カミュの本「シーシュポスの神話」は、多分10代から20代の僕にとって最も大きな影響を与えた本だったと思う。尖りまくってすべてを否定し、薙ぎ倒そうと思っていた10代の僕は、カミュがこの神話の最後に書いた「すべてよし(tout est bien)」という一言、そしてそれを体現した「いまや、シーシュポスは幸福なのだと思わねばならぬ。」という一文に出会って、世界への見方がガラッと変わった。
神の罰によって、永遠に岩を山の上に運び続ける(しかも頂上に着いた途端に岩は地上に転がり落ちる
Tom Traubert's Bluesが突然車でかかった。人生に疲れた敗残者の歌、と言っていいのかわからない。トムの目線は負け犬でありながら孤高で美しく、負けるということに対する卑屈さがない。ただただ孤独で、夜の闇の中、足を引きずって次の酒を浴びるまでの時間を生きる、そんな人生の負け犬を、酒で焼けた声で美しく歌う。その歌詞が時々ひどく沁みる。涙が出そうになるが、グッと堪える。
今も昔もガンズというバンドが大好きで、高校生の時にNovember Rainという曲のビデオを見