風待ち

介護離婚して、癌の兄と母を看取って、念願の「おひとりさま」生活。 3年前の交通事故で左…

風待ち

介護離婚して、癌の兄と母を看取って、念願の「おひとりさま」生活。 3年前の交通事故で左手が不自由。仕事はリモート。 フランス在住経験ありの元バックパッカー。 写真は自前。 コメント苦手なので、交流は記事のみが助かります。m(__)m

最近の記事

とりあえず逆らってみる ※追記あり

テレビに向かって頷く人よりは、文句を言う人のほうが認知症になりにくい、というのをどこかの精神科のお医者さんが書いていた。 自分を肯定されたようで嬉しい。 「12人の怒れる男」の陪審員8番のような人が好きだ。 みんなが是とするものに対して、とりあえず「否」と言ってみたい。 多数決でものごとが決しようとするとき、つい少数のほうにつきたくなる。みんながいいというものが、本当にいいのかどうか、自分に確かめたくなる。 勢いにまかせてみんなと同じ方向に流れる前に、「ほんとにそうか?」

    • マスクは思いやりのため

      地震速報を見ようとテレビをつけたら、ちょうど山形県に大雨特別警報が発令されたところだった。 降りしきる雨の中、足元もおぼつかない高齢者は、いったいどうやって逃げればいいのだろうか。 もう、そういう人はすでに安全な場所を確保できているのだろうか。 この国の災害後の支援体制には大きな不安と不満があるだけに、どうかみんなご無事でと祈らずにいられない。 先週の金曜日を最後として会社に行っていないだけでなく、ゴミ出し以外には外に出ていない。 「熱中症警戒アラート」というのが出ていて、

      • 鰻丼を食べた

        一昨日、鰻のかば焼きのタレがついたご飯のことを書いたら、なんだか無性に食べたくなってしまった。 かといって、足で探し回るには、猛暑すぎる。 登録しているネットスーパー4軒を検索すると、一番安いので680円というのが見つかった。 もちろん国産ではないが、こだわらない。 少量で安いほどよい。 ちょうど買おうと思っていた卵や牛乳などと一緒にこれをオーダー。 今日のお昼には、久々の鰻と、そのタレのついたご飯を堪能した。 人生で数度目、である。 夫がいたときは、移し替えの済んだタレ

        • 考えようとしない人が嫌い(ただの愚痴)

          仕事などの処理にあたって、何も考えず前のとおりにやるのが好きじゃない。 そのときはベストと思ってそうしたのだけれど、状況によっては今回もそうとは限らない。 自分のときは、前回自分で作ったマニュアルを参考にはするけれど、ほかのやり方はないのかと考える。 もっと現状に合った、もっと効率的で適切なやり方はないのだろうか。 経験値を活かす楽しみもある。 私がマンションの管理組合の理事長をやったのは2年前だが、先ほど今年の理事から問い合わせがあった。 去年の理事に聞いたけれど埒が明

        とりあえず逆らってみる ※追記あり

          蝉も鳴けない

          今日から晴れて有休消化である。 学校は夏休みらしいが、外で遊ぶ子供の声は聞こえない。 蝉の声も聞こえない。 蝉も鳴けない暑さなのだ。 仕事のない日々になったけれど、どこにも行かない。 心の中で「秋になれば」とか「涼しくなれば」とか妄想はしているけれど、「神護寺展」も「徳川美術館展」も残暑のうちに閉幕してしまう。 まあ、仏像は寺にあってこそという従来の思いを、ここぞとばかり強調して自分を言いくるめている。 昔、阿修羅さんが出張ってきたとき、美術コラムを書いていたので一般公開

          蝉も鳴けない

          「ひつまぶし」がいつも「ひまつぶし」に見える。

          明後日は、土用の丑の日だそうだ。 「鰻が高い日」という認識しかないのが情けない。 鰻を食べたこと自体あまりない。 結婚して、初めて食べたと思う。 しかし高いので、ほとんどは1人前だけ買って、いったん、私のご飯の上に乗せる。 そして、しばらくおいて、夫のご飯の上に移し替える。 私にとって鰻は好物の範疇に入らないが、かば焼きのタレがついたご飯は好きなのでこれで十分なのである。 なら、かば焼きのタレだけ別に買ってご飯にかければいいという意見もあるが、そうではない。 鰻の身にまと

          「ひつまぶし」がいつも「ひまつぶし」に見える。

          勝手につぶやき<光る君へ(第28回)>

          ★倫子 倫子に「帝のお好きなもの」を訊かれて、正直に「知らない」と答える女院。 「あなたは子らの好きなものを知っているの?」 の返しに、「母親なら知ってるの当たり前でしょ」とばかりに並べ立てる倫子。 こういうとこ! 私が、倫子をいまいち推せないのは。 脚本家も、それを狙っているのかもしれない。 ★行成 彰子の「仰せのままに」の人形っぷりに、己の姿を投影し、同情のあまり「后にしてやってもよい」と言ってしまう帝。 この心の揺らぎにつけ込み、畳みかける行成。 「帝が下々の者と

          勝手につぶやき<光る君へ(第28回)>

          2024夏ドラマのちょびっと感想(ほぼ悪口)

          すでに7月も半ば過ぎとなり、私の住まいのあたりは梅雨も明け、子供たちは夏休みの季節になった。 老後の記憶のよすがにするためのメモ。 初回視聴時にも書いた重複箇所あり。 ★「ブラックペアン2」 2018年のシーズン1は、楽しく見た。 なので期待値が高かった分、ちょっと拍子抜けしている。 のっけから韓国ドラマ色満載で、設定をとらえるためには、不自然な日本語のイントネーションに耐えるか字幕に目を凝らさなければならない。 どっちかにせーよ。 というところで、初回に心を掴まれる予

          2024夏ドラマのちょびっと感想(ほぼ悪口)

          母に似た人

          青信号の横断歩道で車がぶつかってきたのは2020年11月20日のことだ。 救急搬送され、手術を2回やって、24日間の入院生活になった。 コロナ禍でベッドも医療スタッフも足らず、入院中も何度かクラスターが発生して外来が閉鎖されていた。 その年の1月には母が逝っているし、その先々年には兄を看取っているから、駆けつける家族もない。 そもそもコロナ禍だから、面会自体が禁止されていて、数名の友人に連絡をしたけれど来てもらうことはできない。 入院後半は、痛みも和らぎ、毎日40分ほどの

          母に似た人

          ひきこもり初日

          いつもどおり6時に目覚めて、トイレに行ったついでにリビングのエアコンをつけて、「朝に聴くクラシック」を流しながら再びベッドにもぐりこんだ。 ウトウトしたいのだけれど、夢を見るのが怖いからしない。 なんとはなしに音楽を聴く。 通勤のときは30分、リモートのときは1時間、無為を楽しむ。 休みの日は何も制限がない。 どこからともなく「何もしないでいるのはもったいない」という気持ちが湧き上がる。 いったい何をもったいながっているのか。 怠惰を罪として自らに振りかざした正義の剣を、

          ひきこもり初日

          プチ定年感

          朝からニマニマしていた。 マスクの下の頬が緩んでいるのが自分でわかる。 会社の最終出勤日だった。 いい職場だった。 それでも、ニマニマが止まらない。 このあと何をするんですかと問われた。 何もしませんと答える。 10年に1度の猛暑だというし、コロナも再拡大している。 エアコンの効いた部屋で、本を読み、音楽を聴く。 テレビを見、だらだらする。 何もやることがないプチ定年感を味わいたいんですと答えた。 いずれ、お金のためにまた働かねばならないとわかっているけれど、とにか

          プチ定年感

          強盗未遂事件の顛末

          一昨年度、私はマンション管理組合の理事長だった。 そのとき起こった事件の話。 墓じまいをする前、片道3時間かけて墓参に行っていた。 戻ってくると 「ああ、理事長、いいところに帰ってきた。」 エントランスで、ほかの階の理事さんに呼び止められた。 留守中に何度も電話をくれたり、玄関のピンポンを押したりしたらしい。 手に「不審者情報」の張り紙を持っていた。 私と連絡が取れないので、とりあえず独自に注意を促す紙を作って、いましがた掲示し、各理事への回覧を依頼して回っているところだ

          強盗未遂事件の顛末

          地図が変えた人生

          小学校に上がる前の初冬、私たち家族は上京した。 家族の歴史の中で、最も長い距離の夜逃げである。 東京の下町にある従業員50名ほどの工場の事務所の2階の一部が、新たな住まいとなった。 4畳半が2間。5人暮らし。 トイレは階下の事務所のものを使った。 風呂はなく、銭湯に行っていた。 1階には事務所用の台所のような水場もあり、横に「電熱」と呼ばれる熱線がぐるぐる巻いたやつがあって、これでヤカンの湯を沸かした。 うちもここを使わせてもらったが、ろくな調理もできない。 私は毎日、

          地図が変えた人生

          命が助かるとか失われるとかの強烈な瞬間をきっかけにして、人々が団結していくのを、怖いような気持ちで眺めている。 何か新たな教祖の誕生を見るような恐怖がある。 申し訳ないが。

          命が助かるとか失われるとかの強烈な瞬間をきっかけにして、人々が団結していくのを、怖いような気持ちで眺めている。 何か新たな教祖の誕生を見るような恐怖がある。 申し訳ないが。

          ゾウリムシの記憶

          木星の衛星に「ガニメデ」というのがある。 この地下に、海が存在する証拠が見つかったと聞いたのは10年ほど前だ。 海があるということは、生命体がいるかもしれないということだ。 ガニメデシーラカンスとかガニメデカブトガニとか。 しかし、そのあとどうなったのかわからない。 地球に住む人たちが、宇宙について「発見」できていることなんて、ほんのわずかなんだなと思う。 ほとんどが未知である、ということは、なんとなく私を嬉しくさせる。 どうでもいいことだが、「ガニメデ」を発見したのは、

          ゾウリムシの記憶

          振ればカラカラと音がする

          いまの正業(副業?)も残り1週間となった。 夫がいたときも、父や母の通い介護をしていたときも、兄を在宅介護していたときも、もう何十年ものあいだ、毎週日曜日に平日分のお惣菜を作るのが習慣になっている。 リモート主体となっても、なんとなくそうしていた。 昔は、夏でもお弁当を持って行っていたので、お弁当にもできるし夕食のおかずにもなるというものが多い。 しかし、ここ何年かは、昔からは考えられないほどの暑い夏になっているので、さすがに怖くて持って行けない。 昨日の昼食はベーコンと

          振ればカラカラと音がする