じでしょうか。

⇒ people, livestock, poultry, offspring, police


《今日覚えたい英文法ルール》

同じカテゴリーに属するモノの総称を表す名詞(=対象が集合的な性質を持つ名詞)は、「可算と不可算」「単数と複数」を自由に行き来しない。


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