江草 令

社会健康系診断医。誰もが人生にワクワクし充実感を持って働ける社会を目指すスローガン「ラ…

江草 令

社会健康系診断医。誰もが人生にワクワクし充実感を持って働ける社会を目指すスローガン「ライフワークワークス」を提唱しています。働き方・少子高齢化などの社会問題についての考察や、読書好きで色々な本の読書感想文を書いてます。長期育児休業経験者。子どもラブ。 Amazonアソシエイト。

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誰もが人生にワクワクし充実感を持った働き方ができる社会を目指すにはどうすればいいのか、何が問題なのか、を考えている江草の発信活動「LIFEWORK WORKS」を支援していただくためのメンバーシップです。 基本的に対価はなく、支援者としての参加をお願いする形になります。普段の江草の発信内容を見て、支持したい、応援したいと思われた方の中で余裕がある方はご支援をお願いいたします。 ただ、時々、公開はしたくない秘匿性の高い内容の特典記事をメンバー限定で掲載することはしようかと考えています。あと、支援者の方々との掲示板での交流もできたらなと思っております。

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記事一覧

『人口は未来を語る』読んだよ

ポール・モーランド『人口は未来を語る 「10の数字」で知る経済、少子化、環境問題』読みました。 一部で話題となっていた人口論の一冊。著者のポール・モーランドはイ…

江草 令
12時間前
8

政治家たちを突き動かすもの

ご存じの通り、こないだトランプ元大統領暗殺未遂事件がありました。幸い命にかかわるようなことにならず、記憶に新しい本邦の安倍元総理の悲劇の繰り返しを免れて、ほんと…

江草 令
1日前
8

エビデンスの持ち腐れ

エビデンス主義全盛の世の中において、データや典拠を付与する言説は当たり前のようになってきました。 江草がなんとなく手に取る書籍でも、これでもかと"[2]"みたいな脚…

江草 令
2日前
11

ガチャガチャどんどん増殖してない?

子どもとお出かけしてる時に、最近感じるのは異様なまでのガチャガチャの数の多さです。 特におもちゃ屋やショッピングモールでのガチャガチャ勢力の拡大がすさまじくて、…

江草 令
3日前
12

お金より時間の時代に

何かとコスパ(コストパフォーマンス)とタムパ(タイムパフォーマンス)と両者は並列で語られますが、実際にはタムパの方が優位であると考えられます。 コスパは、コスト…

江草 令
4日前
16

クリエイターとは何か

図工の通信簿が常に「1」であった江草が、あろうことか子どものために簡単なペーパークラフト的な作業をしようと思い立ちまして。 そしたら案の定、紙の縁で指を切って流…

江草 令
5日前
10

『二月の勝者』が終わってしまった

中学受験漫画の金字塔『二月の勝者』が完結してしまいました。 江草的には結構お気に入りの漫画で、折に触れて繰り返し読むぐらいには好きでした。 ↓の記事でちょろっと…

江草 令
6日前
9

ポジショントークを考える

ポジショントークは嫌われ者です。 誰かの主張が「ポジショントークだ」と評される時、まずそれはネガティブな意味合いで使われているでしょう。 その人のポジションから…

江草 令
7日前
6

人生をよく噛んで食べる

子どもとお出かけをしていると、ほんと思いもよらない物をパッと見つけてくるから驚かされます。 子どもが「あ、アンパンマンだー!」と突然叫ぶのだけれど、大人は「え、…

江草 令
8日前
12

子どもを人質にして働かせる家族愛搾取

医局人事を揶揄したブラックジョークネタで、「医局員が結婚して、子どもが生まれてローンを組んで家を建てた瞬間に僻地への単身赴任勤務を指示する」というのがあります。…

江草 令
9日前
18

身内や同志に厳しくなれるかどうかが一番難しい

批判的思考とか批判的態度が大事と言われます。 なんなら、江草自身もここnoteでそんな話をちょいちょい書いてきています。 「批判する」という行為自体が忌避されて、空…

江草 令
10日前
11

自由時間とモチベーションの不思議な関係

自己啓発的な言説の一つのパターンとして「どうやってモチベーションを維持するか」みたいな方向性のものがある気がします。 「よし勉強するぞー」といって机に向かったは…

江草 令
11日前
15

議論は話し言葉か書き言葉か

先日の都知事選で2位となった石丸伸二氏の質疑応答の態度が話題になってます。 質問者に逆に質問を返したり、「もうその点はさっき答えましたよ」と誤魔化したり、別の問…

江草 令
12日前
8

現代社会における「七つの大罪」の状況を概観する

最近読んでる本が立て続けにちょうど七つの大罪っぽいなと思いまして。 七つの大罪とは、キリスト教世界で「こうなったらあかんでー」という罪が7個リストアップされてる…

江草 令
13日前
17

子連れサマー

屋内では運動不足になるワンパクな子ども + 灼熱の外界 = サバイバル というわけで、暑いですね。暑い。大事なことなので二度言いました。暑い。(三度目) そりゃ…

江草 令
2週間前
13

ブルシット・ジョブは嫉妬ジョブなのかも

こないだ読んだ『嫉妬論』を受けてのスピンオフ的な雑考。 『嫉妬論』。この民主社会において嫉妬は不可分な存在でありながら見て見ぬふりをされるタブーとなっていること…

江草 令
2週間前
15

『人口は未来を語る』読んだよ

ポール・モーランド『人口は未来を語る 「10の数字」で知る経済、少子化、環境問題』読みました。 一部で話題となっていた人口論の一冊。著者のポール・モーランドはイギリスの人口学者。少子高齢化、移民、世界人口ピークアウトなど現代世界が抱える人口問題を概括されています。 結論から言えば、評判になってるだけあって非常に面白かったですね。広くオススメできる良書です。 江草は以前から人口問題に関心があって、過去に『人口大逆転』や『2050年世界人口大減少』などを読んだ感想も書かせて

政治家たちを突き動かすもの

ご存じの通り、こないだトランプ元大統領暗殺未遂事件がありました。幸い命にかかわるようなことにならず、記憶に新しい本邦の安倍元総理の悲劇の繰り返しを免れて、ほんと良かったなと思っています。 日本よりもよほど暗殺の歴史が色濃い米国ですが、民主主義国家の雄として今後ともこうした暴力による政治介入が防がれるように全力を尽くされることを望みます。トランプ氏の態度や思想に色々思うところは皆さんあろうかと思いますが、やはり暗殺というのはね。 しかし、今回のトランプ氏の一件を見ても、改め

エビデンスの持ち腐れ

エビデンス主義全盛の世の中において、データや典拠を付与する言説は当たり前のようになってきました。 江草がなんとなく手に取る書籍でも、これでもかと"[2]"みたいな脚注記号がそこかしこに施されてることが多いですね。もちろん、きっちりした学術書はもともとそうだったと思いますが、昨今では比較的ライトな書籍でも参照をしっかり書くようになったということです。 これ自体はとても良いことだと思ってます。やっぱり論拠が不明な言説はどうしても信頼性に欠いて、説得力を落としてしまいますからね

ガチャガチャどんどん増殖してない?

子どもとお出かけしてる時に、最近感じるのは異様なまでのガチャガチャの数の多さです。 特におもちゃ屋やショッピングモールでのガチャガチャ勢力の拡大がすさまじくて、他の売り物を押しのけるように、そこかしこにガチャガチャが繁殖しています。 いやほんと、それぞれ内容物は違えど、外見上はうり二つのあの白い筐体がひたすらに縦横無尽に積み上がっているので、無性生殖で倍々ゲームで増えてるのかと思わせるほど、まさに「繁殖」と言うべき光景なのです。 これだけガチャガチャが置かれるということ

お金より時間の時代に

何かとコスパ(コストパフォーマンス)とタムパ(タイムパフォーマンス)と両者は並列で語られますが、実際にはタムパの方が優位であると考えられます。 コスパは、コスト分のお金を稼ぐためにあまり楽しくないことや辛いことに時間を費やさなければならないという前提があります。しかし、それゆえに仕事自体が楽しくて、楽しんで稼げている人には当てはまりません。 高いお金をかけて高級品をたくさん買い集めるような顕示的消費のトレンドは下火になり、どれだけ充実した体験ができるかが重要になってきてい

クリエイターとは何か

図工の通信簿が常に「1」であった江草が、あろうことか子どものために簡単なペーパークラフト的な作業をしようと思い立ちまして。 そしたら案の定、紙の縁で指を切って流血するという不器用っぷりを発揮しました。ご存じの通り、これはとても痛いやつです。 しかもクラフト用紙を袋から出そうとした時に切ったものであって、まだクラフトは全く始まってない段階という体たらく。 結果、残りの作業は妻に一任することにしました。(根性の無さがひどすぎる) このたびのこの経験を経て、不器用人間の江草

『二月の勝者』が終わってしまった

中学受験漫画の金字塔『二月の勝者』が完結してしまいました。 江草的には結構お気に入りの漫画で、折に触れて繰り返し読むぐらいには好きでした。 ↓の記事でちょろっと引用させていただいたりも。 それがついに完結ということで、ちょっと寂しい気分です。 特にこの度の最終巻は全般エピローグ風な雰囲気で、殺伐とした受験期間からうってかわって、伏線回収やお別れのエピソードがてんこ盛りのエモい内容でしたので、余計にしみじみしてしまいました。 まあ、内容的に延々と何周も続けるようなテー

ポジショントークを考える

ポジショントークは嫌われ者です。 誰かの主張が「ポジショントークだ」と評される時、まずそれはネガティブな意味合いで使われているでしょう。 その人のポジションからすると、その人自身がより有利になるような主張をすること。これが「ポジショントーク」と呼ばれ、自己利益誘導や保身を図る利己的なものとして忌み嫌われているわけです。 まあ、確かに小狡い感はありますよね。 実際、江草も時々「ポジショントークだ」という構図で何かの主張の批判を述べることはままあります。 ただ、主張者自身

人生をよく噛んで食べる

子どもとお出かけをしていると、ほんと思いもよらない物をパッと見つけてくるから驚かされます。 子どもが「あ、アンパンマンだー!」と突然叫ぶのだけれど、大人は「え、どこどこ?」としばらくキョロキョロ。遠くの店先に掛けてある商品にアンパンマンが居ることに気づくまでにだいぶ時間がかかります。 アンパンマン以外にも、道ばたでアリが歩いてるのを見つけたり、花が咲いてるのを見つけたり。大人が普段、完全にスルーしていて存在を認識してないものを子どもはちゃんと認識できているのです。 これ

子どもを人質にして働かせる家族愛搾取

医局人事を揶揄したブラックジョークネタで、「医局員が結婚して、子どもが生まれてローンを組んで家を建てた瞬間に僻地への単身赴任勤務を指示する」というのがあります。 ローンを組んで本人の身動きが重くなったところを狙い撃ちというわけですね。人事に気が進まなくても、家族を養い家のローンを支払わないといけないから、渋々従うと。 まあ、最近ではそんなことをしたらすぐに脱局、転職されてしまいそうなので、ここまで露骨なことはされてないとは思います。 (Xではまさにこの逆転バージョンだけ

身内や同志に厳しくなれるかどうかが一番難しい

批判的思考とか批判的態度が大事と言われます。 なんなら、江草自身もここnoteでそんな話をちょいちょい書いてきています。 「批判する」という行為自体が忌避されて、空気を読んで誰も異を唱えることなく破滅へと突き進むこともありがちな日本社会においては、特に大事なことであるように思われます。 ただ、理屈としてはそうなんですけど、実践しようとするとこれがまた難しいんですよね。言うは易く行うは難しの典型です。 まず、ひとつのハードルは偉い人(権威ある人)がおかしな主張をしている

自由時間とモチベーションの不思議な関係

自己啓発的な言説の一つのパターンとして「どうやってモチベーションを維持するか」みたいな方向性のものがある気がします。 「よし勉強するぞー」といって机に向かったはいいけど、SNSや動画をダラダラ見続けてしまいます……、みたいな方をイメージした叱咤激励。 25分集中するごとに5分休憩していいよみたいなテクニック的なものから、「そもそも勉強するのは何のためかを考えよう」とWHYからアクセスするもの、「そもそも延々とモチベーションが湧き続けるような自分が好きなやりたいことだけ対象

議論は話し言葉か書き言葉か

先日の都知事選で2位となった石丸伸二氏の質疑応答の態度が話題になってます。 質問者に逆に質問を返したり、「もうその点はさっき答えましたよ」と誤魔化したり、別の問題に話をすり替えたりと、相手を煙に巻く答弁スタイルが「石丸構文」として、ネット民の大喜利のおもちゃと化してしまっていると。 いやしくも都知事選で100万票以上の支持を得た方ですし、これだけでどうこうというのは丁寧な態度とは言えませんから、ここでは石丸氏当人の人物評をするつもりはありません。 ただ、もっと一般論的な

現代社会における「七つの大罪」の状況を概観する

最近読んでる本が立て続けにちょうど七つの大罪っぽいなと思いまして。 七つの大罪とは、キリスト教世界で「こうなったらあかんでー」という罪が7個リストアップされてる例のやつです。(ここでは漫画作品のことではありませぬ) 具体的には下記ですね。 1. 高慢(Pride) - 自分を他者よりも優れていると考える傲慢な態度。 2. 嫉妬(Envy) - 他人の幸福や成功を妬むこと。 3. 憤怒(Wrath) - 抑えきれない怒りや憎しみ。 4. 怠惰(Sloth) - 怠けて努力

子連れサマー

屋内では運動不足になるワンパクな子ども + 灼熱の外界 = サバイバル というわけで、暑いですね。暑い。大事なことなので二度言いました。暑い。(三度目) そりゃね、もうこんな日は外に出たくないですが、でも子どもが家の中に居ずっぱりでは限界があります。 大人だけならクーラーが効いた部屋でPrime Videoでものほほんと見てればいいですが、子どもがいるとそういうわけにもいかないのです(だいたい部屋でPrime Videoでゴジラを観たくてもチャンネル権は親にはあ

ブルシット・ジョブは嫉妬ジョブなのかも

こないだ読んだ『嫉妬論』を受けてのスピンオフ的な雑考。 『嫉妬論』。この民主社会において嫉妬は不可分な存在でありながら見て見ぬふりをされるタブーとなっていることを指摘した良書でした。 この中で、江草のnoteで頻出でおなじみの、デイヴィッド・グレーバーによる『ブルシット・ジョブ』にも触れられてたんですね。 同書で出てきた「エッセンシャルワーカーのような低待遇で社会的地位も低く見られがちな職業たちがそういう扱いになってるのは、道徳的に善いことを仕事にしていることに対する羨