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松重豊さんとの旅 はじめましての“禅問答”

松重豊さんとの旅 はじめましての“禅問答”

俳優の松重豊さんが訪ねたのは、横浜市にある曹洞宗、徳雄山建功寺のご住職で、庭園デザイナーでもある枡野俊明さんのもと。まずは、難しそうに感じる禅の教えと「禅の庭」の美のひみつを教えていただきました。(ひととき2022年1月号特集「松重豊さんと旅する 京都・禅の庭」より一部を抜粋してお届けします)

枡野 ようこそおいでくださいました。

松重 今日はよろしくお願いいたします。こちらにうかがってまず驚

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良い文章とは味変と後味である仮説

良い文章とは味変と後味である仮説

何でも科学したい派です。

毎日不思議には思っているのです。同じ自分から生まれた言葉が、ここまで評価が分かれるものなのかと。

書いたnoteの数も結構な数になってきました。その中で感じるのが、スキを多く頂けるnoteと、頂きにくいnoteに明確な差があるということです。

正直、PVは各noteあまり変わりません。さほど多くないので実数はヒミツですが、皆さんフォロワーさんの数前後ぐらいではないか

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本好きは本屋でなにをしているか

本好きは本屋でなにをしているか

何の本を読むべきか、というのは人生の課題です。

そう思っている人は案外に多いとみえて、本好きを自称していると同年代のともだちから「本屋でぶらぶらとは実際何をしているのか」というイイ質問や、「どうやって読む本・読みたい本を選んでいるのか教えて」というリクエストをときどきいただく。社交辞令は一旦本気で受けとるのがモットーなので、このたびまとめて書いてみたい。

わたしは読むのが遅いし、読書履歴も浅薄

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書くということの根っこにあるもの

書くということの根っこにあるもの

編集者を長く続けている方とお話をしたことがある。
そのときあるベテラン作家さんの話になった。日本を代表する著名な作家で、本もたくさん書かれている。

「自分が書くエネルギーの源は、“怒り”なんだ」と、その方が言っていたそうだ。
その怒りこそが、書くという行為を長年続けさせてきたのだ、と。

「そういうもの、あなたにもありますか」
とその編集者さんは私に聞いた。自分がものを作りだす、書くという行為を

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SNS時代における「表現のコモディティ化」

SNS時代における「表現のコモディティ化」

今回の文章は、この2年ほど色々書いてきた「SNS時代の表現」というテーマの、現状におけるまとめみたいな話になります。最初に要旨を書くと、たった一文でまとめられます。それはこういうことです。

SNSにおける情報伝達の超高速化によって引き起こされる「表現のコモディティ化」に、我々はどうやって抗うのか。

この場合のコモディティ化とは、「ある表現が瞬く間に代替可能品で溢れかえるようになること」を指しま

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世界を見つけるということ

世界を見つけるということ

「木洩れ陽」が好きでよく撮ります。美しいですよね。木々の隙間から光が射して映し出されたそれ。風に揺れるとまるで小さな子供たちがダンスしているようにも見えます。この言葉を生み出した豊かな感性に憧れます。ところで英語では「木洩れ陽」を一言で表せられないそうです。

英語では ”sunlight filters through the trees” のようなセンテンスで表現されるそうです。同じように日本

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考えて、書く人が1人生まれるだけ。

考えて、書く人が1人生まれるだけ。

ちょうど1年前、ある文章講座の課題に、その頃の自分の全部を振り絞って、それこそ捨て身の覚悟で2000字を書いて提出した。その文章の講評で講師の方が、伝えてくださった言葉。

書き続けてほしい。絶対やめないでください。本当にやめないでください。やめなければ何になるというようなことじゃないのです。
(中略)
考えて、書く人が1人生まれるだけ。

だけど、それは大したものなんだよ。

だからnoteで書

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難しいことを、いかに解りやすく、そして面白く。

難しいことを、いかに解りやすく、そして面白く。

最近、東海林さだお先生の新しいエッセイ集を買ったので読んでいる。一人酒を、どうしたら楽しく飲めるか?という痛快エッセイ集だ。東海林先生は、漫画もお描きになられるが、エッセイの文体そのものも、まるでユーモア漫画のようで楽しい。どんどん読める、読み込める。他にも、群ようこさん等、面白いエッセイを書かれる作家の先生はたくさんいらっしゃるが、東海林先生は格別だ。

私は思う。真の頭の良い人とは、難しいこと

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表現のコモディティ化と感受性の無気力化

表現のコモディティ化と感受性の無気力化

今日の記事は前回の文章の続きの話になります。前回の文章が「SNSにおいては表現がことごとくコモディティ化してしまう」という話でした。そして記事の冒頭にあとから付記した大事なことなんですが、あの文章は「システム論」なんですね。言い方を変えると、「個人の力では逃れることができない巨大な動き」の話でした。そして今回はそのシステムに巻き込まれた我々人間に何が起こるのかということです。前回が「作り手」側の視

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読書をして「頭でっかち」と言われることについて

noteなどで、読書関連のエントリを見ていると、定番の内容として「読書をすることのメリット」みたいなものを見かける。一方で、「読書をすることのデメリット」みたいなエントリもよく見かける。

驚くのは、読書をすることで頭が悪くなる、と信じている人たちが一定数いるということだ。読書をすることで、知識や理論偏重型というか、理屈を重んじるようになり、頭でっかちになる、というのである。

だから、本なんか読

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