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大自然のなかの歌 - アメリカ先住民の詩
アメリカ先住民(ネイティブ・アメリカン、インディアン)に伝わる詩を紹介します。
大自然と日常に根ざした歌です。
これは岩に語りかける詩でした。
下のふたつは詩の断片です。
次の詩は、散文のようですが、神話を語っているようでもあります。
アメリカ先住民には、トーテム(祖先としての動物)を持つ文化があります。
次は「夜明けの歌」です。エスキモー(イヌイット)に伝わります。
また、テトン・ス
思考する精神の高さ - パスカル『パンセ』(3)
17世紀フランスの哲学者、パスカルの『パンセ』(瞑想録)を読む第3回です。
第1回では、「人間は考える葦である」という有名なフレーズを見ました。
その後、パスカルがいかに現世のむなしさに愕然としていたかを見ました。
しかし、その逆境においてこそ、パスカルは真理の探求に踏み出すのでした。
私たちは思考する力、つまり西洋の言う「理性」によって、真理へと歩めます。
思考する精神の高さ - パスカル『パンセ』(2)
前回は、パスカルの名著『パンセ』(瞑想録)から、有名な一節を見ました。「人間は考える葦である」の言葉です。
さて、パスカルは地上的な救いのなさに失望し、キリスト教の神を求めたのでした。
その信仰に至る過程で、パスカルは現世のこと、社会のこと、そこに見られる人間の「ダメさ加減」を思考しました。
この「考える」ことのつらさと苦しさを通じて、パスカルは信仰を確かなものにしたのでしょう。
「気晴ら
思考する精神の高さ - パスカル『パンセ』(1)
17世紀のフランスを生きた哲学者パスカルの『パンセ』(瞑想録)より、引用します。この本は思考の断片を集めた遺稿集です。
まずは、人間を一本の葦(あし)にたとえた、一番有名な言葉から。葦は水辺の草ですね。
人間は、物理的には弱い存在です。また、小さい存在です。しかし、人間は「考える」ことができるとパスカルは説きます。
人間は「考える」ことによって、力ある自然よりも、豊かであり、尊厳を持ちうる、
ターシャが思うこと、子供たちへ
絵本作家であり、ガーデニングで有名なターシャ・テューダーの語りを収めた本、『思うとおりに歩めばいいのよ』から引用します。
実はターシャも都市生活を経験して、絵本作家、挿絵画家、児童文学作家として若い頃から活躍していました。
50代半ばでバーモント州の自然の多い土地に引っ越し、息子の力を借りて古い建築法で家を建て、造園をはじめました。この庭仕事が、日本ではとくに有名になっています。
丁寧な暮ら
人生の教えを噛みしめる - 菜根譚(3)
中国の古典『菜根譚』には人生の知恵が詰まっています。
この本は天地や自然の例えを引きながら、ひとの世の生き方を綴っています。根菜のように味わい深い教え、心身を養う言葉という趣旨で『菜根譚』と名づけられています。
以下、オリジナルの現代語訳で引用します。(訳し方や解説については第1回記事の冒頭をご覧ください。)
宇宙や自然の運行と、ひとの心の奥深さを並列するところに『菜根譚』の特徴があります。
人生の教えを噛みしめる - 『菜根譚』(2)
中国の古典、『菜根譚』は人生の知恵をたとえ話で説く親しみやすい書物です。それと同時に、たとえ話に壮大さのある柄の大きな本です。
こちら第1回の続きです。「詩の図書館」オリジナルの現代語訳でお読みください。(オリジナル訳の仕方については第1回記事の冒頭をご覧ください。)
努力して時間をかけないと、幸福も知も身にならないということですね。じっくりと人間を磨くように促されます。
こういう処世術も顔
人生の教えをよく噛みしめる - 菜根譚(1)
『菜根譚(さいこんたん)』は中国、明代の古典です。洪自誠という著者が、儒教、仏教、道教といった教えを合わせた人生訓を編みました。
「野菜、根菜をよく噛んで食べるように、栄養のある言葉を味わおう」という考えから、「菜根譚」と名づけられたようです。
では、『菜根譚』から現代語訳で引用します。
(以下の現代語訳は、「詩の図書館」オリジナルです。ただし、岩波文庫の『菜根譚』(今井宇三郎訳注 1975