江草 令

社会健康系診断医。誰もが人生にワクワクし充実感を持って働ける社会を目指すスローガン… もっとみる

江草 令

社会健康系診断医。誰もが人生にワクワクし充実感を持って働ける社会を目指すスローガン「ライフワークワークス」を提唱しています。働き方・少子高齢化などの社会問題についての考察や、読書好きで色々な本の読書感想文を書いてます。長期育児休業経験者。子どもラブ。 Amazonアソシエイト。

マガジン

  • 江草令の書評マガジン「読んだよ」

    本を読んで、その感想を江草が記します

  • これからの医療の話をしよう

    医療について考えた記事を集めます

  • LIFEWORK WORKS

    人生がワクワクして、仕事が天職に思える、そんな世界を目指すプロジェクト

  • 一日一記

    江草が毎日何かしら考えたことを書く日記みたいなプロジェクトです。 基本的には平日の朝に更新するスケジュールです。予告なくサボる場合もあります。 2023年2月から一時的にお休み中です(不定期更新となっています)。

  • 男性医師の育業・育児生活

    育児に関する体験談や考えたことを書きます。

最近の記事

世界をみんなの推しにする

僕が今でも思い出すのは二人の先生方から頂いた言葉だ。 一人は僕が小学生時代に通っていた塾の講師で、快活な女性の先生だった。僕は塾でいじめにあってたのだけど、それを察知した先生はクラスメートを叱りつけ短期間でいじめをピシャリと止めてしまった。僕を救ってくれた姿があまりにカッコよすぎて初恋とも言える気持ちを抱いたのを覚えている。 そんな先生が僕にかけてくれた言葉がある。 「これからも時に理不尽なことや嫌なことに出会ってしまうかもしれない。でもそれでもこの世界を嫌いにならない

    • 『同志少女よ、敵を撃て』読んだよ

      昨日の『傲慢と善良』の感想に引き続き、今日は逢坂冬馬『同志少女よ、敵を撃て』の感想を。 こちらも本屋大賞受賞などしてる話題作ですね。 例によって核心的なネタバレはしませんが、読む前に内容の雰囲気さえ知りたくない人はここでUターン推奨です。 舞台は第二次世界大戦の独ソ戦の最中にあるソ連。ナチドイツに故郷の村を襲われ、家族や親しい人たちをことごとく失った少女が、復讐のためソ連赤軍の狙撃兵部隊に入り活躍していくストーリーです。 テーマが歴史上最大最悪の戦争と言える独ソ戦であ

      • 『傲慢と善良』読んだよ

        忙しいっす。(近況報告) 個人的に、多忙な時分には頭を使ったり読書メモを取ったりが億劫なので、流れるように読むことができメモも不要な「小説」を読むのが好適と思っています。 読書自体は江草にとって食事や入浴のように生活習慣の一部なので止まることは基本ありません。隙あらばスマホのKindleアプリで読む感じです。 そんな中で、最近読んだ小説が『傲慢と善良』と『同志少女よ、敵を撃て』の2作品。いずれもベストセラーの話題作。ちょうど良い機会なので読みました。 それぞれ簡単に所

        • いつのまにか9月になってたので近況報告

          気がついたら9月になっていて、8月のあっという間の去り具合に呆然としている江草です。皆さんいかがお過ごしでしょうか。 個人的に8月はトラブルが多くてひーこらひーこら言ってました。別に大病とか事故とか、そんな人生の一大事みたいなことが起きたわけではないのですけれど、それぞれはたいしたことがなくても、立て続けに複数のトラブルが重なるとけっこう心身に来るものがあります。 トラブルを各個撃破しているうちに気づいたら9月になっていたというわけ。ほんと8月は疲れました。死ぬほど暑いし

        世界をみんなの推しにする

        マガジン

        マガジンをすべて見る すべて見る
        • 江草令の書評マガジン「読んだよ」
          江草 令
        • これからの医療の話をしよう
          江草 令
        • LIFEWORK WORKS
          江草 令
        • 一日一記
          江草 令
        • 男性医師の育業・育児生活
          江草 令
        • ぼくらの時間戦争
          江草 令

        記事

        記事をすべて見る すべて見る

          『白い巨塔が真っ黒だった件』読んだよ

          大塚篤司『白い巨塔が真っ黒だった件』読みました。 「SNS医療のカタチ」というSNSでの医療情報発信活動にも精力的に参画していることで知られる皮膚科医の大塚篤司先生によるフィクション作品です(他の方と違ってどうしても医師の方の名前には「先生」と付けてしまいたくなるのは職業病なのでお許しを)。 大塚先生はつい最近の2021年に近畿大学医学部皮膚科学教室の主任教授に就任されたのですが、実際に教授になるまでの教授選の苦闘の裏側を綴ったのが本作ということになります。 もっとも、

          『白い巨塔が真っ黒だった件』読んだよ

          子育て世代が欲しいものはお金か時間か

          こないだたまたま流れてた番組でどこかの偉い先生と思われる方が少子化問題について解説されていたのを聴きまして。 偶然過ぎて、何の番組だったのか、どなただったのかも分からないのですが、だいたいこのような主旨のことを語ってらっしゃいました。 めっちゃうろ覚えなので、全然正確なセリフじゃないですが、こんな感じの話でした。 これを聴いていて、江草としては「さすが興味深いポイントの指摘だなあ」とまず思いつつも、「でも半分同感半分違和感だなあ」というのが正直な感想でした。 まず、お

          子育て世代が欲しいものはお金か時間か

          「完璧に客観的で合理的でないと嫌だ」という「感情論」に合わせる合理性

          たとえば「このまま子どもが減っていくと社会保障が維持できなくなるぞ」として少子化に警鐘を鳴らす意見を言うと、「社会保障制度の維持のために子どもを作れだなんて子どもを道具扱いしている。不謹慎だ」という批判がでてきます。 まあ、それは確かにその通りなんです。 本来、子どもは「社会保障制度維持のため」みたいに道具的に産むべきものではないでしょう。「人を手段として用いるな」と、かの大哲学者カントも言っています(読んだことないからほんとは知らないですが)。 子どもは社会や未来のた

          「完璧に客観的で合理的でないと嫌だ」という「感情論」に合わせる合理性

          『SECOND BRAIN』読んだよ

          ティアゴ・フォーテ『SECOND BRAIN』読みました。 個人的には久しぶりのPersonal Knowledge Management本。「知的生産技術」(本書では「知的生産術」)とも呼ばれるジャンルのノウハウ本です。 最近思うことがあり、個人的に愛用してるPKMツールのObsidianを大幅にいじってるタイミングでもあって、たまたま見かけて買いました。 「SECOND BRAIN(第2の脳)」とは知的生産技術クラスタでは言わずとしれたミームです。Obsidianも

          『SECOND BRAIN』読んだよ

          『客観性の落とし穴』読んだよ

          村上靖彦『客観性の落とし穴』読みました。 題名の通り、昨今の世の中で優勢を誇っている客観性志向について批判的に見る本です。ここで言う客観性志向とは数値とかデータとかの「エビデンス」に重きを置く風潮のことを指します。(ほんとは客観主義と言うべきなのかもしれませんがあくまで世の中の風潮レベルであって確固たる「主義」とまでは言えないと思うので客観性志向にとどめておきます) そうした客観性志向の象徴としてでしょう。「それって個人の感想ですよね」「エビデンスはあるんですか」という煽

          『客観性の落とし穴』読んだよ

          それを「勤務時間を増やしたい」と言うべきか

          前回、女性就業が過去最高レベルになったという報道から、たとえ労働者1人あたりの労働時間が減っていたとしても、(とくに働き盛り世代の人々における)労働時間の割合は増えてるんじゃないかという話を書きました。 記事の最後に、「女性就業はなぜ拡大しているのか」を考えるのが大事だと指摘したのですが、ちょうどこれを考えるにあたってちょうどいい題材になりそうな記事を見かけたので紹介します。 この記事です。 いわゆる「年収の壁」がなければ勤務時間を増やしたいと回答する女性が多かったとい

          それを「勤務時間を増やしたい」と言うべきか

          労働時間を減ってると見るか増えてると見るか

          女性の就業人数や就業割合が過去最高になったとの報道がありました。(なお揮発性が高いことで名高いYahoo!ニュースなので近いうちにリンク切れになるかも) いわゆる「女性の社会進出」が進んでいるという調査結果と言えますね。 記事では育児支援制度の充実により仕事と育児の両立がしやすくなったことを女性就業の増加の要因として挙げていますが、独身の就業女性も少なからずいるでしょうから、記事に載っているような大雑把なデータではその妥当性はなんとも言えないところかと思います。 さて、こ

          労働時間を減ってると見るか増えてると見るか

          創作大賞に向けて実は小説も書いてたんですが、明らかに仕上がりが締め切りが間に合いそうになかったのでまたの機会にしました😅 ほんっと文章を書くって難しいです(とっても楽しいけど)。

          創作大賞に向けて実は小説も書いてたんですが、明らかに仕上がりが締め切りが間に合いそうになかったのでまたの機会にしました😅 ほんっと文章を書くって難しいです(とっても楽しいけど)。

          パパママだってデートしたい

          ある晩、子どもの寝かしつけが終わってようやく一息ついた時。既に寝巻き姿の妻がおもむろにつぶやいたのです。 「あの焼き鳥屋さん、また行きたいなー」 付き合っていた頃から新婚時代まで、デートで何度か行ったお気に入りの焼き鳥屋。常連というほど足繁く通っていたわけではないですが、「僕ら結婚しました」という報告をするぐらいには店長とも馴染んでました。カウンターしかない小さな隠れ家的なお店で、若いのに気が良くて腕もいい店長が切り盛りしていました。出される焼き鳥はどれもジューシーで美味

          パパママだってデートしたい

          締め切り間近になって急に創作大賞書いてみようかと思い始めたので、しばらくその執筆モードになります。締め切りという有限性の存在って人をその気にさせますよね。まあ、記念受験レベルのものですが。 それが終わったら次はKindle本を書こうかなと企んでます💪

          締め切り間近になって急に創作大賞書いてみようかと思い始めたので、しばらくその執筆モードになります。締め切りという有限性の存在って人をその気にさせますよね。まあ、記念受験レベルのものですが。 それが終わったら次はKindle本を書こうかなと企んでます💪

          『新しい階級闘争』読んだよ

          マイケル・リンド『新しい階級闘争』読みました。 著者のマイケル・リンドはアメリカの政治学者。 冒頭の引用で著者自身で要約されてるように、本書は欧米民主主義社会における「高学歴の上流階級」と「労働者階級」の間の政治的分断と対立を解説した一冊になります。 「大都市エリート」対「土着の国民」という上下対立の時代今までは政治的対立と言えば、左派と右派の間、つまり左右の間の対立と見る図式が定番でした。 しかしながら、今やその様相は変わり、主流の左派も右派も高学歴の上流階級が占めるば

          『新しい階級闘争』読んだよ

          『労働なき世界』読んだよ

          ホモ・ネーモ『労働なき世界』読みました。 ホモ・ネーモ氏は、ここnoteで江草と相互フォローさせていただいている間柄の方。日頃より、世の中の労働主義への批判と、余暇の追求の必要性を主張されてる方で、いわば日本版「アンチワーク」派のネット論客のお一人です。 匿名でnote運営されてるのもあり、正直謎が多い方ではあるのですが、普段は普通にサラリーマンをされてるとのことで(今は育休中とも)、学者であったりジャーナリストであったり活動家であったりといったこともない一般人のご様子で

          『労働なき世界』読んだよ