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自転車旅社会学 離島観光を考える

興味深い記事がありましたのでまずはそれを取り上げます。

与那国島宿の予約が困難だという記事です。Dr.コトーの映画で再度注目されている与那国島ですが、コロナ禍で宿泊業を休業したところが多く、アイランドホテル与那国も2022年現在休業し、企業と賃貸契約を締結して現地で働く人の宿舎になっているようです。

コロナ禍で観光業は大打撃を受けました。今でこそ”リオープン”としてもてはやされていますが、コロナ禍の3年間は非常に長くただでさえ少子高齢化が進んでいた地域では観光客の受け入れが難しくなっています。

離島にリゾート気分を思い浮かべる方もいます。石垣島やその周辺は観光開発され、アクティビティや島めぐりをするツアーがたくさん出ています。

石垣島の川平湾はリゾートとして非常に有名です。現地ではグラスボートなど様々な体験ができます。

またホテルにはリゾート気分を感じさせる設備があるほか、ホテルが斡旋する様々なアクティビティを体験できます。

綺麗なサンゴ礁の海で行われるシュノーケリング体験やカヤック、SUPなど海を舞台にしたアクティビティが多いです。また、近接する西表島や由布島では豊かな自然や水牛など貴重な文化が残っており、ツアーに参加すれば観光船で見て廻ることができます。下は由布島の水牛です。

再度言いますが石垣島周辺は観光開発されており、たくさんの観光客を集めることができる地域です。一方で観光開発されていない地域もあります。

自転車で廻った島のうち喜界島はどちらというと観光開発があまりされていない島と認識しています。その分素朴な自然がたくさん残っていて、実は見どころがたくさんあります。しかしたくさんの観光客を乗せて飛行機やフェリーが行き来する島ではありません。

島の産業はサトウキビ栽培です。喜界島で購入した黒蜜は非常に美味しく濃厚な味です。産業があるから観光開発の必要がないのかは分かりませんが。喜界島には小さなホテルに民宿がありますが、リゾート地のような大型ホテルはありません。従って石垣島のような観光客数の受け入れは困難です。だからと言って周辺をがらりと変えてしまう大型ホテルを誘致する時代でもありません。

話題を変えますが、日本では人口が減少する時代に突入し、それは地方で顕著に表れています。島嶼部も同じであり、所によっては高校進学と同時に島を離れる箇所もあります。若い人が暮らしていくには厳しい状況があります。若い労働力が足りなければたくさんの観光客を迎えるのは厳しいでしょう。一方で地方経済を回していくには地域振興は欠かせません。

以前、サイクリストの役割について記した投稿で地方に自転車観光して現地で消費活動をしようという記事を書きました。持続可能な社会を構築するために地域の活性化は待ったなしの課題と言えるでしょう。次回以降の投稿では「自転車旅社会学」として社会面を考察して、自転車旅を通した持続可能な地域活性化について投稿できればと思います。


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