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一日一記

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江草が毎日何かしら考えたことを書く日記みたいなプロジェクトです。 2023年2月から一時的にお休み中でしたが、10月13日より再開します。
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記事一覧

『人口は未来を語る』読んだよ

『人口は未来を語る』読んだよ

ポール・モーランド『人口は未来を語る 「10の数字」で知る経済、少子化、環境問題』読みました。

一部で話題となっていた人口論の一冊。著者のポール・モーランドはイギリスの人口学者。少子高齢化、移民、世界人口ピークアウトなど現代世界が抱える人口問題を概括されています。

結論から言えば、評判になってるだけあって非常に面白かったですね。広くオススメできる良書です。

江草は以前から人口問題に関心があっ

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政治家たちを突き動かすもの

政治家たちを突き動かすもの

ご存じの通り、こないだトランプ元大統領暗殺未遂事件がありました。幸い命にかかわるようなことにならず、記憶に新しい本邦の安倍元総理の悲劇の繰り返しを免れて、ほんと良かったなと思っています。

日本よりもよほど暗殺の歴史が色濃い米国ですが、民主主義国家の雄として今後ともこうした暴力による政治介入が防がれるように全力を尽くされることを望みます。トランプ氏の態度や思想に色々思うところは皆さんあろうかと思い

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エビデンスの持ち腐れ

エビデンスの持ち腐れ

エビデンス主義全盛の世の中において、データや典拠を付与する言説は当たり前のようになってきました。

江草がなんとなく手に取る書籍でも、これでもかと"[2]"みたいな脚注記号がそこかしこに施されてることが多いですね。もちろん、きっちりした学術書はもともとそうだったと思いますが、昨今では比較的ライトな書籍でも参照をしっかり書くようになったということです。

これ自体はとても良いことだと思ってます。やっ

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ガチャガチャどんどん増殖してない?

ガチャガチャどんどん増殖してない?

子どもとお出かけしてる時に、最近感じるのは異様なまでのガチャガチャの数の多さです。

特におもちゃ屋やショッピングモールでのガチャガチャ勢力の拡大がすさまじくて、他の売り物を押しのけるように、そこかしこにガチャガチャが繁殖しています。

いやほんと、それぞれ内容物は違えど、外見上はうり二つのあの白い筐体がひたすらに縦横無尽に積み上がっているので、無性生殖で倍々ゲームで増えてるのかと思わせるほど、ま

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お金より時間の時代に

お金より時間の時代に

何かとコスパ(コストパフォーマンス)とタムパ(タイムパフォーマンス)と両者は並列で語られますが、実際にはタムパの方が優位であると考えられます。

コスパは、コスト分のお金を稼ぐためにあまり楽しくないことや辛いことに時間を費やさなければならないという前提があります。しかし、それゆえに仕事自体が楽しくて、楽しんで稼げている人には当てはまりません。

高いお金をかけて高級品をたくさん買い集めるような顕示

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クリエイターとは何か

クリエイターとは何か

図工の通信簿が常に「1」であった江草が、あろうことか子どものために簡単なペーパークラフト的な作業をしようと思い立ちまして。

そしたら案の定、紙の縁で指を切って流血するという不器用っぷりを発揮しました。ご存じの通り、これはとても痛いやつです。

しかもクラフト用紙を袋から出そうとした時に切ったものであって、まだクラフトは全く始まってない段階という体たらく。

結果、残りの作業は妻に一任することにし

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『二月の勝者』が終わってしまった

『二月の勝者』が終わってしまった

中学受験漫画の金字塔『二月の勝者』が完結してしまいました。

江草的には結構お気に入りの漫画で、折に触れて繰り返し読むぐらいには好きでした。

↓の記事でちょろっと引用させていただいたりも。

それがついに完結ということで、ちょっと寂しい気分です。

特にこの度の最終巻は全般エピローグ風な雰囲気で、殺伐とした受験期間からうってかわって、伏線回収やお別れのエピソードがてんこ盛りのエモい内容でしたので

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ポジショントークを考える

ポジショントークを考える

ポジショントークは嫌われ者です。

誰かの主張が「ポジショントークだ」と評される時、まずそれはネガティブな意味合いで使われているでしょう。

その人のポジションからすると、その人自身がより有利になるような主張をすること。これが「ポジショントーク」と呼ばれ、自己利益誘導や保身を図る利己的なものとして忌み嫌われているわけです。

まあ、確かに小狡い感はありますよね。
実際、江草も時々「ポジショントーク

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人生をよく噛んで食べる

人生をよく噛んで食べる

子どもとお出かけをしていると、ほんと思いもよらない物をパッと見つけてくるから驚かされます。

子どもが「あ、アンパンマンだー!」と突然叫ぶのだけれど、大人は「え、どこどこ?」としばらくキョロキョロ。遠くの店先に掛けてある商品にアンパンマンが居ることに気づくまでにだいぶ時間がかかります。

アンパンマン以外にも、道ばたでアリが歩いてるのを見つけたり、花が咲いてるのを見つけたり。大人が普段、完全にスル

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子どもを人質にして働かせる家族愛搾取

子どもを人質にして働かせる家族愛搾取

医局人事を揶揄したブラックジョークネタで、「医局員が結婚して、子どもが生まれてローンを組んで家を建てた瞬間に僻地への単身赴任勤務を指示する」というのがあります。

ローンを組んで本人の身動きが重くなったところを狙い撃ちというわけですね。人事に気が進まなくても、家族を養い家のローンを支払わないといけないから、渋々従うと。

まあ、最近ではそんなことをしたらすぐに脱局、転職されてしまいそうなので、ここ

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身内や同志に厳しくなれるかどうかが一番難しい

身内や同志に厳しくなれるかどうかが一番難しい

批判的思考とか批判的態度が大事と言われます。

なんなら、江草自身もここnoteでそんな話をちょいちょい書いてきています。

「批判する」という行為自体が忌避されて、空気を読んで誰も異を唱えることなく破滅へと突き進むこともありがちな日本社会においては、特に大事なことであるように思われます。

ただ、理屈としてはそうなんですけど、実践しようとするとこれがまた難しいんですよね。言うは易く行うは難しの典

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自由時間とモチベーションの不思議な関係

自由時間とモチベーションの不思議な関係

自己啓発的な言説の一つのパターンとして「どうやってモチベーションを維持するか」みたいな方向性のものがある気がします。

「よし勉強するぞー」といって机に向かったはいいけど、SNSや動画をダラダラ見続けてしまいます……、みたいな方をイメージした叱咤激励。

25分集中するごとに5分休憩していいよみたいなテクニック的なものから、「そもそも勉強するのは何のためかを考えよう」とWHYからアクセスするもの、

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議論は話し言葉か書き言葉か

議論は話し言葉か書き言葉か

先日の都知事選で2位となった石丸伸二氏の質疑応答の態度が話題になってます。

質問者に逆に質問を返したり、「もうその点はさっき答えましたよ」と誤魔化したり、別の問題に話をすり替えたりと、相手を煙に巻く答弁スタイルが「石丸構文」として、ネット民の大喜利のおもちゃと化してしまっていると。

いやしくも都知事選で100万票以上の支持を得た方ですし、これだけでどうこうというのは丁寧な態度とは言えませんから

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現代社会における「七つの大罪」の状況を概観する

現代社会における「七つの大罪」の状況を概観する

最近読んでる本が立て続けにちょうど七つの大罪っぽいなと思いまして。

七つの大罪とは、キリスト教世界で「こうなったらあかんでー」という罪が7個リストアップされてる例のやつです。(ここでは漫画作品のことではありませぬ)

具体的には下記ですね。

1. 高慢(Pride) - 自分を他者よりも優れていると考える傲慢な態度。
2. 嫉妬(Envy) - 他人の幸福や成功を妬むこと。
3. 憤怒(Wra

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