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人生の教えを噛みしめる - 『菜根譚』(2)
中国の古典、『菜根譚』は人生の知恵をたとえ話で説く親しみやすい書物です。それと同時に、たとえ話に壮大さのある柄の大きな本です。
こちら第1回の続きです。「詩の図書館」オリジナルの現代語訳でお読みください。(オリジナル訳の仕方については第1回記事の冒頭をご覧ください。)
苦しみ、楽しみ、自分を磨き、練ってそれが行き着いて幸福になれば、その幸福は長く続く。疑い、信じ、じっくりと自分で考え抜いた末についにたどり着いた知であれば、それは真実なものとなる。
努力して時間をかけないと、幸福も知も身にならないということですね。じっくりと人間を磨くように促されます。
他人が嘘を言っていても、素知らぬフリをする。他人から軽蔑されても、なんとも表には出さない。このなかに窮め尽くせない意味があるもので、効用も大きいのだ。
こういう処世術も顔を覗かせるところが、『菜根譚』の面白さです。
「独りで籠もって徳を積め」とは言わず、世の中に出て、そこでよりよく生きていく道を示そうとしています。
すぐれた技も拙いかのように見せかけ、ふっと隠れてしかも明晰であり、清らかな心も汚濁のうちに置いて、身をかがめるようにして実は伸び伸びとしている。これが世渡りのコツであり、身を守るための洞穴とも言える。
「能ある鷹は爪を隠す」とも言いますし、慎みが大事なのですね。
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