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言葉を編んでいく感覚

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以前まで『言葉を手にしていく感覚』というブログを書いていました。 http://ryohsblogtakk.blogspot.jp/ それを引き継ぐ形で、今後はこちらに私的な文…
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いい原稿にはコンテクストが詰め込まれている

いい原稿にはコンテクストが詰め込まれている

かなり久しぶりに、たぶん二年ぶりくらいに、仕事で取材原稿を書いた。

基本的にライター業は半引退しているけれど、依頼をくれた方が恩師なので、断れるわけもないし、恩師の依頼はなにがあっても引き受けたい。むしろ、いつも気にかけてくれて、ありがたいくらいだ。

そして、ひさしぶりに取材を行い、自分で文字起こしを行い、構成を作って、原稿を書く、一連のライティングをこなしてみた。こりゃ、まあ大変だ。よくもま

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“よい”記事と“よくない”記事の差

“よい”記事と“よくない”記事の差

何気なくリンクを開いて読むWeb記事でも、グッとくるものと、なんとなく途中で読む気が失せてページを閉じてしまうものがある。

ふと立ち止まり、よい記事とよくない記事の差を考えてみる。

まず記事の良し悪しは構造的に上から順番に、企画(コンセプト)→取材(インタビュー)→構成(原稿化)で決まる。

根っこの企画が破綻しているといい取材はできないし、取材が微妙だと、原稿が仕上がるはずもない。

いい企

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本を書き続ける男、本を読み続ける男

本を書き続ける男、本を読み続ける男

ケニアにやってきてから、早いもので、もう一年以上が経った。

この間、ぼくは経営していた会社を畳んで、毎日ポーカーに明け暮れ、家にいる間はずっと本を読みふけっていた。

ケニアにやってくる前の一年ほどは体調を崩し、会社はメンバーに任せきりで、本を読む気力さえなく、ただ寝転びながら、どうにか明日がやってくるのを待ちながら過ごした。

体調を崩す前はといえば、全力疾走で毎日を駆け抜けていた。仕事とプラ

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(誰にも強制されていない)私的な文章の書き方

(誰にも強制されていない)私的な文章の書き方

上掲のnoteを端緒に、文章を書き始めてから一ヶ月が経った。毎日少しでもなにか文章を書きつける習慣が続いている。

noteを書いて公開するたび、毎回必ず読んでくれて「スキ」をしてくれる人たちがいる。しかもその大半が会ったこともない人たちで、なんてあたたかくて、ありがたいことなんだろう、といつも思う。「ありがとうございます」しか言えない。読んでくれる人が一人でもいるかぎり、ぼくは文章を書き続けたい

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フリーランスにまつわるアレコレの問題群

フリーランスにまつわるアレコレの問題群

無限に仕事は抱えられない、無限に酒は飲めないようにフリーランスを一度でも経験したことある人なら、この感覚すごくよく分かるのではないでしょうか。

たとえるのであれば、大学生活が始まり、まだ無限にお酒を飲めると思っていた頃。

デフレ居酒屋の飲み放題で、何本もの徳利(とっくり)をカプカプと一気飲みして。気づけば女性に両肩を支えられ、街路樹にゲロりんぱ。(人生最悪の教訓になっています・・・)

(当た

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【長谷川リョー】2019年ベスト記事まとめ  10選 第2弾ーーTEAM, OYO, ROMANCE

【長谷川リョー】2019年ベスト記事まとめ  10選 第2弾ーーTEAM, OYO, ROMANCE

編集者目線が受けているのか、良記事キュレーションが好評です。

前回よりちょうど一ヶ月ほどが経過し、いい感じで10記事、勧めたい記事が溜まりましたので放出いたします。

1. 「組織は一度、完全に崩壊しました」──グッドパッチの再起は、組織がWHYを突き詰める重要性を教えてくれる(『FastGrow』)
初っ端から自分が携わっているメディアのコンテンツ紹介で恐縮なのですが、こちらのGoodpatc

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ギルド化したフリーランス集団の、その先

ギルド化したフリーランス集団の、その先

↑のエントリーを書き、独立してから2年。法人を作ってから、半年強。

フリーランスのライターとして独立してから、アシスタントが一人つき、人が増えてチームのようなギルドのような集団になり、今では会社に。

その過程においては、仕事のバリューチェーンを最適化して生産性を最大化すること、個ではなく集団としてスキルアップを図ること、その総体としてモチベーション・マネジメントを十全に行うこと、など試行錯誤を

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読者を惹き込む「リード文・締め文」って?良記事に学ぶ方法論と心構え

読者を惹き込む「リード文・締め文」って?良記事に学ぶ方法論と心構え

個人で出したこちらの記事が広く読まれ、うれしい限りです。

弊社モメンタム・ホースで本日、良記事の「リードや締めを学ぶ」勉強会を開催したのですが、そこで各メンバーからオススメ記事が多数挙がったので、こちらでもシェア。

まず僕から。(作り手のメタ視点から、自分なりのスゴポイントをちょこまかと書きます)

※あくまでそれぞれのメンバーの選好による部分も大きいので、参考までに。

染まることを恐れるな

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「注目している人は?」「落合陽一さん」と答え続けてきた話

「注目している人は?」「落合陽一さん」と答え続けてきた話

職業柄なのか、ばっくりと「注目している人は誰か?本当にすごい人は誰か?」と質問を受けることが多い。

僕は一貫してその度ごとに、落合陽一さんの名前を挙げてきた。

同年代から久々に登場した論客であることは措いて、シンプルに実装と思想がセットになった稀有な人であることが最大の理由と思う。

実装に優れた人、思想に優れた人、一方の極に秀でたプレイヤーは無数にいる。一方で、両面を十全に兼ね備えた人は皆無

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言葉の海でクロールする

言葉の海でクロールする

言葉に触れるほど、飲み込むほど、自らの内に構築される言葉の世界は広がっていく。

さながら、大海に、また新たな水が注ぎ込まれていくように。

だからこそ、瞬時に言葉を受け取って、渡すことが求められる会話のコミュニケーションで息詰まる感覚を覚えることが時にある。

反対に、物を書く、ある意味で“時間に縛られない自分との対話”においては、海が広がるほど思考の深度が増すので豊穣さが出る。

いずれにして

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原稿料を気にしない

原稿料を気にしない

駆け出しのライターとして、取材のお仕事をはじめてから、一度も原稿料なるものを気にしたことがないかもしれない。

『GQ JAPAN』WEBのブログ用に、ガジェット紹介のような記事を書き始めたことをきっかけとして、『週刊プレイボーイ』で記事を書くようになった。

さまざまな媒体で執筆の機会をいただきながら、ここまで過ごしてきたが、量的な観点でいえば、四年前に立ち上げから参画した『SENSORS』(今

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#鬼の確定申告パック (3週間ぶり) 湯河原チーム合宿まとめ

#鬼の確定申告パック (3週間ぶり) 湯河原チーム合宿まとめ

こちらの「原稿執筆パック」以来、約3週間ぶりにチームメンバーを引き連れ、THE RYOKAN TOKYOさんにお世話になってきました。

今回もまた、龍崎さんがツイートしていたこちらを見て、すぐに予約。

3週間ぶりのTHE RYOKAN TOKYO確定申告の進捗は......!?悔しながら確定申告自体は終わらせられず、いまは渋谷の東武ホテルで引き続き作業に当たっております。
それは置いておいて、

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ミレニアルズ・競馬・ホモデウス・パラレル親方

ミレニアルズ・競馬・ホモデウス・パラレル親方

おかげさまで、とても忙しい日々を過ごしています。

本来は取材をするのが本業なのですが、近頃は取材を受けることも増えてきました。(たまたま今月に集中していただけかもですが...)

とはいえ、それらを並べてみると、なんかそのカオスさ(ミレニアルズ・競馬・ホモデウス・パラレル親方の混交体)が自分らしいと感じたのでnoteにまとめておきます。

W. ミレニアルズ

まず『朝日新聞デジタル&M』にて、

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ライターのアイデンティティって?落合(陽一)さんとのこと覚書

ライターのアイデンティティって?落合(陽一)さんとのこと覚書

僕がまだ学環にいた頃、落合さんがまだMCになる前に、宇都宮大学で『Fairy Lights in Femtoseconds』の取材をさせていただいたこともあります。
(→最新作『Fairy Lights in Femtoseconds』と"メディアアート"の定義とは)

こちらは絶賛、書籍化に向けて編集作業の詰めが行われているようです。

僕がライティングさせていただいた、堀江貴文さんとの共著『1

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