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ポジショントークを考える

ポジショントークを考える

ポジショントークは嫌われ者です。

誰かの主張が「ポジショントークだ」と評される時、まずそれはネガティブな意味合いで使われているでしょう。

その人のポジションからすると、その人自身がより有利になるような主張をすること。これが「ポジショントーク」と呼ばれ、自己利益誘導や保身を図る利己的なものとして忌み嫌われているわけです。

まあ、確かに小狡い感はありますよね。
実際、江草も時々「ポジショントーク

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子どもを人質にして働かせる家族愛搾取

子どもを人質にして働かせる家族愛搾取

医局人事を揶揄したブラックジョークネタで、「医局員が結婚して、子どもが生まれてローンを組んで家を建てた瞬間に僻地への単身赴任勤務を指示する」というのがあります。

ローンを組んで本人の身動きが重くなったところを狙い撃ちというわけですね。人事に気が進まなくても、家族を養い家のローンを支払わないといけないから、渋々従うと。

まあ、最近ではそんなことをしたらすぐに脱局、転職されてしまいそうなので、ここ

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仕事の責任と報酬は比例しない

仕事の責任と報酬は比例しない

世の中なんとなく「責任と報酬が比例してるんだ」という暗黙の前提あるじゃないですか。つまり、「俺たち(彼ら)の報酬が高いのは、その分、重い責任を担っているからだ」みたいなそういう感覚です。その逆の「重い責任を担う者は当然にそれに値する高報酬をもらうはずだ」という感覚も広く共有されてるように思われます。

医師なんかは特にそういう認識で捉えられることが多いですね。命に関わる責任ある仕事だからこそ高報酬

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この社会で成功する秘訣

この社会で成功する秘訣

いやあ、身も蓋もないブラックな開幕で申し訳ありません。

でも、こういう側面はぶっちゃけ現実としてあると思うんですよね。

何かしらに成功するためには、それに労力や時間を注ぎ込んだ方が有利になる。だから、そうした労力や時間を削がれてしまうようなケアワークは他の人に任せるに限る。

成功の秘訣は究極的にはこうなっちゃうんですね。

もちろん、例外的な人はいますけれど、全体的な傾向としてどうしてもそう

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新型「共有地の悲劇」

新型「共有地の悲劇」

新型と言いつつ、別に全然新しい現象でもない気はしますけれど、あえて新しいタイプという立て付けで提案してみようという試みで。

「共有地の悲劇」という有名な小話がありますね。

みんなで使う共有地を設置したところ、みんな好き勝手に利己的に使うことで環境は荒れ放題、資源がついには枯れ果てて、共有地そのものが持続不可能になってしまうという現象を「悲劇」と称してるお話です。

「コモンズの悲劇」とも呼ばれ

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日本の後進性は経済に非ず

日本の後進性は経済に非ず

日本が経済的に貧しくなったとして「もはや後進国」みたいなことを言う人がいるそうです。
これに対しては、いろいろツッコミたくなりますね。
まず、GDP が中国とドイツに抜かれたからといって、依然として世界第 4位の生産力を誇る国が「経済的に貧しい」ってありえますか?

2009年まで世界第 2位だったのが、この 15年で 4位に転落したことから、 “相対的に” 貧しくなったとは言えそうですが、そもそ

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次に来るのは「脱労働」時代

次に来るのは「脱労働」時代

さすがミル先生!
おれたちに言えない事を平然と言ってのけるッ
そこにシビれる!あこがれるゥ!

……と、ふざけた小ネタで開幕してみましたけれど、実際そうだと思うんですよね。

それまでは当たり前で常識で必要不可欠だと思っていたものが、次の時代で覆ってるというのは歴史上しばしば見受けられる変化なわけです。

諸手を挙げて全ての時代の変化を良いものと捉えるのも、いささか素朴な進歩史観に過ぎますけれど、

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破廉恥金八が説く人生の悦び

破廉恥金八が説く人生の悦び

近所のスーパーのレジに、全盛期の金八先生みたいな口調で接客するおばちゃんがいます。
私が中学生の頃からいるから、もう出会ってかれこれ15年くらいになります。
金八先生の全盛期とは。(独断)
よくモノマネ芸人とかがやる、長髪を軽やかになびかせて、リズミカルに頭を揺らしながら、
「この~バカチンがっ!」
ってアレね。
凄く良い声だなぁ、と思うのですが、やはりクセはだいぶ強め。
武田鉄矢だからというか、

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発明ではなく発見、謙虚とは何か?/仏教、写真

発明ではなく発見、謙虚とは何か?/仏教、写真

関節技の鬼こと藤原喜明さんは

プロレスの神様と言われる

カール・ゴッチさんのもとでプロレスの基礎や

関節技を学ばれたそうです。

ある時

藤原さんは練習中にある関節技を発明したと思い

カール・ゴッチさんにその話をした所

こんな事を言われたそうです。

「いいか藤原、パンクラチオンの時代から

何千年と経っているんだ、その中で

お前が発明したと言えるのか?

誰もやっていな

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「生産性の向上」が生活を脅かしているという話

「生産性の向上」が生活を脅かしているという話

日本社会ではとにかく「生産性の向上ガー!」の話題ばかり。
だから、ビジネスパーソンは常に仕事の生産性を高めるにはどうすればいいかを考え続けています。
これが本当に厄介。
業務中だけ仕事の効率を考えるだけならまだしも、プライベートでも、例えば「充実した休日を過ごすためにはどうすればいいか?」みたいなことを考えるようになり、「生産性の向上」が私たちの生活を脅かしつつあります。

仕事でもプライベートで

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なかよし夫婦黄金期

なかよし夫婦黄金期

現在令和6年5月。
少子高齢化は止まらなくて婚姻率も低下の一途。
結婚なんていろいろメンドクサイ!やらないよ!
そもそもお金がないんだが?物価も下がらない!
結婚したら国が5000万+住居くらい贈れよな!
いや国じゃなくてもせめて親は祝福してくれよ!
おめでとう!!って心から言ってくれればさぁ
他にはなーんにもしなくていいから。干渉もね。

まあ、いろいろ希望のないこと言ったけど
私、今の時代そん

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労働と遊びのあいだ。お金は必要か?

労働と遊びのあいだ。お金は必要か?

情報商材などの有料記事を売ることについて書かれた、困難スライドリボルビング精神さん(以下、困難さん)の記事(☟)を読みました。

一部、抜粋します。

明快。そして痛快ですね。
困難さんは、自分の記事を売ることはないですが、投げ銭スタイルの記事を投稿されています。
「結果としてお金を払う行為であることは同じですが、その対象がコンテンツなのか?作者への労いや応援の気持ちなのか?では全然違う」ともおっ

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「本当の人生は破綻したところから始まるのです」と彼は言った。

「本当の人生は破綻したところから始まるのです」と彼は言った。

作家の車谷長吉氏が亡くなったのは2015年5月17日のことだ。
訃報を知った私は、翌日のブログに、言いようのない喪失感を載せている。
名を「ちょうきつ」と読むことは、そのときに初めて知った。

恥ずかしながら彼の小説を読んだことはない。
読む機会も、その能力もなかった。
学校や会社で「いかにも本を読んでいそうに見えるけれど実は読んでいない人」を競ったら、トップ争いをすると思う。

いまはないが、夫

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生産性ってなんですか?【アンチワーク哲学】

生産性ってなんですか?【アンチワーク哲学】

最近ふと気づいた。生産性という言葉は二つの意味で使用されているが、両者の用法が混同されていると。

まず一つ目の意味は、「ダイコン一本を収穫するために費やしたコストの比率」的な意味である(ここでいうコストとは金や労力や資源など)。十時間費やしてダイコンを一本生産するよりも、十時間でダイコンを二本生産したほうが生産性が高い。あるいは、五時間で一本生産する方が生産性が高い。といった意味の生産性である。

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