別所隆弘

フォトグラファー, 文学研究者。滋賀、京都を中心とした”Around The Lake…

別所隆弘

フォトグラファー, 文学研究者。滋賀、京都を中心とした”Around The Lake”というテーマでの撮影がライフワーク。 Twitterはこちら https://twitter.com/TakahiroBessho

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  • 日経COMEMO

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  • 闇の先へ

    新著執筆の副産物。精神の水面下で切り捨てられた言葉たちの墓場。

  • 写真展「壁」&Google Pixel展

    2023年4月25日から30日まで渋谷ルデコで開催された写真展壁の展示者による、開催後の感想ノート。今後このサイズの展示をする若い写真家たちに、もしかしたらちょっとした助けになるかもしれないと思って、マガジンとしてまとめました。

  • 「写真と文学」 - 世界を視るメディア

    2017年初夏からインプレス社刊行のデジタルカメラマガジンにて連載していた12回分の記事をまとめたマガジンに、その後似たようなテーマで書いた文章を追加してます。

  • SNS時代の表現

    SNS時代の表現について書いた自分の文章を集めたマガジンです。

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SNS時代における「表現のコモディティ化」

今回の文章は、この2年ほど色々書いてきた「SNS時代の表現」というテーマの、現状におけるまとめみたいな話になります。最初に要旨を書くと、たった一文でまとめられます。それはこういうことです。 SNSにおける情報伝達の超高速化によって引き起こされる「表現のコモディティ化」に、我々はどうやって抗うのか。 この場合のコモディティ化とは、「ある表現が瞬く間に代替可能品で溢れかえるようになること」を指します。つまりSNS時代、特に今後5Gが整備され、情報伝達がさらに加速化し、空間の距

    • 闇の先へ20

      本の執筆の副産物であるこの断章も、そろそろ終わりを迎えようとしている。2月18日の深夜、俺は著者校正をしている。自分が書いた生の原稿を、編集者が整形してくれたものを、さらに自分の目でもう一度確認する。こうやって一冊の本が世に出る。その最終コーナーを回ろうとしている。俺のできることはもうそろそろ終わりなのだ。 俺は結局闇から抜けられるのだろうか。本の最後で俺は「光」を書いた。迷い続けながら書いた本の最後に、俺は少しだけ光をみつけた気がしたからだ。だがその光はとても淡く、おそら

      • 1月1日に新NISAで買った個別株と投資信託の内訳と利益を出しつつ、クリエイターに投資を促す投稿

        今回は珍しく記事に課金してます。儲けたいんじゃなくて、たった一月分でも投資の利益を書くってのはあれこれ面倒くさいアレが伴いそうなので、すまんが先を見たい人はちょっと課金してってくださいってことにしました。 あ、読んだ内容とか投稿している画像をXとかinstaとかで言わんといてね。大した儲けでもないけど、やっかまれるのも面倒だし。 で、この下、課金されている部分で書かれているのは 1.まずは一覧のまとめ画像(バナーでぼかしてる部分を明確にした画像) 2. 新NISA開始の

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        • 闇の先へ19

          この「闇の先へ」と題された連続の文章は、今俺が書いている本が書き上がったタイミングで全て非公開になる予定でいる。そして実はもう、ほとんど脱稿している。一つ前の18を書いてから随分間に空いたのは、本の原稿が書き上がったからだ。この文章は、本の原稿の副産物、思考と感情の「澱」と「淀」を記したものだから、必然的に、本体の方が無ければこちら側が生成されないのは理にかなっている。もうそろそろこの「副産物」は消え去ることになる。 本を書いて良かったと思う。この数年自分が考え続けてきたこ

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        SNS時代における「表現のコモディティ化」

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          闇の先へ18

          過去に書いた自分の文章を読んで愕然としている。数年前の俺は、本当に文章がうまかった。今の俺は、明らかに劣化している。その劣化が根本的で不可逆な死への転落の過程の一部なのか、それとも数年間言葉を失っていたことの後遺症がまだ残っているからか、それは俺にはわからない。わからないが、事実は残酷だ。今の俺の文章は劣化している。まずはそれを受け入れなければならない。

          闇の先へ18

          闇の先へ17

          マスクをつける時は、眼鏡で出るようにしてる。吐く息で白く曇る。太陽の方に顔を向けると、古いレンズを太陽に向けた時のように、光が拡散して何も見えない。それでいい。見えすぎて心が圧倒されるよりは、見えない場所で立ち尽くしたい。静かに降り積もる雪のように俺の視界を奪ってくれ。何も見なくて良いように。見たくないものが見えないように。

          闇の先へ17

          闇の先へ16

          それは突然やってくる。頭の中に一気に、まるで溜まったマグマが噴出するようにアイデアが飛び出してくる。今がその瞬間で、忘れないうちに一気にメモに書き終えた。大体がシャワーを出た後なので、髪の毛も乾いてない。が、アイデアは待ってくれない。くしゃみしながら、いくつかのアイデアを形にしてまとめた。 時間を見ると仕事に間に合うかどうかギリギリ。それなのに俺はnoteまで書いてる!それは突然くる、ラブストーリーより突然に。

          闇の先へ16

          闇の先へ15

          Tom Traubert's Bluesが突然車でかかった。人生に疲れた敗残者の歌、と言っていいのかわからない。トムの目線は負け犬でありながら孤高で美しく、負けるということに対する卑屈さがない。ただただ孤独で、夜の闇の中、足を引きずって次の酒を浴びるまでの時間を生きる、そんな人生の負け犬を、酒で焼けた声で美しく歌う。その歌詞が時々ひどく沁みる。涙が出そうになるが、グッと堪える。 今も昔もガンズというバンドが大好きで、高校生の時にNovember Rainという曲のビデオを見

          闇の先へ15

          闇の先へ14

          調子がいい時の俺の文章は、自分で言うのもなんだが、ある種の色気とオーラが漂っているという自覚がある。それはそのようなものとして文体を蓄積してきた俺のこれまでの生き方の結果なのだが、それが自分にもわかるくらいに感じられる時は調子がいい。困ったことにその調子とやらは、いつ何時やってくるかわからない。体調にも連動しない。今日などは、ひどい風邪がようやく峠を越えて、ほんの少しだけ体力が回復した瞬間に思いついたことを書き留めようとしたタイミングで「それ」が訪れた。わずかに回復した体力を

          闇の先へ14

          闇の先へ13

          昨日手元からこぼれ落ちた論旨が、何度か地面でバウンスしている様子を酩酊の中で見つけて、なんとかその首根っこを捕まえて、強引に言葉の海に沈み込ませることができた。そいつは溺れる途中で「まだ早いまだ早い」というのだが、そんなこと知ったことか、俺がいいというのだ。いや、確かに、少し早い気がする。そこに置いてしまうと、言葉がアクロバティック宙返りをしている気がしないでもないが、それはそれでいい。むしろそのジェットコースターのように暴れる言葉たちの不満が、また文章に火をつける。俺はそれ

          闇の先へ13

          闇の先へ12

          浴びるほど酒を飲むことは、明らかに体に悪いことを知っている。しかも先日の健康診断で、どうも俺は長生きできなさそうな体であると分かった以上、多少は労わらねばならないことも知っている。だがそれがどうした?アルコールは大脳に強い悪影響を与えて、人間の理性を司る大脳を徐々に削り取ってしまうらしい。だがそれがどうした?どうせ人は死ぬ、多少の長さの違いはあれども、死ぬ。それなら、この酩酊の中でのみ見える光景に、その数年か数十年分を賭けるくらいの傲慢さは許してくれ。 バッハが轟音で鳴り響

          闇の先へ12

          闇の先へ11

          原田マハの楽園のカンヴァスの一節を借りながら、「嘘」について書こうとした。途中まで論旨がドライブして、跳躍を果たせそうになったその直前、足元がガラッと崩れて、俺の言葉は奈落の底へと落ちてしまい、闇の中で迷子になった。こういうこともある。 前半千文字を書いている途中に見えていた「着地点」は、おそらくはまだどこかに生きているはずだ。ただ、跳躍に必要だったもう一つ間の「中継点」を、俺は多分横着してすっ飛ばそうとして、目的地を見失ってしまった。ただもう、文章の握力は今日は保てない。

          闇の先へ11

          闇の先へ10

          友だちが死んだ。最前線で一緒に戦ってた写真仲間の死は殊更にこたえて、昨日はただただ泣きながら浴びるように酒を飲むしかなかった。悔しかったろう、無念だったろう。いつか、もうちょい先で合流した時、その話をちゃんと聞くよ。冥福を。 6年で俺の心の中にあった異形の牙が抜けてしまった。それを再び再生して研ぎ澄まさなければいけない。歪んで醜い形をしていても、それが俺の強さの源泉だったからだ。6年の間、ただただ踏みつけられ、傷つき、自分が信じられなくなってしまった。牙を折ってしまった。再

          闇の先へ10

          闇の先へ9

          妊娠20ヶ月の妊婦、という謎から始まる物語を知っているだろうか。京極夏彦の姑獲鳥の夏という小説だ。これを高校生の時に読んだ俺は、随分とその後の考え方に影響を受けた。この世界をありのままに見ることは不可能である、という感覚。 それを今、再度言葉にして伝えようとしている。しかも写真の本でだ。 調子が良くて笑いそうになる。全く意味が分からず、読者を説得できるのかどうかも分からない。ただ、これは俺にしか書けないし、成功しようと失敗しようと、これは俺の本になるだろう。楽しみで仕方な

          闇の先へ9

          闇の先へ8

          また言葉がメチャクチャになっている、最高だ。 獣道、魔女、ワルプルギスの夜。音楽、漫画、アニメから文学、神話、民話まで、俺の頭の中でただただ単語が「写真」を真ん中にしてぐるぐる回っていて、俺はそれを必死に手づかみするが、まるでその文章は意味が通らない。その意味が通らない文章を、首根っこを掴んで強引に抑え込もうとすると、その手はむしろ俺の首自体を締め付けて、俺は間も無く息苦しくなる。 そういう夜こそ、最高の夜ではないか。闇の先はまだ見えない。

          闇の先へ8

          闇の先へ7

          1時42分、すでに意識は半分消えかかっている。 6年前、どこかに落とした自分の影を探している。あるいはそれは最初からなかったのかもしれない。あったと思いこんでいただけなのかもしれない。夢の中で影が何かを伝えようと声を出す。必死にそれを聞こうとするが俺には聞こえない。次第に俺は気づくのだが、俺の方がもしかしたら影なのかもしれない。あの叫んでいる誰かこそ、本当の俺なのだ。 そのような夢を今見た。そして忘れないうちに記す。俺は普段夢を見ない。暗い心は暗い夢を見る。もっと暗い心は

          闇の先へ7